全日本2歳優駿の出馬表が発表されたのだが、これが非常にマズいことになっている。
(南関東4競馬場公式ウェブサイトより引用)
何がマズいかというと、南関東所属の馬がホーリーグレイル1頭しかいないのだ。馬名の前にことごとく[J]だの[北]だのついている。由々しき事態だ。
むろん、鎌倉記念を2.2秒差で圧勝したベアバッキューンの故障離脱というやむを得ない事情はある。それにしても寂しい。この根底には、今の南関に「この馬なら交流重賞でも」と思わせる素材が少ない、という問題があるのではないか。
何度か書いてきたが「ダート三冠の新設」≒「南関東牡馬クラシックの実質的廃止」により、今の南関2~3歳牡馬には大目標となる高額番組がない。したがって強い牡馬を2歳時から南関にわざわざ入厩させるメリットが薄れている。一方で、馬券の売上快調に伴い他地区も賞金は上昇傾向にある。南関東の番組選択的な優位性がなくなりつつある。今年は東京ダービーでもJDCでも地方最先着が高知のシンメデージーだった。これが象徴的なできごとに思えてならない。
百歩譲って2歳時はまだいい。2歳が道営に押され気味なのは前からそうだ。よくないのが3歳春。以前はハッピースプリント然り、タービランス、ヒガシウィルウィン、ウィンターフェル然り、道営の強い馬が年末~年明けにかけて南関に移籍し、高額賞金の重賞を走りながら東京ダービーを目指し、そのまま定住してくれていた。今はどうか。どうせ雲取賞や京浜盃も交流で勝ち目が薄いなら、南関に移籍する旨味がない。わざわざJRAの強敵とぶつけるにせよ、道営所属のまま遠征すればいい。
この状態が続くと、地方の他地区に「◯◯の雄」が次々生まれる傍ら、南関東だけスター不在になってしまうのではないか。クラシックはJRA勢に持っていかれ、古馬重賞も移籍してきた元JRA所属の高齢馬に刈り取られるだけの地区になりかねない。イチ南関ファンとして危惧しております。