エリキングのレース内容・評価【素質馬ファイル】

エリキングの基本情報

馬名:エリキング

生年月日:2022年2月12日

性別:牡

厩舎:栗東・中内田

父:キズナ

母:ヤングスター

生産者:ノーザンF

母がオーストラリアの芝2200mGⅠ勝ちという良血馬で、セレクトセール1歳では2億3100万円(税込)の値がついた。母父サドラーズウェルズ系の重厚な配合で今までのキズナの成功パターンとはややズレるが、デビュー前から調教も動いて評判は抜群だった。

エリキングのレース内容と評価

2歳新馬 1着

6月23日 京都芝1800m 1番人気 1:52.1(サラコスティ) 川田

スタートはやや出負け気味も、少頭数で問題にならず。トラックバイアス有利かつキックバックも受けない中団外で運び、終始スムーズに直線へ向かう。大外を伸びて残り300mあたりで早々に抜け出すと、軽く右ムチを一発入れられた程度で押し切った。

勝ち時計が遅いのは馬場を考えれば仕方ない。ラスト11.8-11.5-11.3ときっちり加速ラップを踏んでおり、能力の片りんは垣間見せた。

ただ、血統的に道悪は合うタイプのはずで、今回は伸びる外を利した上での勝利でもある。いわば得意条件でトラックバイアスにも援護された。良馬場でどこまでやれるかは評価保留で、次走一本被りなら疑ってみるのもアリか。

野路菊S 1着

9月21日 中京芝2000m 1番人気 2:02.8(ジョバンニ) 川田

鞍上曰く「軽い反抗期」とのことでスタートは出遅れ。ただ、少頭数の最内枠なのでかえってそれが功を奏し、外目の動きやすいポジションに持ち出せた。1000m通過64.1秒のスローペースで徐々に位置を上げていき、残り200mでは先頭に。外から食らいついてくるジョバンニを押さえて半馬身押し切った。

勝ち時計は同日の未勝利戦(2:02.3)より遅いものだが、5頭立てに加えてペースも非常にスローだったのでそこは仕方ない。このレースで何かを判断するというより「順調に賞金加算できた」が最大の収穫だろう。なお数字的な話で言うと、中京芝2000mの2歳戦で上がり33.4秒以下を出して勝ったのはワグネリアン、オープンファイアに次ぐ3例目。良馬場でもキレるということは判明した。クラシック有力候補の1頭であるのは間違いない。

京都2歳S 1着

11月23日 京都芝2000m 1番人気 2:00.9(ジョバンニ) 川田

五分のスタートから枠なりに4~5番手を追走。3コーナーを迎えた時点で外の3番手、先頭から1~2馬身差のところで回る。しかし4角で手応えが悪くなり(川田騎手いわく「なかなか動きが出てこなかった」)、促されてジワジワと加速。直線は一度ジョバンニに並ばれながらも、最後は突き放して1.1/4馬身差をつけた。

ラストは11.6-11.5-11.4。新馬戦に続いて加速ラップが計測された。能力の証左とも言えるし、エンジンのかかりの遅さを象徴しているとも言える。少し気は早いが、皐月賞よりはダービーの方が向くように感じる。ともかく賞金を確保できたのはよかった。

(最終更新日:2024年11月25日)

素質馬ファイル一覧

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。