【東京新聞杯2025】5分で予習! 過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

東京新聞杯2025の概要

開催日

2025年2月9日(日)

グレード

GⅢ・4歳以上

コース

東京芝1600m

概要と歴史

歴史は古く、1951年に創設された「東京杯」が前身。当初は東京芝2400mで行われていた。1966年に現名称となり、1984年からは今と同じ2月初旬の東京芝1600m・GⅢ競走として施行されている。

一線級は休養に入る冬期の重賞だが、ヴィクトリアマイル&安田記念と同舞台ということもあってGⅢにしてはメンバーが揃いやすい。ここ10年の勝ち馬でもヴァンセンヌが安田記念2着、リスグラシューがVM2着、インディチャンプが安田記念制覇の結果を残した。春のマイルGⅠ戦線を占う上で重要な一戦といえる。

東京新聞杯2025の登録馬

登録馬一覧

登録17頭

ウォーターリヒト
オールナット
オフトレイル
コラソンビート
ゴートゥファースト
サクラトゥジュール
シャンパンカラー
ジオグリフ
ジュンブロッサム
セオ
ゾンニッヒ
ブレイディヴェーグ
ボンドガール
マテンロウスカイ
メイショウチタン
ラーグルフ
ロジリオン

東京新聞杯の基本データ(過去10年)

人気と配当の傾向

紛れのない東京マイルで別定戦と堅そうなレース条件だが、意外にも1-2番人気の勝ちが10年で1度しかない。3-6番人気が【8-6-4-22】複勝率45.0%、単回154%、複回123%の好成績となっている。

平均馬連配当は7559円とやや高め。最高配当は26740円(21年カラテ→カテドラル)、最低配当は1000円(22年イルーシヴパンサー→ファインルージュ)。

枠順と脚質の傾向

Dコースの2週目でまだ馬場コンディションが良好なこともあってか、東京新聞杯は内枠有利の傾向を示す。1-4枠で8勝、7-8枠はこの10年で勝ち星がない。複勝率や回収率も内枠の方が高い。

脚質的には逃げが【3-1-0-6】と好調だが、一方で差しもそれなりに届く。ただし「4角6番手以下」を枠順で分けると、1-2枠【3-2-1-14】複勝率30.0%、単回221%、複回116%に対し、それ以外の枠は【3-5-5-63】複勝率17.1%、単回22%、複回45%と差がある。差し馬ならインで脚を溜めたい。

前走について

3勝クラス勝ち直後の馬が【4-1-0-6】。ただし4勝はいずれも条件戦を連勝してきた馬で、2着馬シャドウディーヴァはフローラS2着、秋華賞4着などの実績があった。「3勝クラスと大差ない低レベル重賞」ということではなく、秋冬の条件戦で軌道に乗った素質馬がここに出走するケースが多かった、と評するのが妥当だろう。

OP・リステッド組は【0-3-1-36】で40頭出走して未勝利。複回収率も48%と振るわない。馬券に絡んだ4頭はアルフレード(朝日杯FS勝ち、NHKマイルC2着)、サトノアレス(朝日杯FS勝ち)、カテドラル(NHKマイルC3着)、カラテ(前年の東京新聞杯勝ち馬)とGⅠ好走歴or東京重賞実績が既にあった。

前走がGⅢ~GⅡだった馬は【2-2-7-60】。京都金杯【1-1-3-33】複勝率13.2%、単回16%、複回29%が著しく悪く、特に5着以下馬は【0-1-0-24】と悲惨だ。昨年サクラトゥジュールのように距離を替えてきた馬、もしくはハイレベルな阪神Cで馬柱を汚してきた馬を買いたい。

GⅠ組は【4-3-2-15】複勝率37.5%とやはり好成績だが、内訳を見るとマイルCS【2-0-1-11】は案外。活躍しているのはエリザベス女王杯組や、秋華賞や菊花賞で距離に見切りをつけた4歳馬が中心である。

東京新聞杯2025の参考レース

参考レース① マイルCS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

馬場は外有利。ペースが思いのほか流れて前後半45.7-46.3の前傾ラップ。テン3F33.8秒は前総崩れの去年よりさらに速かった。シンプルに外差し勢が恵まれたレースだったと評価する。

4着ブレイディヴェーグは内枠から早々に内を捨て、直線も馬場の真ん中あたりを丁寧に捌いてきた。枠の不利をリカバーする好騎乗も4着止まり。外枠ならもうひとつ上の着順もあったか。マイルもこなすが1800mの方がベター。

10着ジュンブロッサムは出遅れ。直線はイチかバチか内を突いたが、残念そこは伸びない。とはいえ2着争いからは0.3秒差とそこまで離されてもいない。こちらは瞬発力に特化したタイプなので、マイルCSよりは安田記念向きだろう。もちろん東京新聞杯も条件は合う。

14着マテンロウスカイはスタートがイマイチで、促しても道中は後方から4~6番手あたりでの追走。直線は外に持ち出して展開とトラックバイアスは向いたが、特に伸びを見せなかった。現状、マイルの一線級相手では力不足か。

参考レース② 阪神C

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

開催の最終盤だが、直線以外は案外内も生きていた。前後半34.5-34.4は1400mのGⅡにしては遅く、どちらかといえば前有利の競馬だったと評価する。

3着オフトレイルはスワンSと同様に後方でじっと折り合い専念。直線は内外に大きく広がった馬群の間隙を縫って伸びてきた。一線級相手に上がり33.2秒で迫った内容は上々。引っかかるタイプでマイルへの再延長に一抹の不安はあるが、能力そのものは高い。

12着シャンパンカラーは先団につけたが、追走にあまり余裕がなく、直線も伸びを見せずに流れ込んだだけ。そもそもNHKマイルC勝ちが道悪の外差し馬場でハマったものであり、古馬重賞では足りないかもしれない。

参考レース③ 京都金杯

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

中京芝は開幕週らしく内が有利。セルバーグが逃げてペースを落とさず前後半46.2-47.3のやや速い流れになった。1-3着はいずれも道中最内を回った組。イン差し有利の競馬と評価する。

1着サクラトゥジュールは序盤位置を取りに行かず、後方の内ラチ沿いで待機。去勢効果かペースが流れた分か折り合いも許容範囲で済み、直線も内目を捌いて差し切った。レース自体は展開とトラックバイアスが最大限味方したもので次走以降疑ってかかりたい。

2着ウォーターリヒトは不利な大外枠ながら、道中で最内まで潜った田辺騎手の好騎乗。トラックバイアスを味方につけた。勝ち馬との差は4角〜直線で外に行った分だろう。勝ちに等しい。

3着ロジリオンは最内枠を生かしてインの3番手を確保。理想に近い形に見えたが、結果的にはもうひとつ後ろの馬たちに展開が向いた。マイルだとスムーズに先行できる反面、直線でいまひとつ爆発力がない。1400mの方がいいのかも。

4着セオは有利な内枠から先行。セルバーグが競ってくると抵抗せず譲って2番手から。直線入り口で先頭を奪い返して粘っていたが、最後はわずかに置かれた。トラックバイアスと枠の恩恵があったもので鵜呑みにはできないが、冬場の方がいいという見立ては合っていそう。

10着メイショウチタンは抜群のスタートを切ったが、枠と二の脚の差で中団まで後退。だらだらと大外を回されていい走りができなかった。その分で見直しの余地はあるが、根本的に重賞だと展開の助けが要る。

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