新潟大賞典2025の概要
開催日
2025年5月17日(土)
グレード
GⅢ・4歳以上
コース
新潟芝2000m外
概要と歴史
春の新潟開催で行われる古馬のハンデGⅢ競走。1979年に創設され、今年で第47回を迎える。
条件が条件なのでGⅠでバリバリ好勝負をするようなビッグネームの出走は少ないが、2003年には前年の宝塚記念勝ち馬ダンツフレームが優勝。2008年にはオースミグラスワンが上がり31.9秒の豪脚で差し切り勝ちを決めた。この「31.9秒」は千直を除くJRA重賞勝ち馬の上がりとしては史上最速記録である。
新潟大賞典2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬23頭
ウエストナウ
エピファニー
エリカヴィータ
オールナット
オニャンコポン
カネフラ
ギャラクシーナイト
グランドカリナン
ケイアイセナ
サイルーン
サブマリーナ
ショウナンアデイブ
シリウスコルト
ディマイザキッド
ハピ
パラレルヴィジョン
フライライクバード
ホウオウノーサイド
ボーンディスウェイ
マイネルケレリウス
マイネルメモリー
マテンロウオリオン
レガーロデルシエロ
新潟大賞典の基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向

「ハンデ戦らしく」というべきか、1-2番人気はこの10年で勝利がなく(2011年のセイクリッドバレーが最後)、複勝率ベースでも低調に終わっている。
単勝オッズを基準にすると10倍未満が複回収率62%に対し、同10倍以上が複回収率100%。波乱があるものとして考えたい。
平均馬連配当は9382円。最高馬連配当は3万5750円(15年ダコール→ナカヤマナイト)、最低馬連配当は1150円(21年サンレイポケット→ポタジェ)。
枠順と脚質の傾向

複勝率が最も高いのは1枠。単複回収率も100%を超えている。ただ、全体像として内枠有利という感じではない。4枠だけが【0-0-0-20】と見事に全滅だ。

脚質的には4角5番手以内と同6番手以下がそれぞれ5勝、10連対ずつ。直線が長い新潟外回りながら、先行勢が穴を開けるケースが目立つ。
16年10番人気1着パッションダンス(通過順3-3)、17年11番人気2着マイネルフロスト(2-2)、18年9番人気2着ステイインシアトル(2-1)、同11番人気3着ナスノセイカン(3-3)、20年10番人気1着トーセンスーリヤ(4-4)、同7番人気1着アトミックフォース(1-1)、21年7番人気3着サトノソルタス(3-3)、昨年7番人気1着ヤマニンサルバム(1-1)など枚挙に暇がない。馬券的には前にヤマを張っておきたい。
前走について
前走3勝クラス組が【2-4-2-9】複勝率47.1%、単回収率207%、複回収率129%。ハンデ重賞らしく「若い上がり馬」が有利で、5歳以下に限ると【2-4-2-4】複勝率66.7%までアップする。
OP・リステッド組は【3-0-2-43】でイマイチ。ただ、その6着以下【0-0-1-23】を除けば数字はいくぶんマシになる。
重賞組はレースごとに……と言いたいが、まとまった出走数があるのは金鯱賞【2-1-1-11】と小倉大賞典【1-0-0-14】、あと日経賞【0-0-1-7】くらい。
そこでクラス別に見ると、GⅢ組が【1-1-1-38】複勝率7.3%、複回収率40%と振るわない。GⅡ組【2-4-5-30】複勝率26.8%、複回収率146%、GⅠ組【2-1-0-5】複勝率37.5%、複回収率137%だ。より格の高いレースで壁に阻まれた馬が相手緩和で巻き返すパターンに警戒しよう。
新潟大賞典2025の参考レース
参考レース① 中山記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:ややハイペース
→馬場は前日ほどではないにせよ内有利。メイショウチタンがハナを取り切るまでに案外苦労して、1000m通過58.5秒のやや速い流れ。道中全て11.4~11.6と緩む区間がなかった。トラックバイアスと締まったペースが相まって、インで溜めた差し馬が有利なレースだったと評価する。
8着ボーンディスウェイは絶好の2枠3番。道中はラチ沿いこそとれなかったが好位の内目を追走し、4角出口でスムーズに外へ出した。ただ、直線は伸びを欠いた。現状はGⅡに混ざるとやや力不足か。
11着サイルーンは休み明けで+14キロの出走。15番枠からインに潜りこんでレースを進めたが、直線は伸びなかった。相手が強かったのもあるが、1800mは1ハロン長い感も。
16着パラレルヴィジョンは14番枠もあって終始外々を回らされる形。通過順13-13-3-5と向正面でポジションを上げたのも、道中緩みが全くないこのラップでは厳しかった。ブリンカー着用も裏目だったか。
参考レース② 小倉大賞典
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや外有利
展開:ミドル
→小倉開催は最終盤でさすがに外が伸びる馬場。セルバーグが大逃げを打った。1000m通過58.6秒は一見速いようだが、後半1000mも58.6秒だったこと、3番手以下は道中大きく離れていたことを加味すると、馬群にいた馬たちはむしろやや遅めくらい。前目、外を通った馬が恵まれたレースと評価する。
2着ショウナンアデイブは外目の5番手を追走。4角で少し手応えはしぶくなったが、直線で盛り返した。勝ち馬とは斤量2キロと位置取りの差があり、着差よりは少し差を感じる敗戦。
5着エピファニーは今日も折り合い専念。少し行きたがるも許容範囲で済んでいた。いざ直線に向いて追い出すと外の勢力に伸び負けてこの着順。ハンデ58.5キロの分もあっただろうし、折り合い面も含めてもっとペースが流れてほしい。
6着マテンロウオリオンは好スタートを切るも下げてイン後方から。直線はいい脚を使って勝ち馬から0.3秒差。重賞だとどう乗っても一歩足りないが、ブリンカー効果で近況よりは希望の持てる負け方だった。
7着グランドカリナンは押して内目を先行。勝負所で手応え劣勢になって後退したが、直線は再度盛り返していた。過去の戦績からしても、右回りのコーナリングは不得手なのかも。
12着ギャラクシーナイトは後方待機のまま脚を使えず。今日は完敗。
参考レース③ 福島民報杯
トラックバイアス:内有利
展開:ミドル
→この日も福島芝は内有利。ただ、福島コースはインがいい日でも2000mと2600mは比較的外から押し上げられる傾向がある。その点に留意したい。ケイセイセナが後続を少し離した逃げで前後半59.3-60.5。2番手以下はほぼイーブンか。展開による大きな有利不利はなく、内を通った馬がやや恵まれたレースと評価する。
1着シリウスコルトは折り合いに気を遣いながら道中は5番手を追走。手応えよく前との差を詰めていき、4角は外目を回りながらも押し切った。単体としては上々の内容だが、もともと中山≒福島向きなので新潟外回りへの対応に課題は残る。
3着ケイアイセナはマイペースの逃げで後続につつかれずノーストレスの単騎逃げ。4角で若干外に膨れてしまうロスはあったが、それを除けば理想的な展開だった。
4着マイネルケレリウスは道中最後方のインで待機。4角は大外を回ってトラックバイアスに逆行するも、上がり最速で0.2秒差まで猛追してきた。力はある。
9着エリカヴィータは中団追走から伸びを欠いた。OPでは2年以上苦戦が続く。