阪神牝馬ステークス2025の概要
開催日
2025年4月12日(土)
グレード
GⅡ・4歳以上牝馬
コース
阪神芝1600m
概要と歴史
ヴィクトリアマイルの前哨戦にあたる、古馬牝馬のマイル重賞。勝ち馬、および地方所属の2着以内馬には優先出走権が与えられる。
1958年に「阪神牝馬特別」という名称で創設され、以降長らく12月の阪神を舞台としていた。2006年のヴィクトリアマイル新設に伴って4月に移動。距離も1400mに変更されたが(不評だったのか)2016年からマイルに再び戻された。
阪神牝馬Sの勝ち馬は何故かヴィクトリアマイルで振るわず、本番の好走馬はむしろ2着以下から出る傾向が見られる。昨年はテンハッピーローズがこのレース0.4秒差6着に敗れた次走、ヴィクトリアマイルで単勝208.6倍の大穴勝利をつかんだ。
阪神牝馬ステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬15頭
アルジーヌ
イフェイオン
ウンブライル
キミノナハマリア
サフィラ
ジューンオレンジ
スウィープフィート
ソーダズリング
タガノエルピーダ
ドゥアイズ
ドナベティ
ヒルノローザンヌ
ビヨンドザヴァレー
ボンドガール
ラヴァンダ
阪神牝馬ステークスの基本データ(過去10年)
※枠順と脚質の傾向、前走については当レースが1600mになった過去9年を参照する。
人気と配当の傾向

1番人気は【3-2-1-4】と良くも悪くも普通。2-3番人気がやや物足りず、4番人気【3-1-1-5】の好成績が目立つ。
紛れにくい外回りのワンターンながらちょくちょく人気薄の激走が見られ、出走全頭の複回収率が103%。単勝オッズ30倍以上の馬が【1-3-3-53】単回収率114%、複回収率143%となっている。伏兵に要警戒だ。
平均馬連配当は8977円。最高馬連配当は2万6760円(19年ミッキーチャーム→アマルフィコースト)、最低馬連配当は350円(16年スマートレイアー→ミッキークイーン)。
枠順と脚質の傾向

ここからは1600mになった過去9年のデータを見ていく。枠順別では内外の大きな差はない。複勝率ベースだと1枠の36.4%がトップだが、2位は7枠であり、一概に内枠がいいというわけでもない。

脚質別では4角5番手以内の馬が複回収率184%。どちらかといえば前にヤマを張りたい。スローペースの年が非常に多く、9戦いずれも前半4Fより後半4Fの方が速い「後傾ラップ」、うち6回が1秒以上の後傾であった。良馬場の場合、後方から差すには32秒台後半~33秒台前半の上がりが必須になる。
前走について
前走3勝クラス組が【2-2-2-14】複勝率30.0%、複回収率126%と侮れない。格上挑戦馬を除くと【2-2-2-10】同37.5%とさらにアップする。別にハンデ戦というわけでもないのだが。いわゆる「牝馬は格より勢い」という現象が起きている。
OP・リステッド組は【2-0-0-21】複勝率8.7%と苦戦傾向。ただし22年のメイショウミモザ(前走北九州短距離S13着)と23年サウンドビバーチェ(前走洛陽S11着)が大きく巻き返したことで、単回収率は高い数値が出ている。
重賞組はレースごとに見るが、いくつかトラブルがある。出走数が多い京都牝馬Sの【2-3-3-22】なのだが、これが番組体系の変更に伴っていなくなる。一応「京都牝馬S」は愛知杯が引き継いだことになるのだが、間隔が変わりすぎるので同列には扱えない。
同様に「旧・愛知杯」組【0-2-2-3】も好データなのだが、小倉牝馬S組が同じように走ってくれるかはなんとも言えない。
それ以外で好走率が高いのは東京新聞杯組【2-1-1-5】複勝率44.4%。あと前走が「対牡馬の芝GⅠ」だった馬は【1-2-0-4】と信頼できる。反面、牝馬限定GⅠからの参戦は【0-0-0-7】と振るわず、明暗が分かれている。
阪神牝馬ステークス2025の参考レース
参考レース① 東京新聞杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:ミドルペース
→土曜ほど内一辺倒ではなくなったが、依然としてイン優勢の馬場傾向。前後半46.1-46.5なので数字上はやや前傾だが、離れた3番手マテンロウスカイ以下の馬群はミドルか少し遅いくらい。どちらかといえばイン前有利な競馬だったと評価する。
2着ボンドガールは戦前の読み通り、マイルへの短縮で先行策に戻してきた。好位を追走、多少は行きたがっていたが許容範囲で運び、直線もスムーズに前が空いた。絶好に見えたが……。今日は勝ち馬を褒めるしかない。
参考レース② 愛知杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや外有利(直線外伸び)
展開:ハイ
→道中はイン追走でも問題ないが、直線は外に出した方が伸びる馬場。テイエムスパーダとリバーラが飛ばして前後半32.7-36.0のハイペースだった。外差し有利なレースだったと評価する。
6着スウィープフィートは休み明けで+24キロ。スタートで大きく出遅れた。外からの追い込みに徹しており一応は「展開が向いた側」という位置付けになるが、臨戦過程とゲートを思えばこれがベストの結果とは言い難い。この馬に関しては武豊騎手騎乗時の方がゲートをちゃんと出ている。
11着イフェイオンは積極的に促して先行策。ハイペースを深追いした分、直線半ばで一杯になった。溜めてキレるわけでもなく、ハイペースへの耐性が高いわけでもない。現状は戦い方が難しい。
13着ドナベティはスタート直後にぶつけられる不利を受けて最後方から。直線で伸びてはいるが、最後は前が詰まって追えなかった。物理的な不利のマイナスはあれど、展開がモロに向いた分で相殺。特に着順以上の評価はしない。
参考レース③ ターコイズS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→400m延長のマメコが逃げたが前後半46.3-46.9はほぼミドルペース。展開面の大きな有利不利はなかったと評価する。
1着アルジーヌは中団の内目を追走し、徐々に外へ持ち出して差すスムーズな立ち回り。これで通算6勝目だが新馬戦を除いて勝く5勝はいずれもレース上がり35秒以上。キレ味が要らない中山マイルはマッチした。
2着ビヨンドザヴァレーは外め先行からしぶとく粘ったが、勝ち馬の末脚に屈した。ハンデ53キロで勝ち馬より2.5キロ軽かった点に注意したい。
3着ドゥアイズは14番枠から外々を回らされる形。クリスチャンらしい4角早仕掛けで前に襲い掛かったが、距離ロスの分だけわずかに甘くなった。力は見せた。
6着イフェイオンは2枠4番からスタート決まって2番手へ。4角先頭から粘り込みを図ったが、直線の追い比べでわずかに遅れた。0.2秒差なので悪くはないが、この展開なら押し切りたかった。