函館記念2025の概要
開催日
2025年6月29日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
函館芝2000m
概要と歴史
1965年に創設された古馬のハンデ重賞競走。当初は芝2400mで行われていたが、第4回からは現在と同じ芝2000mに変更された。勝ち馬には後の天皇賞馬メジロアサマや、ニッポーテイオー、レコードVのサッカーボーイ、3連覇のエリモハリアーなどが名を連ねている。
昨年まで7月中旬に開催されていたが、今年は約3週間ほど前倒して6月末に行われる。中京と小倉の開催が逆順になったことで小倉記念の施行時期が従来より早まっており、サマー2000シリーズの対象レースどうしがバッティングしないように配慮したものと思われる。そのため、このレースのステップとして有名な「巴賞」が今年からは函館記念より後に行われるスケジュールとなった。
函館記念2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬15頭
アウスヴァール
アルナシーム
キミノナハマリア
グランディア
サンストックトン
タイキラフター
ディマイザキッド
トップナイフ
ハヤテノフクノスケ
ボーンディスウェイ
マイネルメモリー
マイネルモーント
マコトヴェリーキー
ランスオブクイーン
ヴェローチェエラ
函館記念の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

波乱の多い重賞で、1番人気は10年で3連対、2番人気は同1連対に留まる。5番人気以下が4勝、7番人気以下が9連対など1着もヒモもよく荒れる。単勝オッズ50倍超の馬が【1-2-2-25】単回収率257%、複回収率241%だ。
平均馬連配当は2万1435円。最高馬連配当は13万1670円(20年アドマイヤジャスタ→ドゥオーモ)、最低馬連配当は2520円(23年ローシャムパーク→ルビーカサブランカ)。
枠順と脚質の傾向

前提として開催日程が変わっていることには要注意。参考までだが、好走率は1-4枠の方が10%以上高く、しかし回収率は外枠やや優勢の傾向を示している。

4角位置別では5番手以内の馬が圧倒的。中団から早めに進出して好走した馬もいるにはいるが、初角通過順で見ても5番手以内:複勝率28.1%、複回収率172%、6番手以下:同13.7%、66%とシンプルに前有利だ。
前走について
前走条件戦組は【1-0-1-6】。好走2例はどちらも2023年のローシャムパークとブローザホーン。ハンデ戦でありながら、昇級馬や格上挑戦馬がおいそれと通用するレースではない。
OP・リステッドは【2-4-2-65】だが、その中核を担っていた巴賞組【2-4-1-48】が今年はいなくなる。他のOP組【0-0-1-17】なので、少なくともデータとしては推奨できない。
残る重賞組はGⅢ【4-2-4-35】単回219%、複回156%、GⅡ【2-3-0-9】単回110%、複回136%、GⅠ【1-1-3-12】単回110%、複回200%なのでクラス不問。なんでもあり。
強いてレース名を挙げるなら目黒記念組【1-2-0-5】と春天組【1-1-1-5】が比較的好成績。なお重賞組ならその着順は不問。大敗馬の巻き返しも頻発している。
函館記念2025の参考レース
参考レース① 大阪杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利、超高速
展開:ややハイ
12.5-11.2-11.2-11.4-11.2-11.7-11.9-12.0-11.4-11.7
→デシエルトが出遅れるも結局我慢ができずハナへ。1000m通過57.5秒で突っ込んだ。ただし2番手ホウオウビスケッツの集団だと前後半推定58.3-57.9で「締まったミドル」という表現の方が適切。また、勝ち時計1:56.2は従来のレコードを1秒更新するもの。前後の有利不利はあまりないが、内を回った馬と高速馬場巧者が恵まれたレースと評価する。
15着アルナシーム【直線ヤメ】
大外枠が厳しく、内に入れられずトラックバイアスに逆行する競馬。4角を迎えた時点で既に手応えがなく、この鞍上らしく直線は全く追わずにゴールした。完敗だが、着差に関してはヤメた分。GⅢくらいなら反撃あっていい。
参考レース② 新潟大賞典
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:外有利
展開:スロー
→内の馬場悪化が著しいコンディションだが、既にジョッキー陣にも織り込まれており、この日は内を空けての競馬ばかり。ペースも上がらず結果的に前が残るレースが多かった。このレースも前後半61.3-59.2のスロー。外前有利な一戦だったと評価する。
5着ボーンディスウェイ【コース合わず?】
外枠から枠なりに5~6番手の外を追走。直線は伸びずバテずという感じでこの着順。ここ2年くらいは速い上がりが使えておらず、直線が長い新潟外回りはあまり合わなかった感。
8着ディマイザキッド【展開と枠順不利】
内枠からスローのイン最後方待機となり、展開とトラックバイアスの両面で厳しい形。直線も馬群を割ってジワジワ来ているが、前に迫るまでは至らなかった。見直し可能な内容。
9着マイネルメモリー【物足りない】
出遅れ。こちらもインの後方待機で直線も伸びない内に入らざるを得なかった。とはいえラストは鈍って後ろからも差されており、やや物足りない結果。OPに上がってから苦戦中。
参考レース③ 阪神大賞典
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや内有利
展開:スローからのロングスパート
→戦前の想定通りマコトヴェリーキーが先頭に立ちかけたが、それをサンライズアースが制してハナへ。2周目向正面まで淡々と流れたが、何故かサンライズが内を空けると、そこを突いてマコトが一気に仕掛けた。残り6Fから11.7、次区間11.2が最速という超ロングスパート戦で、最後は勝ち馬を除いてバテバテ。消耗戦適性の高い馬、距離ロスを抑えて乗られた馬が有利なレースだったと評価する。
2着マコトヴェリーキー【折り合い苦労も】
引っかかる面のある馬だが、中盤まではインの3番手でなんとか我慢が利いていた。残り1000m超の地点で内ラチ沿いが開くとハナを奪い、そのままロングスパートに持ち込んだ。勝ち馬には完敗だが、こちらも持久力の高さは見せた。折り合いは難しいがスタミナ自体はこの距離でも大丈夫。
5着ヴェローチェエラ【距離やや長い】
好位の内目でロスなく立ち回り、人気馬のなかでは上手く乗られた方。2周目のペースアップで他馬の手が動き出しても余裕があるように見え、4角出口でスムーズに進路も空いた。ただ、そこから踏ん張れず最後は失速。やはりこの距離は少し長い。本質的には2000~2400mくらいの馬だと思う。