【安田記念】ドバイ遠征明けでもソウルラッシュが堂々主役 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

安田記念2025 上位人気想定馬の評価

ソウルラッシュ

能力評価:★★★★★

得意条件:道悪、消耗戦
苦手条件:今は特になし

《寸評》
3歳暮れから4連勝でマイラーズCを制し、しばらくはGⅠ掲示板圏内の有力マイラーとしてキャリアを歩んでいた。道悪やハイペースで上がりのかかる競馬に強い反面、東京マイルのような高速上がりを問われる競馬で見劣る部分もあったが、6歳シーズンを迎えた昨年は鬼門の安田記念を上がり33.1秒で3着好走。秋にはマイルCSを制し、香港マイルでも2着。前走はドバイターフで香港最強馬ロマンチックウォリアーを撃破した。この年齢にして衰えるどころかますます強くなった。

今回も既に実績を残しているコースで、ナミュールやロマンチックウォリアーがいた昨年に比べれば相手関係も大幅に緩和された。懸念はドバイ遠征の反動くらいだが、1週前追い切りでラスト10.5秒を計時して話題になったように、少なくとも調教に関しては疲れを感じさせない。素直に最有力の評価でいい。

シックスペンス

能力評価:★★★★

得意条件:1600~1800m
苦手条件:2000mはやや長かった?

《寸評》
デビュー3連勝でダービーに駒を進めるも3番人気9着に敗戦。3走前の毎日王冠はスローペースを前受けして展開に恵まれた勝利だが、とはいえ2着ホウオウビスケッツ(→天皇賞(秋)3着)、3着エルトンバローズ(→マイルCS2着)、7着ヨーホーレイク(→京都記念勝ち、大阪杯3着)、10着ローシャムパーク(→BCターフ2着)とメンバーレベルは高かった。

3歳時まではスローの瞬発力勝負ばかりだったが、中山記念は1000m通過58.5秒で道中も一切緩まない競馬を経験し、そしてクリア。収穫のある一戦だった。ただし開幕週らしいイン有利のトラックバイアスで1枠1番の恩恵が大きかったことには注意が必要。

大阪杯はやや内有利な馬場で外目好位の3番手を追走する正攻法。ややバイアス逆行気味だが、致命的に不利があったわけでもなく7着。2着ロードデルレイから0.2秒差と決定的に負けてもいないが、現状、GⅠだとこのくらいの能力感。勝つには展開か馬場の助けが欲しい。距離短縮はプラスだろうが、どこまでパフォーマンスを上げられるか。2番人気はやや過剰な印象。

ジャンタルマンタル

能力評価:★★★★

得意条件:マイル、高速決着

《寸評》
3連勝で朝日杯FSを制したのち、3歳春は共同通信杯でジャスティンミラノの2着、皐月賞はハイペースを一時抜け出して内容のいい3着。NHKマイルCでは相手の自滅もあったが、先日VMを勝ったアスコリピチェーノを撃破した。現4歳世代のマイラーでは暫定の最強格にあたる。

昨年秋は「富士Sで始動」の予定を熱発で回避。香港マイルで復帰したが、先行策からあっさりと後退した。直線で不利もあるにはあったが、それ以前に体調の問題だろう。今回はそこから半年空けて仕切り直し。1週前には坂路で4F50.1秒の好タイムをマークした。状態が戻って本来の走りをできさえすれば、力は古馬GⅠでも通用する。

トロヴァトーレ

能力評価:★★★

得意条件:マイル
苦手条件:2000m以上

《寸評》
デビューから2000mで連勝し、弥生賞→青葉賞と進んだが結果が出ず、中距離路線は断念。以降は1600-1800mに矛先を変えて6戦連続連対と勢いに乗る。

とはいえニューイヤーCは2着サンライズロナウドにGⅢ・3着歴があるくらいで、ほかは古馬重賞の好走馬がほぼいないメンバー(※6着ゾンニッヒが2年前にダービー卿CT3着)。リステッド相応のレースレベルだった。ダービー卿CTもメンバーは手薄で、2枠2番からインベタ→直線イン突きがハマった勝ち方。対戦相手込みで評価できるのはキャピタルSの対ウォーターリヒトハナ差負けの方か。GⅠに混ざるとあくまでチャレンジャー。

ウォーターリヒト

能力評価:★★★★

得意条件:道悪OK

《寸評》
3歳春はシンザン記念3着、きさらぎ賞2着と善戦するもNHKマイルCで1.0秒差の8着と完敗。世代限定GⅢ級の馬にすぎなかった。ところが秋になるとキングカメハメハMを上がり32秒台で差し切り、キャピタルSでは1:32.3の好タイムでトロヴァトーレ、レッドモンレーヴ、ロジリオンらを撃破。年が明けて京都金杯は不利な16番枠から2着好走、東京新聞杯も内前有利な場況をくつがえして大外一気を決めた。ここに来ての成長が著しい。

今回はGⅠ挑戦。これまで破ってきたメンバーやラップなどの面で、まだGⅠ獲りを確信させるほどのものはなく、当然楽な戦いにはならない。それでも今の急成長ぶりならチャンスはあるだろう。

ブレイディヴェーグ

能力評価:★★★★

得意条件:1800~2000m
苦手条件:ゲート△、マイルはやや忙しい

《寸評》
3歳時にエリザベス女王杯を撃破。4歳シーズンは頓挫が重なって初戦が10月の府中牝馬Sまでずれ込んだが、1:44.7の好タイムでラスト11.4-11.0の加速ラップを差し切った。牝馬どうしならGⅠを勝つ能力がある。

マイルCSは外有利馬場の最内枠、初のマイルにも苦慮しながら0.4秒差4着。東京新聞杯は出遅れからリカバーして中団につけたが、ウォーターリヒトに若干伸び負けて0.2秒差。ドバイターフは出負けからリカバーして外3でレースを運んだが、直線は粘るメイショウタバルらをかわせず、後ろからマルジュームやファクトゥールシュヴァルに差された。ソウルラッシュとの着差はマイルCS時とおおむね変わらず0.5秒差。不発というよりはこれが現状の力関係だろう。

本質的には1800mがベストでマイルは若干忙しい。ただ、ドバイターフに比べると相手緩和となるのも確か。ソウルラッシュに先着するのは難しいと思うが、2-3着候補には残る。

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