クイーンカップ2025の概要
開催日
2025年2月15日(土)
グレード
GⅢ・3歳牝馬
コース
東京芝1600m
概要と歴史
3歳牝馬限定のマイルGⅢ。優先出走権が付与される「トライアル競走」ではないが、桜花賞、オークスへ向けた力試し&賞金加算の舞台として重要な役割を担っている。
ここ10年の出走馬を見ても、15年2着ミッキークイーン(オークスと秋華賞の二冠)、16年勝ち馬メジャーエンブレム(NHKマイルC)、17年2着アエロリット(NHKマイルC)、同4着レーヌミノル(桜花賞)、19年勝ち馬クロノジェネシス(GⅠ4勝)、21年勝ち馬アカイトリノムスメ(秋華賞)、22年2着スターズオンアース(桜花賞、オークス)という具合に後のGⅠ馬がゴロゴロ出ている。牝馬路線屈指の出世レースと言っていいだろう。
クイーンカップ2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬14頭
エストゥペンダ
エンブロイダリー
ギフテッド
コートアリシアン
ショウナンザナドゥ
スライビングロード
ティラトーレ
マディソンガール
マピュース
ミラーダカリエンテ
レイユール
ロートホルン
ロンドボス
ヴィヴァラリス
クイーンカップの基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向
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1-2番人気で計8勝。一昨年の6馬人気ハーパー以外はいずれも上位人気馬が勝っており、めったに荒れない重賞である。単勝オッズ15倍以上の馬は全体で【0-1-3-88】複勝率4.3%、複回収率40%と不振。穴狙いは実りにくい。
馬連平均配当は1573円。最高配当は4010円(18年テトラドラクマ→フィニフティ)、最低配当は260円(19年クロノジェネシス→ビーチサンバ)。
枠順と脚質の傾向
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枠順別では3枠が最多の4勝。全体的な傾向として微妙に内枠優勢。7-8枠は【4-1-0-34】で4勝を挙げているものの、複回収率は19%に留まっている。
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脚質はやや差し優勢。特に1-5番人気に限ると4角5番手以内【4-4-0-15】複勝率34.8%、複回収率55%に対し、同6番手以下【5-5-6-11】複勝率59.3%、複回収率104%とハッキリ差がついている。枠順不問で人気の差し馬を買っていくのがよさそう。
前走について
前走新馬、未勝利組は【3-4-2-37】。馬券に絡んだ9頭はいずれもノーザンF生産馬だった。逆の言い方をすると「ノーザンF生産馬」かつ「前走新馬か未勝利戦を2番人気以内でV」を満たした馬は【3-4-2-7】複勝率56.3%、単回121%、複回154%と見事な成績を残している。
1勝クラス組は1着馬【3-0-1-9】複勝率30.8%、2着【0-1-0-4】、3着以下【0-0-0-21】。1勝クラスで壁に当たっているようでは通用しない。
重賞組はレースごとに細分化してチェック。まず阪神JF組は【2-2-4-14】複勝率36.4%とさすがの好走率だが、複回収率は60%で可もなく不可もなく。出走数の多いフェアリーS組は【1-2-1-17】複勝率19.0%、複回収率149%。といっても回収率は20年12番人気3着セイウンヴィーナスが大きく跳ね上げていて、信憑性は微妙なところ。
ほか京都2歳S、ファンタジーS、シンザン記念、アルテミスSをステップにした馬も馬券に絡んでいるが、いずれも4番人気以内であった。
クイーンカップ2025の参考レース
参考レース① 阪神JF
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
馬場は内から数頭分避けたところが伸びるが、各馬もう最内は使わないので枠の有利不利は結局なし。途中雨も降った荒れ馬場かつ前後半34.2-34.9のハイペースでスタミナが問われ、上位はいずれも1800mからの短縮馬が占めた。距離不安のない差し馬が恵まれたレースと評価する。
4着ショウナンザナドゥは五分のスタートから促して外3へ。直線も外からジワジワと脚を使っているが、後ろから差されて4着。こういう持続力勝負が向く馬とはいえ、前は展開不利だった。負けて強し。
6着コートアリシアンは今回もスタートゆっくり。引っかかるイメージで乗ったのだろうが、今日は(メンコ着用の影響か)むしろ進んでいかない。4角~直線入り口にかけて1頭だけ状態の悪い最内を通り、それが響いたかいまひとつ脚を使えなかった。トラックバイアスに逆行した部分を加味しても物足りないが、中距離質&持続質の京都マイルもフィットしなかった感。新馬戦が強かった東京に替わって反撃の余地はある。
参考レース② フェアリーS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
Cコース初週ながら2桁馬番や外差しの台頭が目立った1日。400m延長のニシノラヴァンダが外枠からハナを切り、前半4F45.5秒と流れてハイペース。前2頭が残ってはいるが展開的には外差し有利と評価する。
2着ティラトーレはハイペースの2番手を先行。失速し始めたニシノをパスして4角で先頭に立ったが、勝ち馬にかわされてしまった。ただ、その後もよく踏ん張ってカラくも2着は確保。着差はわずかだが、3着以下の馬に対しては地力の高さを見せつけた。悪くない負け方。
3着エストゥペンダはハイペースを追いかけずに外後方待機。展開とトラックバイアスを味方によく追い込んでなんとか3着に浮上した。今日はこれがベストの結果。恵まれた面がある。
8着ミラーダカリエンテは8枠15番もあって、五分のスタートから下げて後方待機。差しに徹して展開は向いたが前が遠かった。
9着レイユールは中団をやや行きたがりながら追走。直線は外に出せたがさほど伸びなかった。鞍上は折り合いに関して反省の弁を述べていたが、着差が着差なので騎乗が敗因ではない。単に重賞では能力不足か、ハイペースで脚が削がれたか。東京マイルでスローなら変わる可能性はある。
参考レース③ 赤松賞
Cコース替わり初週。馬場はほぼフラットか、気持ち内が有利なくらいで大きなバイアスはない。前後半36.2-34.0のスローペースで、先行馬あるいは高速上がりを使える馬が有利な競馬だった。
1着マピュースはスローの外3から抜け出して勝利。展開利あり。勝ち時計1:33.9は悪くないタイムだが、7頭の少頭数だったことと2着以下がその後振るわないことからレースレベル自体に疑問が残る。
2着レイユールは展開不向きの中、上がり最速でよく追い込んだ。ゲートがイマイチなので少頭数もよかった。
3着ロンドボスは発汗が見られ、レースは序盤引っかかった。それが影響したか直線はイマイチ伸びず。ペースが流れてくれた方が競馬はしやすそう。
5着ミラーダカリエンテは好スタートから楽逃げを打つも勝ち馬から0.7秒離され完敗。重賞に混ざると厳しいだろう。