東海ステークス2025の概要
開催日
2025年7月27日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
中京ダ1400m
概要と歴史
「東海S」といえば昨年まではフェブラリーSの前哨戦にあたるGⅡ競走に付けられていた名称だが、今年からはプロキオンSと看板をトレードする形で、1月のダ1800m戦が「プロキオンS」、7月の短距離重賞が「東海S」を名乗る。
旧「プロキオンS」は1996年に阪神ダ1400mで創設され、2012年から中京に移転。ベストウォーリアやアルクトス、サンライズノヴァなどが優勝しており、南部杯と繋がりを見せるレースだった。なお近年は京都競馬場の改修などの影響も受け、阪神や小倉ダ1700mで代替された年が多い。
東海ステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬21頭
アドバンスファラオ
アルファマム
イグザルト
インユアパレス
エートラックス
エミサキホコル
オメガギネス
クロジシジョー
コンクイスタ
サトノルフィアン
サンライズフレイム
サンライズホーク
ジョウショーホープ
ダノンスコーピオン
ビダーヤ
メイクアリープ
ヤマニンウルス
ライツフォル
リジル
ロードエクレール
ヴィクティファルス
東海ステークスの基本データ
※出典:TARGET frontier JV。データは「中京ダ1400mで施行されたプロキオンS」の全9回
人気と配当の傾向

中京開催時の旧・プロキオンSは総じて堅く、1-2番人気の複勝率がどちらも77.8%となっている。単勝オッズ別でいえば10倍未満が【8-9-5-22】複勝率50.0%、複回収率88%に対し、同10倍以上で【1-0-4-89】複勝率5.3%、複回収率33%。穴狙いは成功しにくい。
平均馬連配当は5171円。最高馬連配当は3万4920円(12年トシキャンディ→アドマイヤロイヤル)、最低馬連配当は550円(14年ベストウォーリア→キョウワダッフィー)。
枠順と脚質の傾向

芝発走のダ1400mだが、枠順傾向は内外ほぼ互角。回収率ベースで見ると内枠優勢に見えるが、これは2012年の12番人気1着トシキャンディあたりが跳ね上げているだけ。上位人気馬に限れば外枠も悪くはない。

脚質も同じような状況。4角5番手以内と6番手以下で好走率には5%程度の差しかなく、大きな偏りは見られない。回収率が前優勢なのはトシキャンディの逃げ切りがモノを言っているだけ。これも人気馬に限ると前後ほぼ互角で、展開ひとつで差しもしっかり届く。
前走について
前走3勝クラス組は【1-1-0-13】。好走2例はその3勝クラスを0.6秒以上ぶっちぎったマテラスカイ、ミッキーワイルドのみ。着差0.5秒以下の勝ち上がりなら【0-0-0-13】だ。
OP・リステッド組は【6-3-9-57】複勝率24.0%。その勝ち馬は【3-2-6-7】同61.1%と信頼度が高く、複回収率も110%と黒字域に入っている。こちらも着差は重要で、前走0.6秒以上負けていた馬は【0-0-2-27】と連対がない。
前走JRA重賞組は【0-0-0-16】とまさかの全滅。海外組が【0-2-0-1】。地方の交流重賞組は【2-3-0-20】で、その3着以内【2-3-0-8】に対し、4着以下【0-0-0-12】とハッキリ分かれている。
東海ステークス2025の参考レース
参考レース① 東京スプリント
レース映像(Youtube、NAR公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ややハイ
→前日よりは外を通った馬の好走も目立つが、かといってインがダメということでもない。内外の大きなバイアスはなかった。エンテレケイアがハナを切るまでやや苦労したものの、前後半34.3-37.0は東京盃(34.2-37.1)とほぼ同じバランス。展開面の大きな有利不利はなく、おおむね力通りに決まったレースと評価する。
1着エートラックス【出負けを挽回して】
スタートはやや出負け気味だったが二の脚で挽回して2番手へ。残り150mあたりでエンテレケイアをかわして先頭に立つと、最後はサンライズホークに迫られながらも押し切った。
終わってみればかきつばた記念組のワンツー。当時の4着馬シャマルも次走黒船賞で圧勝したことを思うと、戦前の見立て以上にかきつばた記念のレベルが高かったということか。あるいは、昨年兵庫CS勝利時と同じくモレイラ騎手だから動かせるポイントがあるのかもしれない。
2着サンライズホーク【揉まれてもヤメず】
出遅れて後方から。内枠からどう乗るのかと思っていたが、枠なりにイン中団で進める正攻法。直線だけ外に切り替えて伸びてきた。元々揉まれるとよくないタイプの馬がこの形でも崩れずに走った点で収穫の大きい一戦。この競馬ができるなら今後選択肢が広がる。
4着イグザルト【千四ベターか】
促してエンテレケイアの後ろを確保。3~4角はやや外に張る面を見せて手応えが渋く、直線に入ってからジワジワ伸びてはいるが、前走のような爆発的なキレは見られなかった。どうもハイペースだと脚が溜まらないようで、1400mの方がいい。JRA時代に左回りも良績がある。
6着ダノンスコーピオン【直線伸び目立つ】
後方でじっと脚を溜め、直線入り口で鮮やかに外へ持ち出した。メンバー中最速の上がり36.4秒でよく伸びて0.3秒差6着。結果こそついてこないが、昨年の京王杯スプリングCあたりから終いにひと脚使えており、こういう惜しい競馬はちょくちょくある。いわゆる「気持ちが切れてしまった馬」ではない。直線が長いコースの1200~1400m、展開やトラックバイアスが味方すればどこかで出番はあるはず。
参考レース② アンタレスS
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや外有利
展開:ハイペース
→マーブルロックの逃げ。最内枠のサンデーファンデーも揉まれるわけにはいかず、強気に出して先行争いが長引いた。1000m通過60.8秒でラスト12.5-13.0と失速する展開。外差し有利な競馬だったと評価する。
6着オメガギネス【完敗】
道中は行きっぷりよく中団追走。4角を4番手で回ってきて形はそう悪くなかったが、いざ追って全く伸びなかった。完敗。距離はもう200mくらい短い方がよさそう。
7着ヤマニンウルス【スランプ】
4番手追走から3~4角で外4を回って上がっていこうとしたが、直線に向いた時点で脚がなかった。昨年プロキオンSまでの怪物じみた走りとは程遠い。不調。
参考レース③ 欅S
レース映像(Youtube、テレ東競馬チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→ロードヴァレンチの逃げで前後半は35.0-35.9。ダート短距離戦ならこのくらいの前傾は日常茶飯事で、特段速くも遅くもない。おおむね実力通りの決着だったと評価する。
1着ビダーヤ【加速ラップで】
外枠から枠なりに7番手の外目を追走。直線は前を行くコンクイスタを標的にして鋭く伸び、最後はインユアパレスに迫られるもクビ差押し切った。ラストは11.9-11.7の加速ラップだった。これでダート転向から4連勝。良血馬が砂で覚醒した。
2着インユアパレス【1400mはクリア】
序盤は砂を被って少し頭を上げる場面もあったが、大きく怯むことはなく許容範囲。直線は先に仕掛けたビダーヤを追って脚を伸ばし、ゴール前の勢いはまさっていたが、わずかに届かなかった。ダートでは初の1400mを好内容でクリア。ただし過去の戦績を見るに、オールダートが得意で芝発走が合わない可能性はある。
3着コンクイスタ【キレ負け?】
外枠から道中は外4を先行。残り300mあたりまで仕掛けを待って満を持して追い出したが、ビダーヤとインユアパレスにあっさりかわされた。キレ負けした感。