【POG2025-2026】第1回・指名馬検討会 今年もキズナの「成功パターン」を攻める!

馬券研究・競馬知識

はじめに

5月に入り、ダービーの足音とメイクデビューの季節が近づいてきた。今年もPOGドラフトに向けた短期連載をスタートさせる。

昨年は4回にわたってお送りした連載だが、そこで取り上げた馬をざっと振り返ってみると……

マジックサンズ(札幌2歳S)
レーゼドラマ(フラワーC)

ナムラクララ(紅梅S)
プラウドフレール(東京2歳優駿牝馬、浦和桜花賞)
エンブロイダリー(クイーンC、桜花賞)
ショウナンザナドゥ(フィリーズレビュー)
(赤字はキズナ産駒。後述)

あたりが活躍した。もっとも、わたしが唯一参加(主催)している団体は「同一牧場の獲得は1頭まで」と「指名禁止馬あり」の特殊ルールもあって、上記のうち実際にとれたのはナムラクララだけなのだが。

身の上話のついでに、わたしの指名馬も紹介しておくとこんな感じ。

エストゥペンダ(フェアリーS3着、クイーンC3着)
マテンロウコマンド(兵庫CS)
ナムラクララ(紅梅S)

デアマトローナ
ウインアレース
ブラックルビー(2勝)
ダノンブギ
レーヴドロペラ
コスモマガラニカ
ニシケンカバル
ジューンセレッソ
ブライトビギニング
アンビアンス
ハツコイサイダー

ドラフト1~3位の活躍で現在8人中2位につけているものの、首位がクロワデュノールを持っているので既に逆転はない点差。オークスやダービーに向けた弾も残っておらず、あとは順位ダウンを覚悟しながら見守るだけ。下位指名でもう少しコツコツ稼げるように……が次シーズンに向けた改善点だ。

振り返りはこのくらいにして、さっそく指名馬の検討を始めていこう。昨年同様、第1回のテーマは「キズナ産駒」。キズナ産駒には明確な「当たりパターン」があると思っていて……という話を書いていく。

キズナ産駒の「成功法則」

キズナ産駒の「成功法則」としてわたしが常々思っているのは「母がスピード馬(短距離馬)の方が走る」という説。

たとえば初期の代表産駒ビアンフェの母ルシュクル、ファインルージュの母パシオンルージュ、マルターズディオサの母トップオブドーラ、ソングラインの母ルミナスパレードは、いずれも現役時代1000~1400mで活躍していた。

現4歳のクイーンズウォークも母ウェイヴェルアベニューはダ7F・BCフィリー&メアスプリントの勝ち馬。半兄にグレナディアガーズがいる。皐月賞馬ジャスティンミラノの母は芝5FのGⅠ・ナンソープS勝ち馬マーゴットディド。シックスペンスの母フィンレイズラッキーチャームもダート7FのGⅠ勝ち馬。ジューンテイクの母アドマイヤサブリナも1200~1400mでJRA3勝だ。

……と、去年も書いて、母がスピード型のキズナ産駒を何頭か取り上げた。その中から前記したマジックサンズ(母コナブリュワーズ=現役時代1200~1400mで4勝)、レーゼドラマ(母シアードラマ=ダ7FのマディソンSを含むGⅠ・3勝馬)、ショウナンザナドゥ(母ミスエーニョ=AW7FのGⅠ勝ち)が出た。今年もこのパターンを掘り起こしてみたい。

ちなみに「母が短距離型でない」キズナ産駒の成功例ももちろんゼロではないが、ディープボンドだったりハギノアレグリアス、テリオスベル、サンライズジパング、ナチュラルライズ、ショウナンラプンタといった具合。ほとんどがステイヤーかダート馬になる。ダート馬はまだいいが、たいてい「翌年ダービーまで」の期限が付くPOGにおいて、ステイヤーを獲得しても稼ぎどころがない。ことPOGの話に限れば、ますます母の距離適性が重要なポイントと言えそうだ。

指名候補馬

※左上から順に馬名、性別、父、母、厩舎、生産者、馬主

◆タッセルノット
メス キズナ ディアンドル 美・林 ノーザンF シルクR
→母は古馬になって1800mにシフトしたが、3歳時までは葵S勝ちなど短距離で活躍した。初仔。POG本での取り上げられ方を見るに評判はよさそう。

◆インゴッズハンズ
牡 キズナ サファリミス 美・上原佑 ノーザンF フィールドレーシング
→母はアルゼンチンの1000ギニー勝ち馬。父ディープ系×母父Not For Saleの配合からはダノンファンタジー、サトノフラッグ、サトノレイナスが出ている。

◆マイオウンウェイ
牡 キズナ アウィルアウェイ 栗・高野 ノーザンF 吉田勝己
→1月生まれ。母は現役時代シルクロードSを勝ち、スプリンターズSでも3着と好走した。ゲート試験合格済み。

◆モンローウォーク
メス キズナ アンフィトリテⅡ 美・木村 ノーザンF 杉野公彦
→母はマイルGⅠ・MRC1000ギニーの勝ち馬。近親には豪州のGⅠ馬Marble HallsやSleek Chassisがいる。ミックスセールにて6200万円で落札。

◆ゴリョウセイ
牡 キズナ カラクレナイ 栗・松下 社台F 社台GO
→母はフィリーズレビューの勝ち馬。2月生まれ。から紅の恋歌→100万ドルの五陵星ってこと?

◆リーグナイト
牡 キズナ サリエル 栗・新谷 ノースヒルズ ノースヒルズ
→母は芝ダートの両刀で1200mを4勝。ラニをつけてリメイクを出した。

◆スピナーリート
メス キズナ スピニングメモリーズ 栗・須貝 社台F 社台RH
→母は仏の6F、7FでそれぞれGⅢ勝ち。今のところそれ以上の情報は特に見当たらず。

◆ドリームコア
メス キズナ ノームコア 美・萩原 ノーザンF 吉田勝己
→母はヴィクトリアマイル勝ち。半兄のシルバーレインは現時点で既に2勝を挙げている。既にゲートは受かっており、6月デビューを目指しているらしい。

◆馬名未決定
牡 キズナ ファンスター 美・田中博 ノーザンF ダノックス
→1月生まれ。母はオーストラリアのマイルGⅠ勝ち。2代母Starspangledはヤングスターの母でもあり、つまり近親に(同じキズナ産駒の)エリキングがいる。セレクトセール当歳にてダノックスが1億6000万で落札。

◆アサリア
メス キズナ プレミアステップス 栗・藤原英 社台F インゼルR
→母は芝1400mの重賞で2着歴あり。ドーブネの半弟。母父FootstepsinthesandはJRAで過去24頭出走したが、そのなかからドーブネ、ジョバンニ、セキトバイーストらが出ている。

◆バルセシート
牡 キズナ マラコスタムブラダ 栗・松下 ノーザンF キャロットF
→母は2200mのGⅠ馬だが、その仔レシステンシアは1200-1600mのGⅠ戦線で活躍した。少し小柄だがPOG本では厩舎の目玉級の扱い。デビューは秋?

◆アウダーシア
牡 キズナ リリーノーブル 美・手塚 ノーザンF サンデーR
→母はラッキーライラックとアーモンドアイに阻まれながらもGⅠで好走した無冠の実力馬。初仔のデンクマールは現在2戦2勝で、ひいらぎ賞をレコード勝ちした。既にゲート合格しており、6月東京デビューだとか。

◆ソルパッサーレ
メス キズナ ベアフットレディ 栗・四位 タイセイ牧場 TNレーシング
→母は1400mと1800mで重賞勝ち。繁殖としてジョバンニとセキトバイーストを輩出した。母父は先ほども出てきたFootstepsinthesand。本馬の評判もよさそう。

◆馬名未決定
メス キズナ ルパンⅡ 栗・吉岡 谷川牧場 谷川牧場
→これまで4頭の産駒から重賞馬2頭(ファントムシーフ、ディスペランツァ)とOP馬ルピナスリードを出した、谷川牧場が誇るスーパーお母さん。一つ上の半兄ギフテッドも新馬勝ちを果たした。ただ、ターファイトへの募集を取り下げて自家所有になったらしく、なんらかの頓挫があった可能性あり。

◆プレイザリード
牡 キズナ ダンスアミーガ 美・加藤士 社台F 社台RH
→母父サクラバクシンオーでスピードは補完。母は現役時代1400-1600mで活躍し、繁殖としてキープカルムとカムニャックを出した。

◆パントルナイーフ
牡 キズナ アールブリュット 美・木村 新冠橋本牧場 キャロットF
→ダービー卿CTを勝ったパラレルヴィジョンの全弟。既に入厩済み。500キロを超える馬体でダート向き?

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今日はここまで。あと何回か続きます。

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