キーンランドカップ2025の概要
開催日
2025年8月24日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
札幌芝1200m
概要と歴史
サマースプリントシリーズの第5戦にあたる古馬の短距離重賞。1着馬にはスプリンターズSへの優先出走権が付与される。1990年代から札幌では「キーンランドC」という名称のOP特別が行われていたが、この重賞の創設自体は2006年となる。
GⅠ本番まで間隔を空ける昨今の風潮および、比較的気温の低い札幌が舞台ということもあり、近年はセントウルSにまさるとも劣らない存在感を示している。一昨年はナムラクレアがこのレースを制してスプリンターズS3着。昨年の勝ち馬サトノレーヴはその後高松宮記念を制するなど、好メンバーになる年が増えてきた。
キーンランドカップ2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬22頭
ウインカーネリアン
エーティーマクフィ
エトヴプレ
カルプスペルシュ
カルロヴェローチェ
クファシル
サウザンサニー
ジョーメッドヴィン
ゾンニッヒ
ツインクルトーズ
ティニア
ナムラクララ
パンジャタワー
フィオライア
プルパレイ
ペアポルックス
モリノドリーム
ルージュラナキラ
レイピア
レッドアヴァンティ
レッドヒルシューズ
ロートホルン
キーンランドカップの基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

1番人気は【3-1-1-5】と悪くないが、最も好走率が高いのは2番人気で【2-4-1-3】。また、中穴の台頭も珍しくなく、7~9番人気【1-4-4-21】複勝回収率178%も非常に高い数字となっている。
平均馬連配当は5697円。最高馬連配当は3万690円(15年ウキヨノカゼ→トーホウアマポーラ)、最低馬連配当は760円(19年ダノンスマッシュ→タワーオブロンドン)。
枠順と脚質の傾向

例年、キーンランドカップはCコース2週目に行われるが、今年は微妙に仮柵移動の時期が変わっていて、Bコース替わり初週となる。根本的に傾向が変わる可能性は念頭に置くべき。
参考までに昨年までの枠順別成績を見ると、6~7枠で合計7勝と外枠の方がはるかに有利。1~3枠は勝利がなく、特に1~2枠は連対馬も出ていなかった。

脚質的には前も後ろも大差なし。4角5番手以内の馬が5勝、同6番手以下が5勝とちょうど半数ずつになっている。回収率ベースで見るとむしろ差し馬の方が単勝、複勝ともに高い。もっとも、これもBコース初週に替わることで傾向がズレる可能性はある。
前走について
前走が3勝クラスだった馬は【1-1-0-3】。ウキヨノカゼが8番人気1着、ダノンスマッシュが4番人気2着と好走したため、複勝回収率も172%と上々だ。
オープン・リステッド組(「重賞」時代の葵Sを除く)は【2-3-2-57】複勝率10.9%、複勝回収率41%。わざわざ狙う数字ではないが、UHB賞の勝ち馬は【0-2-1-5】複勝率37.5%、複勝回収率117%なので、ここだけは押さえていい。
重賞組はやはり函館SSからの参戦が多い。ここは着順で極めてハッキリ分かれており、前走3着以内なら【2-2-3-8】で複勝率46.7%、同4着以下なら【0-0-0-21】で綺麗さっぱり全滅だった。
他の短距離重賞から参戦する馬は、アイビスSD【1-0-1-9】、葵ステークス(重賞昇格以降)【1-1-0-2】、CBC賞【0-1-0-2】、北九州記念【0-1-0-0】など、いずれも母数は少ないがまずまず好走馬を出している。
GⅠ組だと同じく母数は少ないが、ヴィクトリアマイル組が【1-1-0-1】、NHKマイルカップ組が【1-0-0-3】、チャンピオンズマイル組が【0-0-1-0】など。春にマイルGⅠを戦っていた馬も侮れない。一方、高松宮記念から直行する馬は【0-0-1-4】で、いずれも6番人気以内に推され、人気以上の着順はナックビーナス(5人気3着)だけだった。
キーンランドカップ2025の参考レース
参考レース① NHKマイルC
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:フラット~やや外有利、高速
展開:ハイ
→馬場は外も伸びるがインもダメではない。4レースでマンゲタックが逃げ粘り(9番人気3着)、メトロポリタンSも道中最内追走の馬が2,3着に入ってきた。外許容度は高めのフラットと判定する。
トータルクラリティがブリンカー着用、アドマイヤズームが完全に折り合いを欠き、3角ではそれを制してヴーレヴーがハナに立つ。前半3Fは33.4秒のハイペース。上位はマジックサンズを除いて1400m好走歴のある差し馬が占めた。スピードタイプの差し有利なレースだったと評価する。
1着パンジャタワー【ハイペース奏功】
道中は折り合いに気を付けながら10番手を追走。少し行きたがる面もあったがハイペースが奏功して我慢が利き、4角は堂々と大外を回して豪快に差し切った。軽い馬場と展開がハマった印象は強い。本質的には1400m以下の方がいいはずで、秋はスプリント戦線でも見てみたい。
参考レース② 函館SS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内有利
展開:ハイ
→開幕週らしく馬場は明確に内有利で高速。インビンシブルパパの逃げで前後半32.5-34.1とペースは速く、内追走の差しが有利なレースだったと評価する。
5着ペアポルックス【力見せた】
4~5番手集団の外目を追走。1~4着がイン差し→イン3→イン差し→逃げという露骨なトラックバイアスのなか、外を回った馬で唯一掲示板に載った。力は見せた。
7着ジョーメッドヴィン【トラックバイアス逆行も】
ゲートは五分に出て序盤は中団くらいにいたが、ペースが速かったのもあり、徐々に下がって後方へ。4角は大外を回してトラックバイアスに逆行した。上がり最速でよく伸びてはいた。
9着モリノドリーム【枠順不利】
今日の馬場で15番枠は無理。中団外追走から4角も外を回らされ、直線も伸びきれなかった。枠が厳しかったことに尽きる。
10着プルパレイ【ロス重なる】
中団馬群の中で道中は折り合いに苦労。ミリアッドラヴの故障でやや不利も受けた。4角は内をロスなく捌いてきたが、最後は前が塞がってブレーキ。スムーズでも勝ち負けまでは厳しかったと思うが、細かいロスが複数重なった。
12着ゾンニッヒ【外から伸びるも】
大外枠からほぼ最後方まで下げて内に潜り込む。4角出口で大外に持ち出して直線は脚を使っているが、前がさすがに遠かった。内枠ならもう少しやりようもあったと思うが……。
14着フィオライア【厳しい展開】
序盤からかなり強気に押していったが、内枠2頭の方が速くて外3に。ペースもキツく、トラックバイアスにも逆行して厳しい競馬になった。大敗やむなし。
参考レース③ シルクロードS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット?
展開:ハイペース
→この日の京都芝は外も使えていたが、内回りの芝1200mに関しては極端に外有利というほどでもない。ピューロマジックが逃げて前後半33.1-35.1のハイペース。とはいえ馬群が縦長で、後ろすぎた集団は届かなかった。好位~中団あたりにいた馬が有利なレースだったと評価する。
3着ウインカーネリアン【ハンデ59キロも粘る】
外目の3番手を追走。ペースは速かったが手応えはよく、直線も自分の脚は使っていたが、最後は外から勝ち馬にかわされた。ハンデ59キロを思えばよく走っている。
6着プルパレイ【末脚は使う】
最後方付近まで下げて一発狙いの競馬。大外から上がり33.9秒で伸びてきてはいた。敗れはしたものの、一時期の不振は脱している。
10着レッドアヴァンティ【差を詰められず】
枠なりの後方外追走から4角も大外を回す形。徐々に伸びてはきたが、前との差を詰めるには至らなかった。現状、重賞だともうひとつ足りない。
13着クファシル【荷が重いか】
半歩出負け気味のスタートから促して好位へ。ハイペースもあって直線に向いた時点で手応えが悪く、徐々に後退していった。現状、重賞ではやや荷が重いか。
14着ペアポルックス【直線ヤメ】
イン3でロスなく立ち回っていたが、4角でもう手応えが怪しく、直線は追うのをヤメてしまった。道悪はダメなのかもしれない。