【目黒記念2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

目黒記念2025の概要

開催日

2025年6月1日(日)

グレード

GⅡ・4歳以上

コース

東京芝2500m

概要と歴史

近年は日本ダービーデーの最終レースに行われている古馬のハンデGⅡ競走。レース名の「目黒」は東京競馬場の前身である「目黒競馬場」に由来しており、歴史も1932年からとかなり長い。創設当初は3400m、その後何度か条件変更があって1951年から芝2500mに定着した。

昨年まではここを宝塚記念のステップ代わりに出走してくる馬(⇔ここから宝塚記念に続戦する馬)もわずかにいたが、今年から目黒記念の時期はそのままに、宝塚記念が2週前倒しになった。続戦すると中1週になるため、基本的にこのローテは使われなくなるだろう。出走馬の顔ぶれに多少の影響はありそうだ。

目黒記念2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬21頭

アスターブジエ
アドマイヤテラ
エセルフリーダ
エンドロール
サンライズソレイユ
シルブロン
スティンガーグラス
ダンディズム
ディープモンスター
ニシノレヴナント
ハヤヤッコ
ホーエリート
ホウオウノーサイド
マイネルウィルトス
マイネルカンパーナ
マイネルクリソーラ
マキシ
マテンロウレオ
ミクソロジー
メイショウブレゲ
ヴェルミセル

目黒記念の基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV

人気と配当の傾向

1番人気【2-2-3-3】、2番人気【1-1-1-7】、3番人気【2-0-0-8】と上位人気陣は全体的にやや頼りない成績。8番人気以下が4勝を挙げている。ただ、ハンデ戦でそもそもオッズが割れている年が多く、8番人気以下といっても単勝オッズ30倍を超える勝利はなかった。

平均馬連配当は6399円。最高馬連配当は1万9220円(18年ウインテンダネス→ノーブルマーズ)、最低馬連配当は1200円(16年クリプトグラム→マリアライト)。

枠順と脚質の傾向

「内枠有利」で知られるダービーデー、100mだけ違う距離で行われるレース。ダービーほどではないが内枠有利の傾向がある。7-8枠が【2-0-2-48】と不利で、回収率的にも振るわない。

脚質的には4角6番手以下の馬が7勝を挙げているが、複回収率ベースでは先行勢の方が大きくリード。昨年(シュトルーヴェ→シュヴァリエローズ→クロミナンス)がいい例で、人気薄が前で粘るところに上位人気の末脚鋭い馬が追い込んでくるイメージを持とう。

前走について

前走が条件戦だった馬は【2-1-0-23】複勝率11.5%、複回収率41%と低調。4歳に限ると【1-1-0-7】で多少はよくなるが、積極的に狙うほどではない。よく「ハンデ重賞は若い上がり馬が有利」と書いているが、このレースはGⅡだけあってやや例外の感がある。

OP・リステッド組は【1-6-3-53】複勝率15.9%、複回収率109%。好走の大半は大阪ーハンブルクC【1-2-0-8】とメトロポリタンS【0-4-2-34】に集約される。メトロポリタンSがハンデ戦だった時代は【0-0-0-8】、現行の別定戦になってからは【0-4-2-26】複回収率190%。ここは前走着順やハンデ問わず穴が出る。

重賞組だとやはり距離が同じ日経賞【4-1-2-11】複勝率38.9%が中核を担う。その3着以内馬【2-1-1-1】なので、出走してくればまず警戒したい。それでいて10着以下【1-0-1-4】複回収率168%も侮れない。

ほか新潟大賞典【2-0-0-8】、ダイヤモンドS【1-0-1-3】、日経新春杯【0-1-1-1】は好成績。案外振るわないのが天皇賞(春)組【0-1-0-9】。前走GⅠ組全体でも【0-1-2-14】複回収率81%で可もなく不可もなしだ。

目黒記念2025の参考レース

参考レース① 日経賞

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内外フラット(やや前残り)
展開:ややスロー
→この日は雨の影響を受けて稍重馬場。内外のバイアスではないと思うが、差し勢のキレが削がれて前残りの傾向があった。前後半6Fで割ると75.9-73.7なのでバランスとしては遅めの流れだが、レース上がり3Fは37.2秒を要した。前に行った馬、道悪適性のある馬が恵まれたレースと評価する。

5着マイネルクリソーラ【好内容】
道中は後方の外を追走し、2周目4角で大外を徐々に進出。直線も目立つ伸びを見せ、勝ち馬から0.1秒差まで迫った。展開も向かないなかで好内容。別定GⅡでこれだけやれたのは収穫。

6着ヴェルミセル【馬場も合って好内容】
道中は後方の内目。4角ではアーバンシックの後ろを確保し、しぶとく脚を伸ばしてきた。最後わずかに遅れたが勝ち馬からは0.2秒差。こちらも内容はいい。道悪も合う。

7着マイネルウィルトス【ベストに近い条件も】
道中は4-5番手でやや行きたがる場面もあった。ホームストレッチあたりでは落ち着き、4角は目の前のマイネルエンペラーも利用しながらスムーズに進路を確保できた。大きくバテたわけではないが、マイネルクリソーラやヴェルミセルには伸び負け。0.3秒差とはいえ、2500mも道悪もベストに近い条件だけにもう少し結果が欲しかった。さすがに9歳、ピークアウト気味か。

8着マテンロウレオ【右にモタれ】
右回りでは内ラチに頼らせたい馬で、2枠2番からイン3確保は絶好形。2周目4角まで手応えよく回ってきたが、いざ追い出すと右にモタれ気味で伸びきれなかった。左回りの方が競馬はしやすい。

10着ハヤヤッコ【右にモタれ】
序盤は進みが悪く後方から。窮屈ながらもしぶとく伸びてきたが、4角~直線にかけて右にモタれる面が強かった。ジリジリ脚を使っているところで前も塞がった。ただし、そもそも道悪に恵まれた部分はある。

13着ホウオウノーサイド【距離はこなした】
最後方待機から直線はインを選択。しかしジリジリとしか伸びなかった。とはいえこの相手に0.7秒差。距離は意外にも大丈夫だった。

15着マキシ【直線余力なく】
スタート躓いて後方から。道中の行きっぷりはよかったが、その分直線では余力がなかった。微妙に距離が長いか。単純に相手も強かった。

参考レース② ダイヤモンドS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内外フラット
展開:スロー
→セイウンプラチナの逃げで1000m通過63.6秒。次の1000mも63.6秒で流れ、ラスト3F11.4-11.6-11.9。スローペースだった。また道中はそのスローにもかかわらず馬群がかなり縦長になっていた。前にいた馬が恵まれたレースと評価する。

3着ヴェルミセル【展開不向きも】
その先頭から大きく離れた後方集団を追走。道中で最大4秒くらいの差があった。展開を思えば3着でも評価できる結果。本格化ムード。

7着メイショウブレゲ【コース合わず】
道中は後方のインで待機。2周目3~4角あたりで徐々に外から進出していき、直線に向く時点で前を射程に入れていたが、そこから伸びあぐねた。これまでも好走歴がほとんど小倉と京都に集中している馬で、直線に坂があるコースは合わないのだろう。

12着シルブロン【完敗】
道中は中団、シュトルーヴェを見るような位置で運ぶ。2周目3~4角はインを通し、直線は少し詰まって追いづらい場面もあった。ただ、空いてからも大した伸びはなく、今日のところは完敗。

14着ダンディズム【不発】
2馬身ほど出遅れて最後方からの競馬に。展開が向かなかったのもあるが、上がりも37.5秒を要して離れた後方入線。ちょっと原因がハッキリしない不発。

参考レース③ メトロポリタンS

トラックバイアス:フラット~やや外有利
展開:ミドル、早仕掛け
→NHKマイルC当日。どちらかといえば直線外に出した馬が伸びていた印象だが、インもダメなわけではない。レースは残り1400mから11.9-11.7-11.9-11.8-11.5-11.6-12.0と締まって先行勢にはタフな展開。やや差し有利なレースと評価する。

1着マイネルクリソーラ【展開は向いた】
道中は馬群のなか、後方の2~3番手を進む。直線半ばで進路を見つけてからの伸びは鋭く、残り150mあたりで先頭に立つとそのまま押し切った。他馬の早仕掛けで展開は向いているが、日経賞に続いて2400~2500m路線でのパフォーマンスは高い。

2着マイネルカンパーナ【やや脚を余す】
好発からインの3番手を確保したが、ブレイヴロッカーが入ってきて道中はイン5に。直線はなかなか進路が見付からず、ラスト100mほどで猛追するも間に合わなかった。やや脚を余した。

8着エンドロール【力不足】
格上挑戦。好スタートを切るも先行せず後方待機。直線も内目を狙ってめいっぱい追ったが、離されずに流れ込むだけ。現状はOPだと力不足。

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