フェブラリーステークス2025の概要
開催日
2025年2月23日(日)
グレード
GⅠ・4歳以上
コース
東京ダ1600m
概要と歴史
文字通り2月に開催されるJRA上半期のダート王決定戦。芝発走のワンターン、中央競馬では東京にしかないダート1600mという特殊な距離を舞台とする。
1997年のGⅠ昇格以降、ゴールドアリュール、カネヒキリ、エスポワールシチー、コパノリッキーら錚々たる面々が優勝馬に名を連ねている。ただ、同時期にサウジカップという超高額賞金レースが創設されたことにより、近年は一線級の馬がそちらへ遠征するケースが増えた。ややメンバーが空洞化しつつある。
フェブラリーステークス2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬23頭
アーテルアストレア
アンモシエラ
ウィリアムバローズ
エンペラーワケア
ガイアフォース
キャリックアリード
コスタノヴァ
サンデーファンデー
サントノーレ
サンライズジパング
サンライズフレイム
サンライズホーク
セラフィックコール
タガノビューティー
デルマソトガケ
ドゥラエレーデ
ヘリオス
ペイシャエス
ペプチドナイル
ミッキーファイト
ミトノオー
メイショウハリオ
ヤマニンウルス
フェブラリーステークスの基本データ(過去10年)
人気と配当の傾向
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昨年は11番人気ペプチドナイルが優勝して3連単153万馬券が飛び出す波乱となったが、過去10年で見れば1-2番人気で合計8勝と比較的堅い。ただ、前述の通りサウジC遠征の増加に伴ってメンバーの質が変わりつつあるのも事実。「断然の主役級不在で荒れる」という事態は以前より起こりやすくなっている。
馬連平均配当は7960円。最高配当は3万6230円(20年モズアスコット→ケイティブレイブ)、最低配当は430円(19年インティ→ゴールドドリーム)。
枠順と脚質の傾向
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東京ダ1600mは「芝発走のため外枠が有利」と言われるが、フェブラリーSに関しては「外枠有利」というより「内枠不利」の方が表現として適当か。1枠【0-0-0-19】に馬券絡みがなく、2-3枠は【4-1-4-30】と悪くないが複回収率56%と平凡。中~外目を狙いたい。
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脚質では4角5番手以内の馬が7勝を挙げているが、複勝率ベースで見ると同6番手以下と大差なし。先行するメリットはさほど感じない。直線が長くて広い東京だけあって、位置取りよりも能力がダイレクトに問われるレースといえそうだ。
前走について
前走がリステッド以下だった馬は【0-0-0-8】と馬券絡みなし。
根岸S組は【4-2-3-43】で全体の数字はイマイチだが、根岸S2着以内【4-2-3-4】複勝率69.2%、単回160%、複回163%、同3着以下【0-0-0-38】。連対馬だけは買える。
東海S(=今年のプロキオンSにあたる)組は1着馬【2-0-1-3】、2着以下【1-1-0-12】。こちらも「好走馬だけ買えばいい」と昨年まで書いていたが、ペプチドナイル(東海S6着→フェブラリーS1着)の激走でそうも言えなくなった。
チャンピオンズCから直行する馬は【3-3-2-9】複勝率47.1%、複回収率114%とベタ買いでもOK。ここは6着以下でも【3-1-2-7】複勝率46.2%、複回収率130%とほぼ数字が落ちない。カフェファラオのようなワンターン巧者が中京で馬柱を汚してきたケースが狙い目。
フェブラリーステークス2025の参考レース
参考レース① 根岸S
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
この日の東京ダートは内外の問題ではなく、とにかく差し追い込みがポンポン届く末脚重視の特殊馬場。しかもドンフランキーの逃げで前後半33.9-36.9の超ハイペースとなった。当然追い込み馬が有利な競馬だったと評価する。
1着コスタノヴァは五分のスタートから抑えてインに潜っていき、最短距離で脚を温存しながら直線へ向く。インアウトでスムーズに進路を確保し、いざ追い出してからはワンサイドゲームで4馬身差の圧勝だった。順調さを欠いた臨戦過程で100%の状態ではなかったと推測されるが、その中でこの勝ち方は痺れる。本番でも能力は足りるだろう。あとはこれまで間隔を空けて使ってきた馬なので中2週が焦点。
4着サンライズフレイムは積極的に促しての先行策。この日の馬場を考えるとかなりの疑問手。ドンフランキーを刺激し、サトノルフィアンにも競られる形で折り合いを欠き、前半33秒台のペースを作り出しながら2番手ビタ付け。残り350mあたりで一度先頭に立つシーンもあったが、この展開ではさすがにもたない。並の馬であれば大敗してもおかしくないほど展開と馬場に逆行した。4着ならむしろ能力の高さを示した。
タガノビューティーはスタート直後に落馬して競走中止。
参考レース② 武蔵野S
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアスはフラットかやや外伸びくらい。ドルチェモアが行ってとにかくペースが速く、前後半33.8-37.1。シンプルな外差し有利の競馬だったと評価する。
1着エンペラーワケアは(ダートでは)初のマイル戦。ハイペースを先行してスタミナを問われる競馬になり、飛んでもおかしくない条件で勝ち切った。このメンバーではまるで力が違ったという芸当。ただ、2着以下の馬がその後のレースで振るっておらず、レースレベル自体が微妙だった可能性は残る。ちなみに根岸S勝ち馬コスタノヴァには欅Sで一度負けている。
4着ペイシャエスは離れた4番手追走から直線入り口で一時先頭の場面を作った。展開不利の中でよく頑張ってはいるが、勝ち馬とは少し差を感じる。
5着サンライズホークは8枠14番から好位の外目を気分よく走行。直線はペイシャエスに襲い掛かったが、差し切るどころか先に脚が鈍った。理想は1400mで、マイルのハイペースだとスタミナに不安あり。
参考レース③ チャンピオンズC
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
いわゆる中京らしい中京。内がベターだった。徹底逃げと思われたミトノオーが2番手妥協したのもあって1000m通過60.8秒。このレースとしては特段速くも遅くもない(ちなみに去年が60.9)。内目を立ち回った馬が恵まれたレースと評価する。
3着ドゥラエレーデはスタートから全く先行する気なし。内ラチ沿い、後方3番手という今までと全く違うスタイルをとった。揉まれ弱いイメージがあったのだが今回は大丈夫で、直線も内ラチ沿いを通って3着まで伸びてきた。ムーアの発想に驚き。控える形をクリアしたのは大きな収穫。とはいえ今回は枠と立ち回りが有利だった側。レース単体の内容としてはさほど強調できない。
5着ペプチドナイルは外3を回りながら、直線半ばまで見せ場は作った。最後の失速を見るに今はもうマイルの方がいいかもしれない。見直す。
6着サンライズジパングは終始外々を回されたのが痛かった。力は見せた。ただ、現状は砂を被る競馬ができておらず、マイルという感じもない。適条件は「外をぶん回しても許される左回り1800~2000m」。今回はなんとしても外枠が欲しい。
7着アーテルアストレアは後方待機から4角で大外を回す距離ロスあり。それで牡馬相手に0.5秒差なら大健闘。展開次第では出番も。
8着ペイシャエスは中団馬群の一角から。ペプチドナイルの後ろから追いすがるもジリジリと流れ込んだだけ。しぶといが決定打がない。
10着ミトノオーは2番手から進めて直線バテ。近くにいたレモンポップやペプチドナイルとの比較では完敗と言わざるを得ない。
12着セラフィックコールは外々を回ってバイアスに逆行した。もともと不器用な外マクり一手の馬で、中京コースは致命的に合わない。東京はいいが、しかしマイルは忙しいだろう。
15着ガイアフォースは8枠16番から際限なく外を回されて競馬にならなかった。昨年2着の東京ワンターンで一気に浮上する可能性はある。