中京記念2025の概要
開催日
2025年8月17日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
中京芝1600m
概要と歴史
サマーマイルシリーズの第3戦にあたる古馬のマイル重賞。昨年まで7月のハンデ戦で施行されていたが、今年は時期が8月に変更となり、負担重量も別定にリニューアルされた。
このレース名でありながら、近年は京都や阪神競馬場の改修工事に伴う変則日程の影響を強く受けており、直近5年のうち、本来の施行条件である中京マイルで行われたのはわずか1回のみ。データ的には取り扱い注意のレースだ。
中京記念2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬13頭
ウォーターリヒト
エコロヴァルツ
エルトンバローズ
キープカルム
コレペティトール
シンフォーエバー
ジューンオレンジ
セブンマジシャン
ディアナザール
トランキリテ
ブルーミンデザイン
マピュース
メイショウシンタケ
中京記念の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV。「枠順と脚質の傾向」は中京開催の6回分を参照
人気と配当の傾向

中穴の台頭はまずまず多く、5~8番人気の圏内で6勝2着5回。また、阪神で代替された20年には最低人気のメイケイダイハードが単勝163倍の高配当で勝利した。今年から別定戦に変更されるため参考程度のデータだが、あまり人気通りにカチカチで決まるイメージはない。
平均馬連配当は1万3409円。最高馬連配当は8万10円(20年メイケイダイハード→ラセット)、最低馬連配当は1630円(24年アルナシーム→エピファニー)。
枠順と脚質の傾向

枠順と脚質の傾向は過去10年のうち中京で施行された6回分を参照する。最初のコーナーまでが近いコース形態もあって、どちらかといえば内めの枠が優勢。最も成績がいいのは3枠で【3-2-0-7】複勝率41.7%。ざっくり半分で分けると1~4枠が複勝率、回収率ともに5~8枠のそれより高くなっている。

4角通過順別成績は5番手以内と6番手以下でほぼ互角か、わずかに差し追い込み有利。とはいえ決定打になるほどの差でもなく、月並みだが展開と馬場次第だろう。
前走について
前走3勝クラス組は【0-0-1-8】。唯一の好走となったダローネガも3番人気に推されていたため、複勝回収率は25%と低い。あえて昇級馬を狙うメリットはない。
OP・リステッド組は【6-4-3-59】単回収率311%、複回収率108%とここが狙い目。その連対馬に限れば【3-3-3-12】複勝率42.9%、単回収率156%、複回収率154%とさらに信頼度が増す。
重賞組は【4-6-6-58】複勝率21.6%で全体的に可もなく不可もなく。なお中京開催時に限るとGⅢ組【0-0-0-14】と全滅で、1400~1600mのGⅡ~GⅠ組がまずまずの好成績だった。
中京記念2025の参考レース
参考レース① 安田記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:ややスロー
→この日の東京芝は人気薄の内前残りが目立つトラックバイアス。スプリント路線から出張してきたマッドクール、ウインマーベルの2頭が先団を形成して前半3F35.0秒は遅めのペース。中盤で11.7-11.7と若干緩み、残り3Fから再加速するオーソドックスなラップ構成となった。ただ、戦前に書いた通り安田記念は「スロー=前有利」の図式が通じないレース。わずかに内が有利な以外、大きなバイアスはなかったと評価する。
7着エコロヴァルツ【道中不利】
中団の内目を追走していたが、3角手前で両隣から挟まれる不利。一列下がった。直線はジリジリ伸びて0.5秒差。スムーズなら掲示板はあったかも。
9着ウォーターリヒト【力負け】
道中は後方追走。直線は前にいたソウルラッシュ&ガイアフォースが伸びてくれたことでスムーズに脚を使えているが、上位陣を脅かすには至らなかった。今日に関しては力負け。GⅠの壁。
参考レース② しらさぎS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや内有利
展開:ややスロー
→あまり積極的にハナを取りに行く馬がおらず、ジワっとニホンピロキーフが逃げて前後半47.2-45.8のややスローペース。前がやや有利なレースだったと評価する。
1着キープカルム【地力強化】
道中は中団のインで窮屈。直線も残り300mくらいまで進路がなかったが、空いてから鋭く脚を使い、最後はチェルヴィニアをむしろ突き放す形でゴールした。実質2キロの斤量有利があったとはいえ二冠牝馬を破った。地力強化を感じさせる。
3着コレペティトール【変わり身見せる】
序盤は促していってもポジションをとれず11番手から。3~4角で大外を豪快に追い上げ、バイアスからするとだいぶロスの多い競馬をしているが、それでも最後までジワジワ伸びて3着に浮上した。去勢&障害練習効果で変わり身を見せた。これだけ長く脚が使えるならマイルでなくてもよさそう。
参考レース③ マイルCS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:外有利
展開:ハイペース
→傾向の読みにくかった京都芝だが、結局外回りは普通に外伸びだった。ペースが思いのほか流れて前後半45.7-46.3の前傾ラップ。テン3F33.8秒は前総崩れの去年よりさらに速かった。シンプルに外差し勢が恵まれたレースだったと評価する。
2着エルトンバローズ【展開と馬場に沿う】
好スタート。近走は先行してきたが、ペースを悟ってか中団に控えた。4角~直線も伸びるラインを通し、内にモタれるのを修正しながら脚を使った。展開とトラックバイアスに沿った競馬だった。自身の上がりは34.2秒。こういう速い上がりが要らない展開でこその馬。