単複なら「中穴狙い」が一番勝ちやすい?

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「穴馬バイアス」と「ボラティリティ」

今回は久々に自分の馬券戦略についてあーだこーだ書く。カテゴリを「ブログ」にするか「馬券研究・競馬知識」にするか迷った。そのくらいの温度感の話とご理解いただけると幸いです。

さて。ハヤテノフクノスケ4着事件で心を折られ、「ワイド1点買い」から単複派に転身して1ヶ月半ほど経った。券種が変わっても予想のプロセス自体は一緒なのだが、厳密にいうと少しだけ変化した点がある。

「ワイド1点買い」の時は基本的に「人気サイドで最も信頼できる馬」を◯(ワイドの相手)に据え、「それ以外で最も妙味を感じる馬」に◎を打っていた。いわば穴馬と人気サイドから1頭ずつ選んでワイドを買うというイメージで、その結果として本命馬は3~10番人気くらいのケースが多かった。

そこから単複に切り替えたことで「人気サイドは◯」という制約がなくなった。今は特にオッズ帯を気にせず「一番買いたいと思った馬」に本命を打つ。「◎は穴っぽいところから」という意識がなくなり、副産物として1~2番人気あたりを買うことが増えた。

今回思ったのは「これがあんまりよくないんじゃないか」という話。

何度か書いているように、ギャンブルには「穴馬バイアス」と呼ばれる現象が存在する。過度の人気薄は「オッズが高い」という理由だけで実際の勝算よりも過剰に買われてしまうという事象だ。これはJRAのデータを見てもそうで、単オッズ50倍以上のグループは急激に回収率が低くなる。「常に大穴で一攫千金を狙うぜ!」という思考はオススメできない。

大穴は回収率が低い。では「人気馬を買った方が勝ちやすい」のか? ここで問題が生じる。

たとえばオッズ2倍の馬券を100レース買い続ける場合、平均的な実力の人なら(払戻率から逆算して)40回ほど的中する見込みになる。この平均値より10回多く的中してようやくトントンだ。的中率60%まで剛力で持っていってようやく回収率120%。大きく勝つのは至難の業である。

これが20倍なら、平均的な実力の人より100レースで2つ多く当てるだけで120%になるわけだ。穴狙いの方が回収率の振れ幅、いわば「ボラティリティ」が大きい。

人気馬の単複を買うと安定して80~90%くらいは出るものの、100%の壁をなかなか突破しない。おそらく他の券種(的中時の配当が大きい)ならさほど問題にならないのだろうが、単複だとこれが無視できないっぽい。そんなことを念頭に自分の予想成績を眺めてみた。

実測値から

今年6月アタマから9月終了までの4ヶ月間、このブログに書いた中央競馬の◎について人気別成績を出した。

6月からにしたのは調子のいい時期だけ切り取った……もとい、今の予想フォームがある程度固まったから(1~4月の成績がオッズ帯関係なくウンチすぎた)。まあ、100%超えてるゾーンと超えてないゾーンに分かれた方が言いたいことに沿うので恣意的に抽出しています。

1~3番人気だった馬は複勝率が6割を超えるが、それでも複回収率は100%に届かず。4~6番人気だと単勝のみ微プラ。結局プラスを作っているのは7~9番人気の部分で、10番人気以下は単勝の的中がないため単複2:3配分だと回収率98%。ギリギリマイナスだった。

おおむね前章で述べた「人気馬だとボラティリティが小さくて100%の壁を突破しにくい」「過度の高オッズ帯は回収率が低くなりやすい」という仮説に沿っている。

もうひとつ。『SPAIA競馬』さんで主にGⅠの週に連載している「データで導く穴馬候補3頭」のコラム推奨馬についても集計した。こちらは枠順決定前、かつ企画の趣旨上、人気馬を選んでいない。

1~3番人気はそもそも3頭しか推奨しておらず(そりゃそう)、馬券絡みなし。4~6番人気はリカンカブール(中山金杯)とノースブリッジ(札幌記念)が勝って単複両方大きめのプラス。7~9番人気は先週のルガル1着で一挙プラ転。10番人気以下は連対なし、3着2回のみで回収率が悪かった。これも先の仮説にピッタリ合う。

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ということで、こと単複に関しては

・1~3番人気だと安定はするが回収率100%を突破しにくい
・10番人気以下は「穴馬バイアス」に飲まれて低期待値

が重なるため「4~9番人気くらいの中穴狙い」が勝ちやすいのではないか。……という説がわたしの中で浮上している。しばらくこのゾーンを意識しながら立ち回ってみたい。

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