【福島牝馬ステークス2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

福島牝馬ステークス2025の概要

開催日

2025年4月20日(日)

グレード

GⅢ・4歳以上牝馬

コース

福島芝1800m

概要と歴史

2004年に創設された古馬牝馬の重賞競走。1着馬にはヴィクトリアマイルの優先出走権が与えられる。前月に行われる中山牝馬Sと同じ関東圏の右回り芝1800mを舞台とし、中山と福島はコース適性上の連動も強いことから、必然的に中山牝馬Sとの直結度が高いレースとなっている。

一方、本番にあたるヴィクトリアマイルとのつながりは希薄。過去10年のヴィクトリアマイルにおいて福島牝馬S組の成績は【0-1-1-18】だが、好走2例はいずれも福島牝馬Sで4着以下に敗れた馬だった。ワンターンの東京マイルとは問われる適性が全く違うことに注意しよう。

福島牝馬ステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬19頭

アスコルティアーモ
アドマイヤマツリ
アマイ
アリスヴェリテ
エミュー
カヨウネンカ
ガジュノリ
グランスラムアスク
シンリョクカ
ジューンオレンジ
セキトバイースト
ピンクジン
フィールシンパシー
フェアエールング
ペイシャフラワー
ホーエリート
ミスカッレーラ
ライラック
ラズベリームース

福島牝馬ステークスの基本データ(過去10年)

※「枠順と脚質」は新潟代替の2021年を除く

人気と配当の傾向

1番人気馬は【1-4-1-4】、2番人気馬が【0-1-1-8】。ここまでで合計1勝止まり。その1勝も昨年コスタボニータによるもので、その前の10年間では1-2番人気の勝利が一度もなかった。7-8番人気で計3勝、15番人気マコトブリジャールの優勝もあり、波乱の可能性が高いレースと評価できる。

平均馬連配当は6158円。最高馬連配当は2万1670円(20年フェアリーポルカ→リープフラウミルヒ)、最低馬連配当は890円(19年デンコウアンジュ→フローレスマジック)。

枠順と脚質の傾向

枠順と脚質については新潟で代替された2021年を除き、直近の9回を参照する。表を見ての通り勝率が高いのは2-3枠で、回収率は総じて内枠が優勢。1-4枠は単回収率146%、複回収率120%とベタ買いでもプラスが出る。外枠も好走率自体が致命的に劣るわけではないが、妙味という意味ではいまひとつだ。

4角6番手以下からの差し切り勝ちは6頭出ているが、これも回収率ベースで見ると同5番手以内の数字が光る。実力馬が差して間に合わせるケースもあるにはあるが、期待値的には「イン前決め打ち」でいいのかもしれない。

前走について

前走が条件戦だった馬は【0-3-1-28】複勝率12.5%。昇級馬のみならず、2勝クラス勝ちや3勝クラス負けの「格上挑戦馬」にも好走歴がある。といっても4着以下馬は【0-0-0-10】とさすがに振るわない。ハンデ戦ではないので、格上挑戦でも斤量面の優遇はない。

OP・リステッド組も【0-1-2-17】複勝率15.0%とイマイチ。ただ、この組はそもそも上位人気に推されるような馬の出走例がほぼなかった。4着以内馬に限ると【0-1-1-2】だし、単勝オッズ10倍以下は【0-1-1-1】と悪くない。

そして全10勝を前走GⅢ組が挙げている。レース別に見ると、中山牝馬S【6-6-2-47】複勝率23.0%が出走数で他を圧倒する。ハンデ→別定で多少条件が替わるとはいえ、コース適性面ではよく似た舞台。シンプルに前走1着馬【1-2-0-0】など好走した組がよく、10着以下馬は【0-0-0-17】と反撃がなかった。

ほか「愛知杯」組も【2-0-2-6】と一見して好成績だが、これは今年で言うと愛知杯ではなく「小倉牝馬S」のことなので間違えないように。また、対牡馬重賞からの転戦は【2-0-0-5】で母数は少ないが侮れない。

福島牝馬ステークス2025の参考レース

参考レース① 中山牝馬S

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル、早仕掛け
→ペイシャフラワーが気合いを付けて逃げ。1000m通過59.6秒自体は平均程度だが、残り1000mが最速区間で11.4。早仕掛けで先行勢はややキツい展開になった。ロンスパに長けた差し馬が有利なレースと評価する。

2着ホーエリートは中団追走。3~4角で徐々にポジションを上げて3番手まで取りつき、直線はシランケドと競り合う形でしぶとく脚を伸ばした。400mの短縮でも難なく対応できていたし、上がりのかかる競馬も合っていた。

5着フィールシンパシーは先団馬群の一角から。クリスマスパレードを目標にして進路を上手く確保したが、最後はやや伸びを欠いた。1800mをこなせないこともないが、マイルの方がよさそう。

6着ジューンオレンジは内で控える競馬をしたが、序盤少し引っかかり気味だった。4角を手応えよく回ってきたものの、いざ追い出すと鋭い伸び脚は見られず。1800mならもう少し軽い馬場でやりたい。

9着エミューはインの後方から4角も最内を狙う騎乗。ロスなく立ち回ってきたが、直線は前を捕らえるには至らず。ゴール前はむしろ差されながらの入線だった。現状、重賞で好走するには展開の助けが要る。

11着ペイシャフラワーは残り1000mから11.4のペースアップが厳しく、直線に向いたあたりで一杯。ハンデ51キロでこれだとOPではなかなか前途多難。

12着セキトバイーストは外枠もあって今日は3番手から。4角で既に手応えが怪しく、走りもフラフラしていた。鞍上も無理に追わなかった。

参考レース② 小倉牝馬S

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:やや内有利
展開:超ハイ
→開幕日でやや内が有利な馬場状態。内からベリーヴィーナスが強気に主張し、アリスヴェリテも絡んでいったことで前半1000m57.7秒の超ハイペースになった。内目で溜めた差し馬が有利なレースだったと評価する。

1着同着フェアエールングは内目で脚を溜め、3~4コーナー中間あたりからエンジンをかけていき、しぶとく伸びてゴール寸前でシンティレーションに並んだ。ハイペースの消耗戦になったのがよく、53キロのハンデにも助けられた。丹内騎手とは手が合う。

5着エミューはいつも通り後方で脚を溜め、3~4コーナーも内目を捌きながら脚を伸ばした。これも展開が向いた側。ブリンカー着用で近況よりは多少前進したが、それでも重賞だと力不足感が否めない。

7着キミノナハマリアはシンティレーションの後ろをちょうどなぞるような進路取り。つまり展開とトラックバイアス的にベストの騎乗だったがここまで。道悪巧者で、開幕週の軽い馬場ではこのくらいが精一杯。重賞で勝ち負けするにはひと雨ほしい。

14着アスコルティアーモは中団から。4角はかなり外を回ってロスの大きい競馬になり、直線は止まっていた。締まったペースの2000mは若干長いかも。

15着グランスラムアスクはハイペース先行で展開不利。とはいえ52キロのハンデで1.6秒差負けとなると力不足は否定できない。

16着アリスヴェリテもハイペースを先行してキツい競馬になった。参考外。単騎ですんなり行かせてもらえるレースなら反撃の余地は残す。

参考レース③ 白富士S

レース映像(Youtube、テレ東競馬チャンネルより)

トラックバイアス:やや内有利
展開:スローペース
→東京の開幕日らしくやや内有利で時計も出る馬場。序盤イン3にいたシュトラウスが例によって引っかかり、譲ってもらう形で途中からハナ。前後半60.8-58.3のスローペースであった。内前有利なレースだったと評価する。

6着シンリョクカはまず外枠が不利。外目、5~6番手を回って直線に向いたが、そこからは伸びずバテずで流れ込むだけだった。3歳オークス以降はいずれも上がり4位以下、33秒台の上がりがほぼ出せていない持続力タイプで、そもそもこういう競馬は合わない。東京よりは福島向きだろう。

10着グランスラムアスクは中団の内を追走し、直線で徐々に前と離されて大敗。OPに上がってからはどう乗っても足りないレースが続いてしまっている。

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