アメリカジョッキークラブカップ2025の概要
開催日
2025年1月26日(日)
グレード
GⅡ・4歳以上
コース
中山芝2200m
概要と歴史
1月の中山最終週に行われる古馬の別定GⅡ。前週に距離が近い日経新春杯も存在し、そちらはハンデ戦。よって実績がまだないフレッシュな勢力は斤量の利を求めて日経新春杯に回り、AJCCはどちらかといえば実績馬、もしくは中山巧者が中心となることが多い。
このレースを勝った後にGⅠを制した馬は直近でも12年ルーラーシップまでさかのぼる。若手登竜門の日経新春杯、実績のあるベテランが争うAJCCという棲み分けが生じている。また、今年は日本ダービー馬ダノンデサイルが出走を表明している。
アメリカジョッキークラブカップ2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬21頭(フルゲート18頭)
アウスヴァール
アケルナルスター
アラタ
エヒト
カラテ
コスタボニータ
コスモキュランダ
ダノンデサイル
チャックネイト
ディープモンスター
ニシノレヴナント
ビザンチンドリーム
ホウオウノーサイド
ホウオウリアリティ
ポタジェ
ボルドグフーシュ
ボーンディスウェイ
マイネルクリソーラ
マテンロウレオ
ライラック
レーベンスティール
アメリカジョッキークラブカップの基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向
1番人気は5連対ながら単回54%、複回66%と可もなくやや不可サイド。2番人気【2-1-1-6】で、3-7番人気が【6-5-8-31】単回179%、複回136%と結果を出している。8番人気以下【0-1-1-69】と大きな波乱は多くないが、少しヒネって入りたい。
馬連平均配当は6070円。最低配当は460円(18年ダンビュライト→ミッキースワロー)、最高配当は3万3430円(22年キングオブコージ→マイネルファンロン)。
枠順と脚質の傾向
中山は12月のアタマから起算するとこれが9週目(18日目)。途中でコース替わりがあるとはいえ、さすがにAJCCは外枠が有利。7-8枠が【3-4-2-34】単回111%、複回126%と黒字計上している。1コーナーまで長い2200mのコース形態も影響しているだろう。
また脚質的には前有利。差し競馬らしい決着は22年くらいで、4角までには中団~やや前くらいに取りついていないとなかなか届かない。4角10番手以下の馬は【0-1-0-43】。
前走について
前述の通り「登竜門的な」日経新春杯とは違い、こちらは主に実績馬たちの戦いという色が強い。前走3勝クラスの馬は【1-0-2-11】単回27%、複回43%と振るわず、OP・リステッド組も【0-1-0-20】複回10%とお話になっていない。
前走GⅢ組は【1-6-4-25】で勝利こそ少ないが複回収率は166%の高数値。内訳は中山金杯組が【0-0-1-11】と不振、半年以上の長期休養馬が【0-0-0-4】。それ以外(中日新聞杯、チャレンジC、福島記念)は【1-6-3-10】複回266%に上る。ここが狙い目。
GⅡ組は【3-0-2-23】でイマイチ。しかも好走のうち2例は12月開催の金鯱賞【1-0-1-2】で、今の番組でいえば中日新聞杯に近い。
国内芝GⅠ+凱旋門賞組が併せて【5-3-2-28】。複勝率26.3%は平均より少し高い程度。そのうち有馬記念組は【1-0-0-8】といまいち。そもそも超一流どころが有馬記念から続戦するケース自体めったにないが、15年にゴールドシップが有馬3着から出走して1番人気7着に敗れた例がある。
アメリカジョッキークラブカップ2025の参考レース
参考レース① 有馬記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
この日の中山芝は有馬までに5戦行われ、マイル新馬を除く4戦で7-8枠が勝利。外からの押し上げが利くトラックバイアスだった。前後半62.8-57.9なので全体としてはスローだが、残り1000mから(風もあるとはいえ)11.3-11.4とペースアップが早く、そして急激過ぎた。中団で仕掛けを待ち、直線は外に出した差し馬が恵まれたレースと見る。
3着ダノンデサイルは序盤ゆっくり入って1000m通過62.8秒。ここまでは理想的だが、残り1000mから11.3-11.4-11.6-11.5-12.1。L5にこの急加速を入れたら苦しくなる。最後鈍ったところを差された。結果から言えばもうワンテンポ待つべきだっただろう。展開不利、トラックバイアスやや不利のなかでよく踏ん張った3着。馬はよく頑張っているよ。
参考レース② 天皇賞(秋)
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
逃げ候補は色々いたが、いざゲートが開くと押して出たのはベラジオオペラだけ。ホウオウビスケッツが労せず制してハナをとり、シルトホルンは2番手で妥協した。前後半59.9-57.4秒のスローペースでラスト11.1-11.1-11.5の典型的な上がり3Fヨーイドン。内目を先行した馬が恵まれたと評価する。
8着レーベンスティールは8枠14番もあって、さすがのルメールでもポジションがとれず。後方の外で運び、それなりに伸びてはいるが前が遠かった。展開と馬場に泣いた。悲観する内容ではない。
10着ニシノレヴナントは離れた最後方から直線に賭けた。展開不向きの中で上がり2位タイの33.0秒と悪くはない。距離が延びて追走は多少楽になるだろう。
参考レース③ 中日新聞杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
冬の中京開催2週目でまだトラックバイアスは内優勢。デシエルトが1000m通過58.8秒の締まったペースで逃げ、内で溜めた差しが有利な競馬だったと評価する。
3着マテンロウレオは中団のインを立ち回ってほぼ完璧な騎乗。左回りベター、右回りでは内ラチ沿いに頼る必要がある馬で、この条件替わりはマイナスの材料である。
6着コスモキュランダは外からマクって勝ちに行くも返り討ちに遭った形。実績を考えればそれでも掲示板くらいは確保してほしかったが……。得意の中山で反撃を期す。
9着エヒトは59キロを背負って強気に2番手先行。ハイペースが響いて坂上で苦しくなってしまった。この着順でもデシエルト以外の先行勢には先着した。