【NHKマイルカップ2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

NHKマイルカップ2025の概要

開催日

2025年5月11日(日)

グレード

GⅠ・3歳牡牝

コース

東京芝1600m

概要と歴史

1995年まで行われていた「NHK杯」を前身とし、1996年に創設された3歳のマイル王決定戦。当時はクラシックに外国産馬が出走できなかったため、必然的にここが彼らの大目標となり、俗に「マル外ダービー」と呼ばれることもあった。また、かつてはここから日本ダービーに転戦する通称「マツクニローテ」でキングカメハメハやディープスカイがダービーを制したが、近年はめっきりこのローテを採用する馬が減少した。

世代によるレベルのバラつきが大きく、ミッキーアイル、アエロリットやアドマイヤマーズ、シュネルマイスターなど後のGⅠ戦線を賑わすマイラーが勝った年もあれば、たとえば一昨年の出走馬からは古馬重賞の勝ち馬が1頭も出ていない。

NHKマイルカップ2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬22頭

アドマイヤズーム
アルテヴェローチェ
イミグラントソング
コートアリシアン
サトノカルナバル
ショウナンザナドゥ
スリールミニョン
チェルビアット
ティラトーレ
トータルクラリティ
ネーヴェフレスカ
パンジャタワー
マイネルチケット
マジックサンズ
マテンロウサン
マピュース
ミーントゥビー
ミニトランザット
モンドデラモーレ
ヤンキーバローズ
ランスオブカオス
ヴーレヴー

NHKマイルカップの基本データ(過去10年)

人気と配当の傾向

1番人気は【1-2-1-6】と信頼度低め。そもそも混戦ムードの年も多く、1番人気の単勝5倍台だった年も2回ある。6番人気と9番人気がそれぞれ3度ずつ馬券に絡み、10番人気以下も【0-2-3-84】複回収率90%。22年は最低人気のカワキタレブリーが3着に激走した。GⅠにしては波乱が多い部類といっていい。

平均馬連配当は6510円。最高馬連配当は1万7290円(17年アエロリット→リエノテソーロ)、最低馬連配当は360円(24年ジャンタルマンタル→アスコリピチェーノ)。

枠順と脚質の傾向

枠順傾向は明確に外枠有利。半分に割ると一目瞭然、1-4枠が単回収率10%、複回収率33%しかなく、5-8枠は複回収率131%に上る。好走率も後者の方がハッキリと高くなっている。

脚質的にも「4角6番手以下」が複回収率でダブルスコア。「前走上がり最速だった馬」も【0-3-3-21】複勝率22.2%、複回収率126%と黒字圏内だ。外からズバっと差せる馬を狙おう。

前走について

前走条件戦組は【0-0-0-4】。OP・リステッド組は【0-1-0-11】で、唯一好走したリエノテソーロは2歳時に芝で2勝+エーデルワイス賞、全日本2歳優駿勝ちの実績馬だった。

重賞組はレースごとにチェック。まず皐月賞組は【3-1-0-9】複勝率30.8%で、9着以内馬が【3-1-0-0】、同10着以下【0-0-0-9】と分かりやすい。桜花賞組も似たようなもので5着以内馬【2-2-0-2】、6着以下【0-1-0-11】となっている。レベルの高いクラシックで中上位に入れた馬がやはり強い。

ニュージーランドT組は【2-2-2-38】。何故か1着馬は【0-0-0-9】と全く走らず、かといって6着以下も【0-0-0-14】とよくない。2-5着馬【2-2-2-15】複勝率28.6%、単回166%、複回118%を検討対象としたい。

アーリントンC(※今年からチャーチルダウンズC)組は基本的に3着以内馬【1-0-4-17】が中心だが、例のカワキタレブリーが前走11着から巻き返したため回収率的には大敗馬の方が圧倒的に高くなっている。

ファルコンS組も勝ち馬が【0-0-0-9】と振るわない。2-5着馬【1-0-2-6】。昨年はファルコンSでどん詰まり5着だったロジリオンが本番で穴を開けた。

ほか弥生賞【1-0-0-2】、毎日杯【0-2-0-6】、フラワーC【0-1-0-2】、スプリングS【0-0-1-8】から好走馬が出ている。

NHKマイルカップ2025の参考レース

参考レース① 朝日杯FS

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内から2~3頭目有利
展開:スローペース
→馬場は事前の想定と近く、この日も内から2~3車線目を回ってきた馬が活躍。直線イン突きはダメだが、外すぎてもイマイチだった。道中緩んでスローペースからの2ハロン戦。前に行った馬が恵まれたと評価する。

1着アドマイヤズームは内枠からスタートを決めて2番手。逃げるダイシンラーから少し間合いをとってペースを上げないように運び、直線に向いてから満を持して追い出した。ラスト10.9-11.0で上がり最速、ミュージアムマイルらをむしろ突き放して圧勝。終わってみれば力が違った。

3着ランスオブカオスは中団馬群、内から2頭目という理想的な進路取りで運ぶ。直線は馬場の真ん中あたりを選択して伸び、3着まで浮上した。スローペースに差してきた点では好内容といえるが、上がりも1-2着馬の方が速い。上2頭とは実力差がある。

5着アルテヴェローチェは後方待機から直線は真ん中を突き、伸びてはいるがここまで。展開が向かなかった。ただし上がりでも1-3着馬には見劣っており、今回は上位3頭とそれ以外で能力差をハッキリ感じる決着ではあった。

12着パンジャタワーは中団馬群の一角で運び、4角まで手応えもありそうだったが、いざ追い出すと脚をあまり使えなかった。血統的にやはり距離が長いように映る。

13着トータルクラリティは道中やや行きたがる面を見せながらも、なんとか我慢して外3番手で直線へ。展開も進路取りも問題なかったと思うが、直線は全く伸びを見せず沈んだ。敗因が分からない。強いて言えば、休み明け+12キロで重めが影響した可能性はあるか。

参考レース② チャーチルダウンズC

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:やや内有利
展開:ミドル
→阪神芝は前週もイン優勢だったが、そこからさらにBコース替わり。この日も高速で内がやや有利だった。前後半46.1-46.1のイーブンで前後の有利不利はなし。

1着ランスオブカオスは好スタートを切って先行。内から2頭目のラインを走って直線へ向き、馬群の狭いところを割って抜け出した。2着以下に0.3秒差を付けて勝利。1:32.2の時計も速かった。

2着アルテヴェローチェはまたも出遅れ。4角は大外を進出して、やや外に膨れ気味だった。トラックバイアスに反する競馬でこの着順。後続馬には内容面でも大きくまさっている。

3着ミニトランザットはゲートをばっちり決めたが、あえて控えてインの後方へ。直線だけ外に持ち出して伸びてきた。上手く乗った結果の着順で、アルテヴェローチェとは着差こそわずかだが内容の差を感じる。

4着スリールミニョンはランスオブカオスの背後をマークするように追走。直線は外に持ち出せたが、伸びそうで伸びなかった。これまで33秒台の上がりを使ったことがなく、血統面からしても極限の瞬発力を問われる競馬は合わないのかもしれない。

参考レース③ ニュージーランドT

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:やや外有利
展開:ミドル
→ベイビーキッスが大逃げを打って前後半45.7-46.7。ただし離れた2番手以下は推定46.4-46.0くらいでほぼ平均程度か。前後の有利不利は小さく、外を通った馬がやや有利な競馬と評価する。

1着イミグラントソングは縦長馬群の後方外を追走。4角で前を射程圏に捉え、直線は先に抜け出したアドマイヤズームを目標によく伸びた。上がり33.1秒の数字も優秀。本番でも楽しみがある。

2着アドマイヤズームは休み明けで+8キロ。好位外から運んで直線半ばで先頭に立ったが、さらに外から勝ち馬の強襲に遭った。負けたといっても着差はわずかだし、GⅠに向けた始動戦としては及第点。

3着コートアリシアンは内枠で、イン中団追走から4角も最内を回ってきた。伸びにくい進路をとって上位2頭とは0.2秒差。内容的にはヒケをとらない。

5着ミーントゥビーは中団のインを追走していたが、4角~直線にかけて外へ持ち出すことに成功した。善戦はしたが上位4頭からは少し離されている。

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