【ブリーダーズカップ2024】出走予定日本馬の所感

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デルマー競馬場の特徴

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アメリカはカリフォルニア州にある競馬場。ここに限らず、アメリカの競馬場は左回り。ダートが芝コースの外側にある「アメリカンスタイル」で、JRAの各場とは逆の配置になっている。

ダートコースも1周1609m、最後の直線280mとさほど大きくない(※京都ダート1607mとほぼ同じ)が、その内にある芝コースは当然もっと小さい。芝は1周1408m、直線249m。直線はJRA最短の函館競馬場(Aコース使用時262.1m)よりも短い。航空写真を見てもコースが平べったく、コーナーの角度は比較的キツく見える(ゲームの「チャンピオンジョッキー」に収録されているデルマーもコーナーがかなりキツい)。ダートはサイズ的にJRAの競馬場と大差なし、芝は小回りで直線が非常に短い、と考えよう。

2021年のデルマー開催時を参考にすると、ターフ(芝2400m)は勝ち時計2:25.9、マイル(芝1600m)が1:34.0。クラシック(ダ2000m)が1:59.5、ダートマイル(ダ1600m)が1:34.1。したがって芝は日本と同じ~やや時計がかかる程度の馬場で、ダートは日本の良馬場より明確に速い。

芝2400mは向正面から発走して1周半。ダート2000mはホームストレッチの端からスタートして1周。芝2200mは向正面発走で、初角までの距離があまりない。マイルの芝1600mはホームストレッチ発走でシンプルな左回り1周の形状となっている。

BCターフ(芝2400m)

△ローシャムパーク
→大阪杯2着の実績はあるが、今年の大阪杯は主力がほぼドバイに流出したことで、決してレースレベルが高くなかった。折り合いに苦労するタイプでもあり、ルメール替わりとはいえ一気の600m延長も課題となる。

◯シャフリヤール
→左回りの2400mでは【2-2-2-1】。ドバイSCではレベルスロマンスに敗れたが、スローペースで4角を迎えた時の差が詰まらず終わったものなので、そこまで決定的な負けではない。札幌記念は距離もコース形態も合わなかった。海外遠征も慣れたもので、十分に勝つチャンスがある。ただ、近走はエンジンのかかりが鈍く、欲を言えば広いコースの方がベターだろう。

BCクラシック(ダ2000m)

◯フォーエバーヤング
→ケンタッキーダービーは陣営曰く1週前に回避も検討するほど状態がよくなかったようで、道中も直線も不利の多い競馬になった。それで小差の3着なら希望は大きい。1番人気想定、初ダートのシティオブトロイが不発に終わるようならアタマまであっていい。ただ、極力揉まれたくない馬なので外枠がよかった。

△デルマソトガケ
→昨年BCクラシックでは2着と大健闘したが、今年に入って対ウシュバテソーロ3連敗中。日本テレビ盃は休み明けでもちろん仕上がり途上だったのだろうが、同斤量のナニハサテオキにも先着を許しての1.8秒差負けはいただけない。叩いた上積みでどこまで。

▲ウシュバテソーロ
→国内では敵なし、昨年ドバイWC勝ち、今年もサウジCとドバイWCで連続2着。実績は申し分ない。前走・日本テレビ盃は内有利馬場で楽に逃げたウィリアムバローズを捕まえ損ねたが、G前の脚色は明確に上回っていた。展開のアヤと片付けていい。ただし脚質が脚質だけに、直線が280mしかないデルマーのコース形態は歓迎と言えない。キングアヴドゥルアジィズやメイダンのような広いコースがベターではある。

BCマイル(芝1600m)

△ジオグリフ
→昨年はダートを中心に使われたが、結局今年は芝に戻して復調気配。しかし中山記念は内有利馬場の内を完璧に立ち回って3着、札幌記念もやや内有利の馬場を利して2着まで。内容的にはさほど強調できない。陣営(というか木村師?)はマイル適性を感じているようだが、実績は朝日杯FS5着、安田記念6着だけで、こなしはするが得意という感じもない。

…テンハッピーローズ
→14番人気の低評価を覆してヴィクトリアマイルを制覇した。ただ、あのレースに関しては1番人気のマスクトディーヴァが直線で詰まり、2番人気ナミュールはドバイ帰り&出遅れもあって不発。その他各馬の次走以降を見ても、GⅠにしては少し寂しいレースレベルだった。苦戦を強いられそう。

馬券発売対象外のレース

◆BCジュベナイルターフスプリント(2歳・芝1000m)

エコロジーク
→カンナSは2歳レコード勝ち……といっても同日古馬1勝クラスと同タイム。高速馬場の恩恵が大きかった。

◆BCジュベナイルフィリーズ(2歳牝馬・ダ1700m)

オトメナシャチョウ
→中京ダ1200mを逃げ切って2歳レコード勝ち。ただ、破った相手はその後特筆する結果がない。スパイツタウン産駒の先行型で一気の距離延長にも疑問符。

アメリカンビキニ
→デビュー2戦目の小倉ダ1000mではそのオトメナシャチョウを1.1秒差で完封した。ヤマボウシ賞の勝ち時計1:23.6は良馬場の中京ダ1400mとしては非常に優秀で、本年では古馬含めて3位タイにあたる。9頭立てで外から2番目の枠を引き、「アメリカンファラオの外枠」という好条件にも合致する。楽しみ。

◆BCジュベナイル(2歳・ダ1700m)

シンビリーブ
新馬戦後にも書いたが、勝ち時計1:54.8は2歳8月の新潟ダ1800m新馬(良馬場)としては歴代2位。良~稍重で1分55秒を切った馬はコンシリエーレ、エピカリス、ルヴァンスレーヴ、ライジンマル、ゴールドレガシー、ミトノオーといった面々で、おおむねOP~重賞級には出世している。相手関係や遠征への対応は分からないが、能力自体は高く買っている馬。どれだけやれるか楽しみ。

エコロアゼル
→ヤマボウシ賞は出遅れて後方から。直線もジリジリ伸びてはいるが、上位陣に迫るまでには至らず。新馬戦で負かした13頭から勝ち上がりも出ておらず、強調点に欠ける。

◆BCジュベナイルターフ(2歳・芝1600m)

サトノカルナバル
→東京芝1400mの新馬戦は7馬身差で圧勝したが、勝ち時計1:23.6は特にいい数字とは言い難い。返す刀で函館2歳Sも勝ち、一定の実力があることは示したが、さらに上のステージとなると?

◆BCディスタフ(3歳上牝馬・ダ1800m)

オーサムリザルト
→デビューから無傷の7連勝。エンプレス杯ではグランブリッジ、アイコンテーラーらを破っており、今の日本の牝馬ダート路線ではエースといって差し支えない。ジャスティファイ産駒でこれまで揉まれないレースを続けてきたことから砂を被る形に不安を残すが、10頭立ての9番枠を引けて心配がひとつ減った。ソーピードアンナという馬が強そうだが、チャンスはある。

アリスヴェリテ
→初ダート。全兄に北海道2歳優駿を勝ったキメラヴェリテ、半兄にダートのOPで活躍したリアンヴェリテがいて、血統的にダートをこなせそうな下地はある。とはいえ、いきなり米国のGⅠとなるとさすがに荷が重い。

◆BCスプリント(3歳上・ダ1200m)

ドンフランキー
→ドバイGSは勝ったタズから離れてしまったが2着は確保。今回再戦となるナカトミには先着した。クラスターCはフェブラリーS時より+15キロとなる607キロでの出走だったが貫録の逃げ切り。当然ここへ向けて状態を上げてくるだろう。逃げ先行型だがハイペースにも強い。一発ある。

メタマックス
→実績的には前走でようやくOP初勝利。ドンフランキー、リメイクの2頭と比べると劣勢は否めない。

リメイク
→昨年クラスターCを上がり33.5秒の鬼脚で圧勝した反面、JBCスプリントでは2着。日本の「砂」よりは軽い馬場の方が合うタイプで、アメリカへの適性はありそう。能力的にはドンフランキーと双璧で、展開がより向くのかこちらか。

◆BCダートマイル(3歳上・ダ1600m)

テーオーサンドニ
→JRAでは2勝クラスで大敗続きの馬。テーオーパスワードの帯同馬として米GⅡアリシーバステークスに出走して2着に逃げ粘ったが、勝ち馬からは4馬身離されていたし、その勝ったファーストミッションもその後GⅠでは4着、7着とワンパンチ足りない。苦戦する可能性が高い。

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