きさらぎ賞2025の概要
開催日
2025年2月9日(日)
グレード
GⅢ・3歳
コース
京都芝1800m
概要と歴史
1961年に「砂1200m」の重賞として創設。その後幾度かの条件変更を経て1991年からは京都芝1800mで施行されている。
翌週に東京で行われる共同通信杯が「出世レース」としてどんどん注目度を増す一方、きさらぎ賞は存在感が低下している。ここに出走した馬でクラシックを勝ったのは16年のサトノダイヤモンド(菊花賞)が最後で、17年3着ダンビュライトの皐月賞3着以降は馬券絡みすらない。
きさらぎ賞2025の登録馬
登録馬一覧
登録12頭
ウォーターガーベラ
エリカアンディーヴ
サウンドバッハ
サトノシャイニング
ショウヘイ
ジェットマグナム
スリーキングス
ヒルノハンブルク
ミニトランザット
ムーンライトラガー
ランスオブカオス
リンクスティップ
きさらぎ賞の基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向
表のスカスカ具合からも分かる通り、そもそもきさらぎ賞は頭数が集まらない。ここ10年で最も多かったのが昨年の12頭立て。平均出走頭数は9.5に留まっている。そういった意味で1-2番人気の複勝率70.0%は可もなく不可もなく。
むしろ17年には8頭立てで6番人気アメリカズカップが1着、19年には8頭立てで6番人気タガノディアマンテが2着、7番人気ランスオブプラーナが3着、20年には8頭立てで7番人気コルテジアが1着、23年に8頭立てで6番人気クールミラボーが3着、そして昨年は12頭立てで10番人気ウォーターリヒトが2着。下から数えて2~3番目という人気薄がよく馬券に絡んでいる。
馬連平均配当は2351円。最高配当は7460円(19年ダノンチェイサー→タガノディアマンテ)、最低配当は220円(23年フリームファクシ→オープンファイア)。
枠順と脚質の傾向
※枠順と脚質のデータは京都開催の7回分
枠順と脚質については京都芝1800mの7回分で見る。初角までが長いワンターンのコース形態でありながら、きさらぎ賞に関しては内枠の高回収率が目立っている。1-4枠は全体で複勝率42.9%、単回156%、複回105%に上る。今年は変則日程により1月中京代替だったため、例年以上に馬場も良好と予想される。なおさら内枠に注目したい。
脚質では4角5番手以内の馬が6勝……といっても平均で9.5頭立てだから、そもそも6番手以下は母数が少ない。複勝率ベースではほぼ五分。少頭数で直線も長く、特に差しが不利という傾向はない。
前走について
前走が新馬・未勝利だった組は【2-1-3-22】で単回32%、複回53%とイマイチ。ちなみに次週に東京で行われる共同通信杯は新馬勝ち直後の馬が活躍する。普通に考えればレベルが高い共同通信杯の方が昇級馬に厳しそうなものだが、それが逆。まあ新馬戦の内容が強かった馬は共同通信杯へ、そうでもない馬はきさらぎ賞へ、という棲み分けの結果か。
きさらぎ賞で主力を形成するのはまず1勝クラス組【4-5-3-21】。3着以内に限れば【4-5-3-9】複勝率57.1%、複回150%。一方で前走4着以下だと【0-0-0-12】と明暗がくっきり分かれる。
重賞組は【4-3-4-17】複勝率39.3%とさすがに好走率は高い。前走マイルが【2-1-2-5】単回470%、複回123%となっていて、朝日杯FSやシンザン記念からの1ハロン延長は問題ない。むしろ1800m以上の重賞を使っていた組が【2-2-2-12】単回48%、複回42%と微妙な結果だ。
きさらぎ賞2025の参考レース
参考レース① 東スポ杯2歳S
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
馬場はCコース替わり初日でフラット~やや内有利。1000m通過60.9秒で入り、上がり3F33.4秒のスローペース。前に行った馬が有利なレースだったと評価する。
2着サトノシャイニングは序盤2番手で抑えようとしていたが、結局押し出されるようにしてハナへ。直線400mあたりで追い出し、クロワデュノールに抵抗はしたが最後は競り負けた。展開に恵まれた側だし、休み明け+24キロの勝ち馬に対しては完敗と言わざるを得ない。
参考レース② ホープフルS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
中山芝は有馬記念の日から一変、フラットかややイン優勢のトラックバイアスに。ハナ候補と見たアスクシュタインが行く気なし&序盤挟まれたこともあり、ジュンアサヒソラ単騎で前後半61.4-59.1のややスローペース。ファウストラーゼンがマクって先頭はL4に11.6を踏んだが、3番手以下は深追いせず実質3F戦。内前有利な一戦だったと評価する。
7着ジェットマグナムは内枠からスタート決まって2番手へ。ファウストラーゼンがマクって来ると抵抗せずに引き、内目を立ち回って直線に向いた。展開も馬場も生かして上手に乗っている。伸び負けたのは現状の力差。
参考レース③ シンザン記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
金杯の週に比べれば多少はフラットに寄ったが、初角まで近い1600mではまだまだ内が有利な馬場コンディション。前後半46.8-47.8のややハイペースで流れた。内で溜めた差し馬が有利だったと評価する。
3着ウォーターガーベラは不利な15番枠でゲートもやや出遅れ気味だったが、その分スムーズに内ラチ沿いまで潜り込めた。インで溜めたまま直線へ向き、進路確保まで多少時間はかかったが、この速い流れなら仕掛け遅れはむしろプラスか。最後甘くなったマイネルチケットをとらえて3着に浮上した。対牡馬の重賞で立派な結果だが、展開と馬場の恩恵が大きかったことには留意したい。