チューリップ賞2025の概要
開催日
2025年3月2日(日)
グレード
GⅡ・3歳牝馬
コース
阪神芝1600m
概要と歴史
桜花賞と同じ舞台で行われる正統トライアルレース。3着までに優先出走権が付与される。1984~1993年にかけてOP特別「チューリップ賞」が施行されており、マックスビューティ、アグネスフローラ、アドラーブル、ベガといった大物を輩出していた。
1994年に重賞として新設されると、以降もエアグルーヴ、テイエムオーシャン、スイープトウショウ、ウオッカ、ブエナビスタ、ハープスター、シンハライト、ソウルスターリング、ラッキーライラック、ナミュールなど錚々たる面々が優勝。2018年からはGⅡに昇格した。2025年からは施行時期が1週前倒しになって1回阪神の開幕週に行われる。近年の桜花賞においてチューリップ賞組は阪神JFからの直行組などに押され気味だったが、この1週スライドで傾向が変わるか注視したい。
チューリップ賞2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬17頭
ウォーターガーベラ
クリノメイ
コパノエミリア
サウンドサンライズ
ザラタン
スリールミニョン
ナムラクララ
ネーブルオレンジ
ノクナレア
ビップデイジー
フェアリーライク
プリンセッサ
マイエレメント
メイショウタマユラ
ラウルベア
ルージュソリテール
ルージュナリッシュ
チューリップ賞の基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向
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1番人気が5勝、2番人気は【1-1-5-3】と勝ち切れないが馬券にはよく絡む。5番人気までで10勝(※同着が1回あるため勝ち馬は全11頭)を挙げているものの、9番人気以下【0-2-2-58】複回収率111%と人気薄も侮れない。以前と違って2歳時からバリバリに走った強豪がここを飛ばして桜花賞へ直行する例が増え、空洞化したチューリップ賞は伏兵の台頭を許しやすい状況になりつつある。
平均馬連配当は9721円。最高配当は5万6300円(22年ナミュール→ピンハイ)、最低配当は730円( 16年シンハライト→ジュエラー)。
枠順と脚質の傾向
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1枠【2-3-0-9】の好成績がやや目立っているが、隣の2枠は【0-0-2-13】。ワンターンでフェアな形態の阪神マイルだけあって、特に内枠が有利というわけではない。ただし7-8枠【3-2-3-24】複回収率39%なので外すぎるのは少し減点か。前記の通り今年から開幕週になるため、外枠の不利は加速する可能性がある。
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脚質は4角5番手以内の馬が勝率、複勝率ともに優勢だが、複回収率では同6番手以下の方が上回っている。前哨戦らしくスローになる年が多いものの、直線の長い阪神外回りマイルなのである程度は脚力で挽回できる。
前走について
新馬or未勝利戦から来た馬が【0-3-2-22】複勝率18.5%、複回収率229%。前走で①上がり最速、②着差0.1秒以上、③芝1400~1600mを満たした馬に限ると【0-3-2-7】複勝率41.7%まで上がる。勝ち星こそないが決して油断できない。
1勝クラス組は【1-0-2-37】と非常に低調。前走時3番人気以下だと【0-0-0-21】と全滅している。
ほかはレースごとに見ていく。まず圧倒的なのは阪神JF組の【7-1-5-11】複勝率54.2%。その4着以内馬なら【7-1-5-5】複勝率72.2%とほぼ崩れない。もっとも、この世代は阪神JFが京都で今回が阪神に替わる。その点は気にならないでもない。
エルフィンS組は【2-1-1-14】だが、リステッドに格付けされた19年以降【2-1-1-5】と存在感を増しつつある。阪神JFの上位馬があまり出走しなくなったことで、エルフィンSで敗れて「賞金(権利)の取り直し」を図る馬も足りるようになった、ということだと思われる。一方、フェアリーS組は【0-0-0-8】と機能していない。
チューリップ賞2025の参考レース
参考レース① 阪神JF
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
馬場は内から数頭分避けたところが伸びるが、各馬もう最内は使わないので枠の有利不利は結局なし。途中雨も降った荒れ馬場かつ前後半34.2-34.9のハイペースでスタミナが問われ、上位はいずれも1800mからの短縮馬が占めた。距離不安のない差し馬が恵まれたレースと評価する。
2着ビップデイジーは最内枠でダッシュが付かなかったが、鞍上がリカバーして中団馬群の内目を進む。直線入り口で前がバラけると右ムチを入れて大外まで持ち出す。最後はよく伸びたが、勝ち馬が一枚上手だった。これも展開と条件は向いた側。距離は延びてよく、桜花賞よりはオークスで楽しみ。
5着スリールミニョンはスタートから意識的に抑えられて追い込みに賭ける競馬。ちょっと外を回りすぎた感はあるが、展開的には作戦成功といっていいだろう。
14着クリノメイは後方でじっくり脚を溜めたが特に伸びず。現状は力負け。
参考レース② アルテミスS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
馬場はほぼフラットか、若干ながらイン優勢くらい。前後半35.1-33.6のスローペースで内前有利の競馬だったと評価する。
5着マイエレメントはスタートで2~3馬身ほど出遅れた。直線は外から上がり32.8秒の素晴らしい脚で追い込んできたが、展開が向かなかった。能力面はいいものを持っていそうだが、ゲートとテンションに課題は残る。
10着ザラタンはスタートで大きく出遅れ、1頭だけ離れた後方を追走。レースにほぼ参加しておらず参考外でいい。
参考レース③ エルフィンS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
大きなトラックバイアスはなし。前後半も48.0-47.3で、前半上り坂のコース形態を考えればそこまでドスローというわけでもない。展開の有利不利はさほどないレースだったと評価する。
7着サウンドサンライズはスタート後ややヨレて後方から。じっくり脚を溜めた割に直線も伸びなかった。