アンタレスステークス2025の概要
開催日
2025年4月19日(土)
グレード
GⅢ・4歳以上
コース
阪神ダ1800m
概要と歴史
1996年に創設された古馬のダート重賞。第1回は阪神ダ1800mで行われたが、翌1997年~2011年は京都で施行。2012年から再び阪神に戻って今に至る。
春の古馬ダート戦線は川崎記念→かしわ記念の地方交流路線と、このアンタレスS→平安Sと続く中央重賞路線が帝王賞で合流するような構造となっている。2013年の勝ち馬ホッコータルマエはその後かしわ記念と帝王賞を連勝し、2021年テーオーケインズも次走の帝王賞を制覇した。ハンデ戦であるマーチSに比べると、格段にレースレベルが高くなりやすい一戦だ。
アンタレスステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬14頭
オメガギネス
サンデーファンデー
タイトニット
トウセツ
ハギノアレグリアス
ブレイクフォース
ホウオウルーレット
マーブルロック
マリオロード
ミッキーヌチバナ
ミッキーファイト
ヤマニンウルス
ラインオブソウル
ロコポルティ
アンタレスステークスの基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向

1番人気【4-2-1-3】を筆頭に上位人気勢はおおむね期待に応えており、勝ち馬は全て6番人気以内から出現した。9番人気以下【0-0-1-78】と大穴の好走はほとんど見られない。
平均馬連配当は2039円。最高馬連配当は4360円(17年モルトベーネ→ロンドンタウン)、最低馬連配当は510円(16年アウォーディー→アスカノロマン)。
枠順と脚質の傾向

複勝率のトップは2枠の35.0%だが、勝率や回収率を加味すると5枠がベストか。ざっくり半分で分けると5~8枠の方が好走率やや優勢、回収率も上回っている。ダート戦らしくどちらかといえば外枠の方が競馬はしやすい。

連対馬20頭のうち16頭が4角5番手以内だった。回収率にも開きがあり、ある程度の位置で運ぶか、あるいは4角までに押し上げて来られる馬を狙っていきたい。
前走について
前走が3勝クラスだった馬は【0-0-1-9】。一般論として条件戦からの昇級でいきなりダート重賞は敷居が高く、そう簡単には好走できない。なお唯一3着に入ったキングズソードはその秋にJBCクラシックを制した。
OP特別・リステッド組は合計で【1-3-2-38】複勝率13.6%。名古屋城Sが【1-2-1-6】でそれ以外は振るわない。着順で言うと4着以下【0-0-1-30】なので、この組は好走馬だけ警戒すれば十分。
重賞組はレース別に。まず好成績は名古屋大賞典組だが、施行時期が3月→12月に変更されたため参考外。東海S(現プロキオンS)が【2-0-2-6】、ダイオライト記念も【1-1-1-6】とよく馬券に絡む。またチャンピオンズC、東京大賞典、フェブラリーSのGⅠ競走3つを合算して【2-1-0-6】となっており、格の高いレースを戦ってきた馬は侮れない。
出走数が圧倒的に多いマーチS組は【0-2-3-45】と50頭出走して未勝利。複回収率も23%と非常に悪く、同5着以下馬は【0-0-0-37】の惨状である。
アンタレスステークス2025の参考レース
参考レース① マーチS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ハイペース
→ピュアキアンが外枠から強固に主張して逃げ。1000m通過60.9秒自体も速いが、向正面でマテンロウスカイが内からハナを奪い、L5から12.2-12.1とシビアなラップが入った。ハイペースかつ早仕掛けで差し有利な展開だったと評価する。
4着ブレイクフォースはスタートでやや狭くなる不利。後方から4角はインを突いてロスなく捌いてきた。展開が向いた上でゴール前ではブライアンセンスに伸び負けており、着順以上の評価はできない。
5着ホウオウルーレットも後方待機で展開に恵まれた1頭。以前と違って馬群からの競馬も嫌がらなくなったのは収穫だが、レース単体としては特に評価できない。
7着ミッキーヌチバナは中団イン追走から4角で外へ持ち出したが、直線半ばで挟まれる不利を受けた。もっとも、スムーズでも勝ち負けに加わるほどの脚勢ではなかったが。
参考レース② チャンピオンズC
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや内有利
展開:ミドルペース
→土曜は外もそこそこ使えていた中京ダートだが、日曜はいわゆる中京らしい中京。内がベターだった。徹底逃げと思われたミトノオーが2番手妥協したのもあって1000m通過60.8秒。このレースとしては特段速くも遅くもない(ちなみに去年が60.9)。内目を立ち回った馬が恵まれたレースと評価する。
4着ハギノアレグリアスは内枠を利して終始内ラチ沿いを追走。直線もインを突いて完璧に立ち回った。GⅠでこれだけ走れたのは立派だが、トラックバイアスに恵まれた側なのは間違いない。
参考レース③ フェブラリーS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット(差し優勢)
展開:スローペース
→馬場は引き続き内外バイアスは感じないものの差しがよく届く状態。ミトノオーの逃げでテン3F35.0秒は過去10年で9番目。このレースとしてはスローペースの部類に入るが、馬場と相殺して展開上の大きな有利不利はなかったと評価する。
3着ミッキーファイトは好スタートから中団の外目を追走。400mの短縮ながら道中はむしろ行きたがるくらいで、距離は全く問題なかった。直線も外から脚を伸ばしているが、切れ味の部分で上位2頭にやや見劣った。東京がベストという感じはしない。
10着サンデーファンデーはテンから押していって外3。4角出口からステッキを入れて早めに仕掛け、一時先頭に並ぶ場面は作ったが、そこから差し勢に飲み込まれて最後は大きく離された。速い脚が使える馬ではなく、東京マイルはコース形態がそもそも合わなかった。1周競馬で揉まれない形なら。