【北九州記念】モロさ同居する上位人気勢 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

北九州記念2024 有力馬の評価

ピューロマジック

能力評価:★★★

得意条件:とにかく速い。逃げ有利条件なら

臨戦過程:葵Sを勝って中4週。調整は順調とのこと

《寸評》
2歳時さざんか賞でテン32.6秒の逃げを打つなど、とにかく速い。ゲートセンスも抜群で、葵Sも17番枠から一瞬でハナを奪い切った。

近3走はいずれも展開や逃げ有利の馬場に恵まれているが、その利を得られるのもスピードがあるからこそ。夏場の小倉開幕週なら雨がよほど降らない限り基本的には高速で内有利のトラックバイアスが出るはず。再度ハナを切れば優位に立てるだろう。

ただし3歳牝馬での53キロは重い。この時期の1400m未満だと3歳⇔古馬で3キロのアローワンスが設けられているので、古馬牡馬換算すると実質58キロ相当。エイシンスポッターやトゥラヴェスーラと同等の斤量になる。ジャスパークローネやテイエムスパーダといった同型との先行争いで脚を使わされる、あるいは敗れるようだと一気に危うくなる。

ジャスパークローネ

能力評価:★★

得意条件:夏場?
苦手条件:ハナを切れないとモロさあり

臨戦過程:アルクオーツスプリントから中12週。宝塚同様、ドバイ帰りの割引は適用すべきか

《寸評》
昨夏に1200mの重賞を逃げ切って連勝。ただし、どちらもイン有利のトラックバイアスがあった。スプリンターズS4着もイン有利馬場であり、前提として戦績がやや下駄を履いている感は否めない。

デビュー以来、ハナを切れなかったレースは3着が一回あるだけでほとんどは大敗に終わっている。典型的な“行けないとモロい逃げ馬”で、テイエムスパーダやピューロマジックがいる今回はそれだけで苦しい状況と言える。宝塚記念で散々コスったように「ドバイ遠征から中3か月ほどで完調へ持っていくのは難しい」という個人的な持論もあり、今回はなかなか手が出しにくい。

ナナオ

能力評価:★★★

得意条件:稍重~重で2着、1着、1着。道悪巧者

臨戦過程:ピューロマジック同様に葵Sからの中4週。特に問題なし

《寸評》
馬券圏内を外したのは距離が長くて相手も強かった阪神JFだけ。葵Sは0.2秒差3着だが、道中の隊列がそのままゴールしたようなレースだったし、2走前にはピューロマジックを破っている。ハンデ1キロ有利なら逆転の可能性は十分にある。

強いて懸念点を挙げると、デビューから洋芝の低速決着で3連続連対ののち、重馬場のもみじS勝ち、マーガレットSで2馬身半差V。母がダート2勝馬という背景もあり、どちらかといえば時計がかかる馬場の方を得意とするタイプ。開幕週の小倉はややイメージとズレる。降水量と時計の出方次第で上げ下げ。

サーマルウインド

能力評価:★★★

得意条件:ハイペース適性高い
苦手条件:上がり問われると?

臨戦過程:春雷Sから中10週。栗東滞在中。特に休み明けを苦にするタイプでもなく

《寸評》
2勝クラス、3勝クラスをそれぞれレース上がり37.7秒、36.9秒という消耗戦で勝ち上がり、次走パラダイスSはスローペースを先行するもあえなく4着。バテ合いやハイペースへの適性が高く、反面切れ味勝負になるとやや見劣るクチか。

初の1200mを使った前走はスタートでやや出遅れたが、鞍上の指示に応えて4番手までリカバリー。馬群の内目を割りながらジワジワと脚を使い、サトノレーヴとアタマ差の2着と善戦した。4角進路に2~3頭分の差があるのでサトノと即ち同格という結論にはならないが、のちの重賞馬とそう差のない競馬をできた点は評価したい。小倉への超長距離輸送も栗東滞在で対策済み。チャンス大きい。

ペアポルックス

能力評価:★★★

得意条件:小倉は2戦2勝で実績あり

臨戦過程:橘Sから3連戦の形になるが、調整は順調らしい。強いて言えば冬デビュー馬で初めての夏になる点が?

《寸評》
デビューから全て連対、小倉でも2勝を挙げており、現3歳世代の短距離路線でも屈指の実力がある。3走前はやや相手が手薄だったとはいえ、直線に向いてもただ1頭持ったまま。仕掛けを待つ余裕を見せ、ラスト12.1-11.5の急加速で他馬を置き去りにした。

葵Sは逃げたピューロマジックを捕まえきれず、むしろラストでナナオに詰められながらのゴール。あのレースの上位3頭に強いて序列をつけるなら半歩下げか。といっても微差であることには変わりなく、身も蓋もないがここの着順は枠と展開次第で簡単に入れ替わりそう。

エイシンスポッター

能力評価:★★★★

苦手条件:後方一辺倒で開幕週のレースは【0-0-0-5】

臨戦過程:ドスローの安土城Sから中4週で距離短縮。主戦場に戻る形だが、追走には不安あり?

《寸評》
GⅠに混じっても上がり上位の脚を使える馬で、末脚は一級品。ただ如何せん位置がとれない。1200mでは追い込み及ばずをひたすら繰り返し、3走前から少し距離を延ばしていた。

阪神Cはメンバーレベルが非常に高く、内を突いて直線詰まりながらの小差10着。見どころがあった。続く六甲Sは距離と馬場の影響でやや鈍り、安土城Sは直線追い風にも乗って上がり32.5秒の鬼脚を発揮。久々の勝利を収めた。

トウシンマカオ→ルガルの3着だった京阪杯や上記した阪神Cの内容から言って、おそらく今回のメンバー中で地力は最上位だと思う(3歳とは比較の手立てがないけど)。しかし前走テン36.0秒のスローペースを16番手だった馬が、小倉開幕週の1200mに替わってまともに追走できるかは甚だ疑問である。おそらく内有利のトラックバイアスも出る中で、フルゲートの大外を追い込む形が届くとは考えにくい。枠にもよるが、また「負けて強し」になってしまうのでは。

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