共同通信杯2025 上位人気想定馬の評価
レッドキングリー
能力評価:★★★★
苦手条件:左にササる
《寸評》
新馬戦から左の片側チーク着用。序盤は行きたがるのを抑えて2番手から運び、直線は左にササるのを修正しながら突き抜けた。ラスト3F11.3-11.3-11.2の加速ラップで、4馬身千切った2着ウィクトルウェルスもその後ゆりかもめ賞勝ち。負かした相手も数字の面でも優秀だった。
続く東スポ杯2歳Sも好スタートからサトノシャイニングを行かせて2番手。直線は内ラチ沿いで粘って3着。勝ち馬クロワデュノールはホープフルSを勝ち、2着サトノシャイニングもきさらぎ賞を3馬身差で勝った。相手が非常に強く、ここでの0.3秒差には価値がある。
能力は高いが、課題はササる悪癖をどうクリアするか。ここまで2戦は左回りで直線内ラチ沿い(=左にラチを置いて走る形)を通ったためあまり問題になっていないが、外を回ったときにちゃんと追えるのか未知数。内枠が欲しい。
マスカレードボール
能力評価:★★★
苦手条件:右回り△
《寸評》
新馬戦は時計こそ平凡ながらマイネルチケット(サウジアラビアRC3着、京王杯2歳S2着)を破った。2戦目のアイビーSは全体時計1:45.8、ラスト3F11.8-11.3-11.2の加速ラップで数字上かなり優秀……なはずなのだが、出走馬がその後さっぱり活躍していない。2着ピコチャンブラックはホープフルSで13着大敗、3着シルバーレインが次走1勝クラスで4着など、案外レースレベルが高くなかった可能性が出てきた。
ホープフルSの11着に関しては前有利な流れを後方から運び、4角はフラフラするなど中山も合わなかった感じの負け方。さほど悲観しなくていいし、左回りに戻ればパフォーマンスは上がるだろう。アイビーSの真価が問われる一戦。
ネブラディスク
能力評価:★★
得意条件:不明
《寸評》
半姉にリスグラシューがいる良血馬。23年のセレクトセールにて1億7600万円(税込)で落札された。馬主は金子真人HD、調教師は福永祐一師、そして鞍上は武豊騎手が想定されている。
新馬戦は中団の外目を追走。手応えよく進出して4角で先団に並びかけ、最後は11.8-11.2の加速ラップで後続に3馬身差をつけた。勝ちっぷりは鮮やか。ただ、その後勝ち上がったのは6着のレーゼドラマだけで、2-5着、7-12着馬は次走以降馬券にも絡めず。勝ち時計2:01.8は前日の2歳未勝利より1.0秒遅かった。底を見せていない魅力はあるが、能力の裏付けがまだない。
リトルジャイアンツ
能力評価:★★★★★
苦手条件:右回り(右にモタれる)
《寸評》
昨秋に東京芝2000m未勝利を1:58.7の快時計で勝利。これは2歳コースレコードに0.2秒差と迫るもので、歴代2位の記録。ペースが全く違うので参考程度だが、翌日に行われた3勝クラス(トーセンリョウ、マイネルエンペラー戦。2:00.5)を1.8秒も上回っている。
葉牡丹賞はレコード決着からハナ+アタマ差の3着。開幕週の馬場で後方から4角大外をぶん回し、内容的にはズバ抜けて強い競馬。前走は後方待機から大外一気。直線は右にモタれてまともに追えていないが、能力の違いで勝ってしまった。
現状、右回りでは膨れたりササったりと操縦性が悪く、ベストパフォーマンスを出せるのは東京コース。近2走より舞台が好転する。ダービー候補たりうる資質の持ち主。
サトノカルナバル
能力評価:★★
苦手条件:1800mは長い?
《寸評》
2歳6月の東京新馬で7馬身差のぶっちぎりV。ただし勝ち時計1:23.6は平凡で、2着以下からは勝ち上がりがまだ出ていない。
函館2歳Sを勝つには勝ったが、あのレース自体が2歳7月時点での完成度と経験値で決まるような重賞であって、クラシックにはほぼ直結しない。実際、過去20年の函館2歳S出走馬のうち、芝1800m以上の3歳重賞で馬券に絡んだ馬はロゴタイプだけ。勝ち馬に限ればマイル以上での好走例もカシアスのシンザン記念3着だけになる。
BCジュベナイルターフは手応えよくイン3を追走していたが、4角から徐々に遅れ始め、最後はバテて9着。着順は海外遠征のGⅠで参考外だが、距離延長に不安を感じる負け方ではあった。1800mで買いたいとは思えず。
カラマティアノス
能力評価:★★
得意条件:広いコース
《寸評》
新馬戦は直線どん詰まり3着、2戦目は内有利馬場で外々を回ってタイム差なし3着。この二つは単なる取りこぼし。中山での負け方を見るに、機敏に動ける感じがないので広いコースの方が合う。
こうやまき賞は内有利になりやすい中京マイルで開幕週。インで脚を溜め、直線も不利なく捌いて勝った。スローの前残りを差し切った点は評価できるものの、勝ち時計1:35.1は同日未勝利(ラージギャラリー)より遅い。重賞の相手ではどうか。