Categories: 中央競馬予想

【チューリップ賞】阪神JFの上位不在でもタレント揃い! 有力馬の調査レポート

チューリップ賞

タガノエルピーダ

能力評価:★★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:阪神JFを除外になって朝日杯FS挑戦。3着で賞金加算ができず、始動戦といえど権利取りが至上命題の一戦

《寸評》
新馬戦は後半1000m57.9秒、ラスト11.0-11.0、走破時計1.34.3どれをとっても超優秀。京都芝1600m内回りの2歳戦としてはミッキーアイルやラヴズオンリーユーが比較対象になるような勝ち方であった。

この一戦で高い瞬発力を証明したのち、迎えた2戦目・朝日杯FSは12.5-10.9-10.7-12.0-12.3-11.9-11.2-12.3というハイペースの消耗戦。先行馬がことごとく潰れる展開を3番手から粘り通して3着に入った。もっとも強い競馬をしたと言っていい。

時計がさらに1秒以上速かった阪神JF上位勢との比較だとまだ不透明な部分も残すが、今回の相手関係なら断然の首位だろう。

ガルサブランカ

能力評価:★★★

得意条件:不明。スローならキレるのは判明済み

臨戦過程:ベゴニア賞2着以来、3か月の休み明けでここへ。こちらも権利取りが必須の立場

《寸評》
新潟での新馬戦は1000m通過63.1秒からラスト11.2-10.8-11.2という極限の上がり勝負を、3番手から上がり32.8秒の末脚で勝利。ベゴニア賞も1000m通過63.5秒のドスローから似たような上がり勝負となり、今度は上がり33.2秒の末脚を使うも差し切れなかった。どちらも600m走みたいなもので、強いも弱いも判断できない。キレるのは分かったが……。

一般論としてキズナ産駒は消耗戦を苦にしないタイプが多いものの、それはそれとして経験不足なのは事実。平均程度のペースになれば位置取りは悪くなるだろう。「イクイノックスの妹」という人気の仕方もするのであれば、嫌った方が面白いか。

スティールブルー

能力評価:★★★★

得意条件:広いコースのキレ味比べ

臨戦過程:アルテミスS3着、フェアリーS4着と賞金を積めずに中7週でここへ。初の関西遠征

《寸評》
新馬戦はスローペースの8番手から進め、ステッキに鋭く反応して味のある差し切り。アルテミスSは上位2頭に少し力の差を見せられた形の3着だった。

前走のフェアリーSは4F目から11.9-12.3-12.2-11.5-11.4のラップ構成。道中弛みすぎて仕掛けを待たされた組は見た目以上に損をしていた。スティールブルー自身はラスト1F加速ラップの部分に急追しており、4着でも能力の高さは十分すぎるほど示した。

「輸送をクリアできれば」という前提条件はつくものの、中山→阪神外回り替わりはどう考えても嬉しいタイプ。高い評価を与えたい1頭。

スウィープフィート

能力評価:★★★★

苦手条件:ゲート悪く、多頭数に不安あり

臨戦過程:10月の未勝利勝ちから白菊賞、そこから中1週で阪神JFへ。今年は2月エルフィンSから始動しての中3週。やや過密なローテ。今回はよくても本番への余力は疑問符

《寸評》
一貫して永島騎手を乗せてきたが、減量特典の効かない3戦では結果が出せず、今回は武豊騎手に乗り替わりとなった。

白菊賞は超スローペースに上がり33.1秒で追い込んで差し損ね、阪神JFは大出遅れから内有利馬場の大外を上がって行くロス特大の競馬で7着、エルフィンSは伸びない内を走らせてまんまと外から差された。厳しいようだが全部よろしくない騎乗。馬の能力自体はもっと上にある。

懸念はゲートがあまり上手くないことで、多頭数だと後方から外を追い込む粗い競馬になりやすい。もっとも、このあたりも騎手が替わって改善される可能性はある。

ミラビリスマジック

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:やる気なし(?)仕上げだった新馬戦を勝ち、調教の強度を上げながら3戦目。前走からは中6週

《寸評》
いわゆる「国枝新馬」という感じのゆっるい追切で迎えたデビュー戦を辛勝。菜の花賞時の最終追い切り時計が初戦より4Fで3秒速くなっていてさすがに笑ってしまった。勝ち時計1.33.4は同条件で前週のフェアリーSより0.6秒も速く、ペースの違いを考慮しても重賞と遜色ないレベルだったと見る。レースぶりが器用で、多頭数の重賞なら相対的に有利。人気を被らないなら本命でも面白い。

ワイドラトゥール

能力評価:★★

苦手条件:速い馬場に替わるのはどうか?

臨戦過程:紅梅Sで2勝目を挙げて中6週

《寸評》
新馬戦は小雨の新潟で1.35.5、レース上がり35.0秒の流れを差し切り勝ち。ファンタジーSは位置取りが後ろすぎて勝負に加われず、紅梅Sは少頭数の大外という条件を利してきっちり勝ち切った。ただ、メンバーレベルはさほど高くなかった。

この時の勝ち時計は1.23.4で、スローペースを加味しても遅い。それだけ時計がかかる馬場だったという話になる。父カリフォルニアクローム、半兄ワイドファラオの血統背景からはダート風味を感じるところ。タフ馬場の京都がマッチしたことは想像に難くない。阪神の高速決着に替わるのはマイナスと判断する。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。