クイーンステークス2025の概要
開催日
2025年8月3日(日)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
札幌芝1800m
概要と歴史
札幌で行われる古馬の牝馬重賞。歴史は古く1953年に創設され、当初は主に東京や中山の芝2000m戦として施行されていた。
2000年から札幌芝1800mに移し、それ以降は2013年、2021年の函館代替を除いてこの条件で行われている。近年は秋華賞を目指す3歳馬が間隔をとれるここをステップに利用する例も増え、直近10年ではアエロリット、ドゥーラ、コガネノソラと3歳勢が3勝を挙げている。
クイーンステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬21頭
アマイ
アリスヴェリテ
アルジーヌ
エープラス
エラトー
クリスマスパレード
グランスラムアスク
ココナッツブラウン
コンクシェル
シングザットソング
テリオスララ
ドナベティ
ハニーコム
パレハ
ビヨンドザヴァレー
フィールシンパシー
フェアエールング
マサノカナリア
ラーンザロープス
ライラック
レーゼドラマ
クイーンステークスの基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV。「枠順と脚質の傾向」は函館代替を除く9回
人気と配当の傾向

1番人気馬の【3-3-1-3】は悪くない成績だが、5番人気以下が計4勝、2着4回、3着5回というように中~下位人気馬もしばしば馬券に絡んでくる。10年のうち9戦で7番人気以下の馬が3着内に入っており、3連系的中には伏兵を拾う必要がある。
平均馬連配当は3892円。最高馬連配当は1万3870円(20年レッドアネモス→ビーチサンバ)、最低馬連配当は630円(21年テルツェット→マジックキャッスル)。
枠順と脚質の傾向

枠順と脚質は札幌開催時の9回分でチェック。表を見ると一目瞭然で、1-2枠の成績が異常なまでにいい。回収率もズバ抜けており、もはや問答無用で内枠から買いたいレベルだ。一方で、正反対の7-8枠が悪いかと言えば、こちらも合計4勝は挙げている。

脚質で見ると、直線の短い札幌コースながら4角6番手以下馬の活躍が目立つ。内枠から道中インベタで回って差してくる馬に警戒しよう。
前走について
前走条件戦組は【0-1-3-23】。サトノセシルが21年には2勝クラス勝ち直後で3着、22年には3勝クラス4着から臨んで2着と、格上挑戦で二度馬券に絡むという珍しい結果を残した。無視はできないが、一方で好走率や回収率が取り立てて高いかといえばそうでもない。
OP・リステッド組は【0-0-2-11】。好走2例ダンツキャンサーとコスタボニータはどちらも1枠1番で、個々の臨戦過程どうこうより枠順が重要なマターに見える。
重賞組はレースごとに。まず好成績だったマーメイドS【2-2-2-14】単回381%、複回118%が今年から形を変えた(府中牝馬S)ため、このデータが使えない。
出走数最多のヴィクトリアマイル組は【3-4-3-15】複勝率40.0%だが、単回56%、複回69%と妙味は平凡。なお、そこでの着順は不問という感じ。オークス組は【2-0-0-7】で12着以内だった2頭がどちらも勝利。NHKマイルC組も【1-1-0-1】と結果を出している。
あと近年は傾向が崩れているが、同年の「中山牝馬Sか福島牝馬Sで3着以内だった馬」は【2-3-1-11】単回310%、複回121%で、2015~2018年には【2-3-1-1】だった。同じ右回り1周の芝1800m、牝馬重賞ということで、好走馬を共有するのは自然な結果だろう。該当馬がいればマークしてみよう。
クイーンステークス2025の参考レース
参考レース① ヴィクトリアマイル
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや外有利(ただしイン空け)
展開:ハイ、2番手以下は実質ミドル
→東京芝は朝から直線イン数頭分を避ける競馬。最内はダメっぽいが、そこは誰も使わないので結果としてバイアスはさほど感じなかった。
ペースはアリスヴェリテの大逃げで前半3F33.9秒。ただし離れた2番手集団では前後半推定46.1-46.0のイーブンくらい(※画角の問題で測りにくいので参考まで)。勝ち時計1:32.1もVMとしては極端に速くも遅くもない。結果的に追い込みが台頭しているが、ある程度能力通りの決着だったと評価する。
4着アルジーヌ【高速決着にも対応】
道中は先団の内目を追走。直線は外に持ち出してスムーズに追い出せたが、クイーンズウォークと接触する不利はあった。ただ、着順への影響はなかったと思う。元々消耗戦に強い馬だが、こういう高速決着にも対応できるようになり、近況の充実が著しい。
5着アリスヴェリテ【大逃げで見せ場】
大外枠から後続を離しての逃げ。前半4F45.4秒で入った後、さらに11.4-11.3と踏んでセーフティリードを取りに行った。作戦成功で、ギリギリまで見せ場を作って勝ち馬から0.1秒差に残った。好騎乗。番手でも競馬はできるが、やはりハナに行った時の方がパフォーマンスは高いように感じる。
9着クリスマスパレード【適性外の条件で】
逃げ候補の1頭と目されていたがゲートを失敗。インで溜めてインを突いて差す競馬になった。適性外の条件、不慣れな戦法、トラックバイアスに逆行したことを思えば0.3秒差でも大健闘。また中山の中距離に出てきたら見直したい。
10着シングザットソング【流れ込む】
中団の外目を追走。直線も目立った脚はなく、かといって完全に止まったわけでもない。ジリジリと走り続けて流れ込むだけだった。力負け。
14着マサノカナリア【失速】
こちらも中団外目でレースを運んだが、道中はやや引っかかり気味。直線は伸びがなく、最後は失速した。現状、GⅠでは荷が重かった。
15着ビヨンドザヴァレー【相手強く】
テンから促して3番手につけたが、直線は力尽きて後退。ここでは相手が悪かった。
参考レース② オークス
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→懸念した雨の影響は限定的で、直前のフリーウェイSでは外2→イン3→逃げの決着が見られるほど。内外のバイアスはなかった。エリカエクスプレスがガッチリ抑えて逃げたが、それでも1000m通過は60.0秒。過度のハイペースではないが、距離不安を抱える馬多数&直線が長いオークスらしく、差し有利の決着だったと評価する。
16着レーゼドラマ【展開不利】
イン3での先行策。直線はガラ空きになった内目を通して抜け出しを図るも、逃げたエリカエクスプレスより先に失速した。ゴール前で不利も受けているが、その前に勝負からは脱落していた。先行したぶんの展開不利があったし、過去の戦績から上がりのかかる条件が得意で東京はイマイチか。
参考レース③ 福島牝馬S
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内有利
展開:ミドル
→福島芝はまだまだ内が有利。戦前は逃げ候補が多数いたが、いざフタを開けてみるとアリスヴェリテに行く気がなく、アスコルティアーモの逃げになった。前後半は59.2-59.0のほぼミドル。内を通った馬が恵まれたレースと評価する。
2着フェアエールング【完敗】
先行して内ラチ沿いを取りにいったが、そこには入らせてもらえず。しかし4角では内を捌けておおむねトラックバイアスは向いた。先行したアドマイヤマツリとは上がりも同値止まりで、2馬身の着差通り完敗。
3着フィールシンパシー【最高に上手く乗った】
2枠4番の好枠を生かしてアドマイヤマツリの背後、内ラチ沿いを確保。そのまま勝ち馬の後ろをピッタリ回ってきた。最高に上手く乗った結果でここまで。
4着アリスヴェリテ【逃げベターか】
今日は逃げる気なし。好位の一角で進め、4角は内ラチ沿いを抜けてくるアドマイヤと対照的に3~4頭分余計に外を回された。結果0.5秒差(2着と0.1秒差)なので悪くはないが、やはり逃げがベターの馬だとは思う。
6着アマイ【馬場味方し】
果敢に先行してインの3番手を確保。4角で先頭に並びかけて見せ場は作ったが、もう一列後ろで待っていたアドマイヤマツリにあっさり差された。トラックバイアスを味方につけての粘走。
8着ライラック【衰えありそう】
スタートはやや躓き気味。後方に控えて4角は外を回し、直線はジワジワと脚を伸ばした。上がり最速といっても勝ち馬よりは0.2秒速いだけで、そこまで抜きん出た末脚があったわけではない。6歳牝馬とあってさすがに能力減衰もあるか。
11着グランスラムアスク【後方流れ込む】
ゲート自体は五分だったが、両隣から寄られて後方に下がる。そのまま最後方のインでじっくり運び、最後まで目立つ脚はなく流れ込むだけだった。完敗。