札幌記念2025の概要
開催日
2025年8月17日(日)
グレード
GⅡ・3歳以上
コース
札幌芝2000m
概要と歴史
1965年に創設された古馬重賞。夏競馬期間では貴重な定量戦であり、1着賞金も7000万円と高額ないわゆる「スーパーGⅡ」。GⅠ馬や、凱旋門賞を目指す有力馬の参戦も珍しくない。
過去の優勝馬にはエアグルーヴやセイウンスカイ、アドマイヤムーン、アーネストリー、ハープスター、ソダシなどビッグネームがズラリと並ぶ。毎年非常にハイレベルな戦いが繰り広げられている。
札幌記念2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬18頭
アウスヴァール
アラタ
アルナシーム
エコロブルーム
オールナット
ケイアイセナ
ココナッツブラウン
コスモキュランダ
シュトルーヴェ
シュヴァリエローズ
ショウナンアデイブ
ステレンボッシュ
トップナイフ
ハヤテノフクノスケ
ホウオウビスケッツ
ボーンディスウェイ
リビアングラス
ヴェローチェエラ
札幌記念の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

定量戦の札幌記念だが、意外にも1番人気はこの10年で未勝利。 2-3番人気の馬が計6勝を挙げている。6番人気とそれ以降に断絶があって、7番人気以下の馬は【0-3-1-77】複勝率4.9%、複回収率36%と不振。基本的には上位人気の馬を中心に考えるべきだろう。
平均馬連配当は7921円。最高馬連配当は3万7670円(17年サクラアンプルール→ナリタハリケーン)、最低馬連配当は470円(21年ソダシ→ラヴズオンリーユー)。
枠順と脚質の傾向

枠順別成績では1枠と2枠が圧倒的に高い好走率を誇る。複勝回収率を見ても1、2枠を買っておけばいいという状態だ。ただし、昨年まで札幌記念はCコース替わり最初の週で行われることが多かったが、今年はAコースでの施行となる。傾向が変化する可能性はある。

直線が短い札幌コースだけあって、4角通過順別成績を見るとやはり5番手以内の方が圧倒的に優勢。複勝率31.6%は同6番手以下の14.3%に比べて2倍以上だ。ただ、初角の通過順別だと5番手以内【5-3-3-42】複勝率20.8%に対し、6番手以下【5-7-7-68】同21.8%と大きな差はない。
前走について
条件戦組は【0-0-0-7】、OP・リステッド組も【0-0-0-9】と、この2つの組には好走がない。
前走GⅢ組は【3-1-3-51】で複勝率12.1%。過半数を占める函館記念組は【2-1-1-30】だ。函館記念で後方待機から差し届かなかった馬がよりコーナーの大きい札幌に替わって浮上する……という例が以前はちらほら見られたが、2018年以降は【0-0-0-21】と1頭も馬券に絡めていない。前走GⅡ組は【1-1-0-7】で、好走2例はどちらも目黒記念組だった。
国内外問わずGⅠから参戦してくる馬は【6-8-7-37】複勝率36.2%と高い確率で好走している。中でも成績が良いのは安田記念組【2-3-1-5】複勝率54.5%、複勝回収率142%や、QE2世C組【2-1-0-2】複勝率60.0%、複勝回収率178%など。
宝塚記念組、オークス&ダービーの3歳クラシック組も悪くないが、大阪杯組【1-0-1-6】とドバイ組(ターフとシーマクラシック合算)【0-0-1-9】は苦戦している。
札幌記念2025の参考レース
参考レース① 大阪杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利、超高速
展開:ややハイ
→デシエルトが出遅れるも結局我慢ができずハナへ。1000m通過57.5秒で突っ込んだ。ただし2番手ホウオウビスケッツの集団だと前後半推定58.3-57.9で「締まったミドル」という表現の方が適切。また、勝ち時計1:56.2は従来のレコードを1秒更新するもの。前後の有利不利はあまりないが、内を回った馬と高速馬場巧者が恵まれたレースと評価する。
5着ホウオウビスケッツ【力は出し切る】
デシエルトに絡まれて少し折り合いに苦労しながらも、前を深追いしない位置で抑えて2番手追走。直線入り口で一時先頭の場面を作っており、騎乗はほぼ完璧だった。2着まで0.2秒差なので僅差は僅差だが、GⅠで好走するにはもう少し展開の助けが要る。
8着コスモキュランダ【馬場合わず?】
スタートからガシガシ押して5番手で先行。直線も大バテはせずに走っているが、ジリジリと流れ込むだけだった。ロングスパートに長けたスタミナ型で、この決着時計の2000mではスピードが足りなかった印象。高速すぎる馬場が合わなかった。
13着ステレンボッシュ【不可解】
外枠から終始外目を回されたとはいえ、あまりにも伸びなかった。不可解な負け。以前書いたように、エピファネイア産駒には突如原因不明のスランプに陥る馬がちらほらいる。ちょっと今後が心配になる一戦だった。
15着アルナシーム【直線ヤメ】
大外枠が厳しく、内に入れられずトラックバイアスに逆行する競馬。4角を迎えた時点で既に手応えがなく、この鞍上らしく直線は全く追わずにゴールした。完敗だが、着差に関してはヤメた分。GⅢくらいなら反撃あっていい。
参考レース② 宝塚記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→前日降った雨の影響で重からスタートした阪神芝。しかし外差しもあり、逃げ切りもありで内外のバイアスはさほど感じなかった。戦前の想定通りメイショウタバルが逃げて1000m通過59.1秒。道中は12.2より遅い区間を作らず、後半1000mから徐々にペースを上げていった。馬場も相まって、消耗戦に強い馬が恵まれたレースと評価する。
7着リビアングラス【得意パターンも完敗】
勝ち馬の後ろ、イン3でレースを運ぶも4角から徐々に前から離され、最終的に1.0秒差負け。渋った馬場の2200~2500mあたりに守備範囲がある馬で、これで4戦続けて自分が得意なパターンの競馬になったが、今日はさすがに相手が強かった。
12着シュヴァリエローズ【道悪ダメ】
序盤は位置を取りに行ったように見えたが、むしろズルズルと後退。ほぼ最後方からの競馬になった。4角は最内を捌いて詰まることもなく追えているが、それでもラストは脚が鈍った。これで良馬場以外は【0-0-0-6】。道悪はとことん合わない。
参考レース③ 函館記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや外有利
展開:ハイペース
→土日通じてどちらかといえば外の方が伸びる馬場。想定通りアウスヴァールの逃げだが、意外と勢いがついてしまい1000m通過58.1秒のハイペース。さらに4角手前でヴェローチェエラが早めに仕掛け、先行勢はツラい展開になった。外差し有利な競馬と評価する。
1着ヴェローチェエラ【短縮成功】
600mの短縮ながら序盤は行きっぷりよく、ほぼ馬なりで中団へ。馬場のいい外を回って残り3Fから一気に仕掛け、4角先頭に立ってそのままねじ伏せた。最後は差を詰められたように見えて、ラップ自体は11.7-11.6と減速していない。展開が向いたのもあるが強い競馬。やはり右回り2000mあたりが合っていた。今後もこの路線で楽しみ。
2着ハヤテノフクノスケ【内枠やや苦しく】
内枠から位置を取りに行ったが、初角あたりでややゴチャゴチャするシーンあり。勝ち馬がマクり切ったあと、4角出口で外に持ち出せてそこから脚を伸ばしたが、既に大勢は決していた。内枠で立ち回りが少し苦しかった。
6着アルナシーム【59キロも善戦】
道中は後方3番手の外目を追走。4角では外を回すもマイネルメモリーにフタをされる形で進路がなく、内に切れ込みながら脚を伸ばした。おおむね展開と馬場は向いているが、ハンデ59キロを思えば悪い内容ではない。
8着ボーンディスウェイ【積極策裏目】
序盤から強気に出して外の3番手へ。4角で外から上がってきたヴェローチェエラに抵抗しきれず、直線はあえなく後退した。展開的に積極性が裏目に出た部分も。
10着トップナイフ【先行不利】
スタートひと息だったが、やや遅ればせ気味に勢いがつき、大外枠も味方に先行した。ただ、結果的に前全滅の展開に泣いた。エプソムCに続いて度外視可能な負け。どうも先行しない方がいいように見える。
14着アウスヴァール【逃げバテ】
内枠からハイ逃げを打ち、馬場的にも展開的にも苦しい競馬になった。元々重賞だと地力的に少し足りない馬だが、近走はハイペース続きで情状酌量の余地はある。軽視された頃の一発に警戒しておきたい。