桜花賞2025の概要
開催日
2025年4月13日(日)
グレード
GⅠ・3歳牝馬
コース
阪神芝1600m
概要と歴史
牝馬三冠ロードの第一戦にあたる伝統のマイルGⅠ。イギリスの1000ギニーを範とする繁殖馬選定競走として1939年にスタート。実は第1回の名称は「中山四歳牝馬特別」で、開催場も中山であった。
阪神に移転してからしばらくは旧コースの1600m(初角までが極めて近く、枠順の有利不利が大きい)で行われていたが、コース改修を経て2007年からは現在の外回りマイルに定着。以降、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、グランアレグリア、デアリングタクト、ソダシ、スターズオンアース、リバティアイランドと錚々たる面々がこのレースを制し、その後の輝かしい競走生活へとつなげていった。
桜花賞2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬24頭
アルマヴェローチェ
ウォーターガーベラ
エストゥペンダ
エリカエクスプレス
エンブロイダリー
クリノメイ
ショウナンザナドゥ
スリールミニョン
ダンツエラン
チェルビアット
トワイライトシティ
ナムラクララ
ビップデイジー
ブラウンラチェット
プリムツァール
ボンヌソワレ
マピュース
ミストレス
ムイ
ランフォーヴァウ
リンクスティップ
ルージュラナキラ
ロヴィーサ
ヴーレヴー
桜花賞の基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向

前々から言われている話だが、桜花賞は2番人気>1番人気の傾向を示す。象徴的だったのはアーモンドアイ→ラッキーライラックの年で、あのように2歳時の重賞~GⅠ実績馬が1番人気に推され、その対抗格と目された馬が勝つパターンが多い。
勝ち馬が出ているのは8番人気までで、9番人気【0-0-1-9】、10番人気以下【0-0-0-88】。大荒れはない。
平均馬連配当は3813円。最高馬連配当は1万7000円(17年レーヌミノル→リスグラシュー)、最低馬連配当は480円(18年アーモンドアイ→ラッキーライラック)。
枠順と脚質の傾向

枠順別では5枠が一歩リード、6-8枠がやや低調という感じ。致命的な差はないが、外すぎる枠は少しマイナスに働く。

脚質面ではこれといった特徴なし。前も後ろもバランスよく馬券に絡む。ちなみに3番人気以内に限ると4角16番手以下【3-1-0-1】であり、身も蓋もないが「強い馬」なら差してこれる。
前走について
前走1勝クラス【0-0-0-3】は出走自体もほぼなく、無視して進めていいだろう。以下はレース別に見ていく。
まず悪い方から。馬券に一切絡んでいないのがアネモネS【0-0-0-20】とフラワーC【0-0-0-9】。軽視でいい。
以前は「クイーンCからの直行組は勝てない」という話もあったが、22年スターズオンアースがついにジンクスを打開した。それでも数字上は【1-0-1-18】の複勝率10.0%止まりで、データ上推せるローテではない。
フィリーズレビュー組も【1-0-2-42】でかなりの苦戦傾向。馬券に絡んだ3頭はフィリーズレビューを「1番人気で連対した馬」で、それを除くと【0-0-0-40】という惨状。今年は路線ごと消してもいいだろう。
非重賞で唯一好走馬を輩出しているのがエルフィンS【1-0-1-3】。出走5頭とも1着馬で、好走例はデアリングタクト、ライトバック。母数の少なさはともかくデータ的にはまずまず。内容でヴーレヴーが上位2頭に並ぶかはまた別の議論だが。
数字が良いローテは阪神JFからの直行【3-2-0-4】と、チューリップ賞組【2-8-5-33】。それぞれ内訳を見る。
阪神JFからの直行組は勝ち馬【2-1-0-0】、2着馬【1-1-0-2】で3着以下【0-0-0-2】。サンプルが少ないので決めつけるわけにもいかないが、素直に考えればアルマヴェローチェだけが候補に残る。もっとも例年と違い、この世代は阪神JFと桜花賞が別のコースになる。きっちり連動するかは何とも言えない。
チューリップ賞組は勝ち馬【0-2-1-8】が案外で、どちらかといえば着順より「人気」の方が大事。チューリップ賞で2番人気以内だった馬は【2-5-3-7】複勝率58.8%、そのうち負けた馬は【2-3-2-4】複勝率63.6%、複回収率180%。ひと叩きされたビップデイジーの上積みに期待だ。
ほか、シンザン記念【1-0-0-2】、フェアリーS【0-0-1-6】、朝日杯FSが【1-0-0-1】となっている。
桜花賞2025の参考レース
参考レース① 阪神JF
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:実質フラット(内の数頭分アウト)
展開:ハイペース
→馬場は内から数頭分避けたところが伸びるが、各馬もう最内は使わないので枠の有利不利は結局なし。途中雨も降った荒れ馬場かつ前後半34.2-34.9のハイペースでスタミナが問われ、上位はいずれも1800mからの短縮馬が占めた。距離不安のない差し馬が恵まれたレースと評価する。
1着アルマヴェローチェは中団の外目を追走していたが、ペースが速く道中で少しポジションを下げる。直線は大外から脚を伸ばしてラスト11.5-11.4の加速ラップを差し切った。京都代替の荒れ馬場で1800m志向の馬が走りやすい条件となり、この馬に完全マッチした。桜花賞はまた阪神に替わる。問われる適性が変わるのは念頭に置きたい。
2着ビップデイジーは最内枠で、ダッシュは付かなかったが、鞍上がリカバーして中団馬群の内目を進む。直線入り口で前がバラけると右ムチを入れて大外まで持ち出す。最後はよく伸びたが、勝ち馬が一枚上手だった。これも展開と条件は向いた側。距離は延びてよく、桜花賞よりはオークスで楽しみ。
4着ショウナンザナドゥは五分のスタートから促して外3へ。直線も外からジワジワと脚を使っているが、後ろから差されて4着。こういう持続力勝負が向く馬とはいえ、前は展開不利だった。負けて強し。
5着スリールミニョンはスタートから意識的に抑えられて追い込みに賭ける競馬。ちょっと外を回りすぎた感はあるが、展開的には作戦成功といっていいだろう。
8着ミストレスは逃げて展開不利。先行勢のなかではショウナンザナドゥに次ぐ着順。全く見所がないわけではない。
11着ランフォーヴァウは中団外目を追走し、直線に向いていざスパートというところでアルマヴェローチェに前をカットされた。
14着クリノメイは外枠発走。後方でじっくり脚を溜めたが特に伸びず。現状は力負け。
16着ブラウンラチェットは中団馬群の一角で進めたが、今日はかなり引っかかってしまった。直線に向いた時点でほぼ余力なし。最後は流してゴール。これまで2戦は緩いペースを先行して抜け出す競馬で、質が変わって対応できなかった。今日は関西圏への初輸送で-12キロの428キロでもあり、状態面も完全ではなかったか。馬体が戻ってスローペースの瞬発力勝負になれば再浮上あっていい。
17着ダンツエランはスタートで隣の馬と接触する不利あり。道中は引っかかったり、直線は右にモタれたりとリズムが悪く、最後は完全にバテてしまった。
参考レース② クイーンC
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ハイペース
→ロートホルンの逃げで前半3F34.2秒と流れ、その後も11.5-11.5-11.5と全く緩まない高速持続戦になった。差し有利なレースだったと評価する。なお勝ち時計1:32.2は3歳3月以前のマイル戦としては史上最速。レースレベルが非常に高い。
1着エンブロイダリーは不安の一つだったゲートを決めて2番手へ。速いペースでも手応えに余裕があり、直線は他馬が苦しくなっていくのを尻目にスピードを持続。2馬身半差で押し切った。時計、破ったメンバーともに申し分ない。GⅠ級。
2着マピュースは先団馬群の一角で運び、ちょうどエンブロイダリーの背後につくような形で直線へ向いた。進路取りも非常にスムーズだったが、前との差を詰めることができず。今日は勝ち馬が強すぎた。自身も1:32.6と十分すぎるタイムは出した。
9着ショウナンザナドゥは好位の一角で運んで勝負所を迎えたが、いざ追い出すと全く伸びず流れ込むだけになった。ややペースがキツかったとはいえ案外な負け方。鞍上曰く「イレ込みがきつかった」とのことで、敗因として考えられるのはそれくらいか。
参考レース③ チューリップ賞
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内有利
展開:スローペース
→好発を切ったナムラクララが折り合いを欠いてまで控える疑問手。それもあって前後半48.0-46.0のスローペースとなった。内前にいた馬が有利なレースだったと評価する。
1着クリノメイは好スタートを切ってインの3番手。直線もあっさり進路が空き、絶好の競馬になった。かなり展開に恵まれたし、メンバーレベルもビップデイジーがいたくらいで目立たない。本番で買いたいと思える内容ではなかった。
2着ウォーターガーベラは右回りだと右にモタれる面がある馬。外枠から内ラチ沿いに潜って悪癖を出させず、馬場も味方につけた。超ファインプレー。河内厩舎引退デーというのもあったか、武豊騎手の勝負騎乗が炸裂した。直線も内ラチ沿いをスルスル伸びて120点の競馬をしていた。本番での上積みは乏しい。
3着ビップデイジーはスローペースの外2を運んできたが、いざ追い出して案外伸びず。賞金が足りている立場で本気度の差はあっただろうし、どちらかといえば中距離質の馬で、阪神マイルのこういうキレ味比べは適性からズレる。状態面の上積み見込める桜花賞もいいが、本質的にはオークス&秋華賞向きだと思う。
5着ナムラクララはせっかくのトップスタートから引っ張り、リズムを損ねてまで控えた。距離を懸念して本番に繋がる競馬を……という意図は酌むが、「チューリップ賞を勝つため」の騎乗とは程遠い。直線は伸びずバテずで流れ込み0.3秒差。アドマイヤマーズの仔でもあり、33秒台の上がりを求めるようなタイプではなさそう。