【朝日杯FS】シュトラウスの弱点は「折り合い」にあらず? 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

朝日杯FS

シュトラウス

能力評価:GⅠ級

苦手条件:瞬発力勝負?

近走内容と臨戦過程:サウジアラビアRC→東スポ杯と連戦して秋3戦目で関西輸送。ややタイトなローテ

《寸評》
デビュー戦から無尽蔵の体力と強すぎる前進気勢が見え隠れ。「能力は高いが折り合いに不安」というのが大方の考えだろうが、わたしはやや見解を異にする。

東スポ杯は1000m通過59.1秒の3番手でなんとか我慢できた。サウジアラビアRCも道中一度頭を上げる場面があったのだが、あれは出遅れを受け、ルメールが序盤少し追ってリカバーしたのが原因。実際そのあとは収まりがついていて、序盤からソロっと乗れば暴走するほどでもなさそう。

それより懸念しているのがその出遅れと、あとは阪神外回りへの対応。サウジRCは手応えの割に伸びず、東スポ杯は後半11.8-11.6-11.7-11.7-12.4と最高速を求められない競馬で勝った。モーリス産駒らしいモッサリ感があり、切れ味勝負になると分が悪いのでは。ちなみにモーリス産駒は阪神芝1600m重賞で【0-0-3-16】とまだ連対がない。

ジャンタルマンタル

能力評価:GⅠ級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:新馬戦から中4週→中4週でここへ。

《寸評》
新馬戦は直線半ばで完全に抜け出すと最後の100m弱は流して抑えての2馬身半差勝ち。2着キープカルムも次走勝ち上がり→京都2歳S5着で決して弱い馬ではなかった。価値が高い。

デイリー杯は道中少し行きたがっていたが、インの3番手で我慢。最内走行があまりいい馬場ではなかったと思うが、好メンバー相手に2馬身差を付けた。能力はかなり高い。

ただ、自身の上がりは2戦それぞれ34.6秒と34.7秒。こちらもシュトラウスと課題は似ていて、阪神外回りの3ハロン切れ味比べになったときにどこまで対応できるかが課題。見た目の印象で言えばこちらの方がまだキレそうだが。

ダノンマッキンリー

能力評価:GⅠ好走級

得意条件:ハイペース?

近走内容と臨戦過程:新馬、1勝クラスと連勝して中3週

《寸評》
新馬戦はテン34.3秒のハイペースをやや力みながら先行して4角先頭、直線はフラフラして最後さすがに苦しそうだったが押し切った。この組は負かした相手もその後勝ち上がりや馬券絡みが多く、メンバーレベルも高かった。

2戦目は出遅れ、一転して差す競馬を教える形に。テンから12.4-11.1-11.3-11.2-11.2とペースを締め続けた先行勢が止まり、展開が向いた面はあったが2馬身半差。初戦に比べて教育的な効果も見込める勝ち方だった。こっちもモーリスで、折り合い的に流れてくれた方が競馬しやすいのは否めない。が、シュトラウスよりは末脚に裏付けあり。

エコロヴァルツ

能力評価:GⅢ級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:夏の間に2勝を挙げ、中17週空けて直行。初の1600m

《寸評》
新馬戦ではのちに萩Sを勝つルシフェルを撃破。コスモス賞は道中行きたがって先頭に立ち、直線再度突き放して6馬身差で勝利した。ただ、メンバーレベルはさほど高くなかった。

2戦とも1800mの緩流をやってきて、そしてこちらも上がりは35.3秒、35.6秒。マイル、阪神外回りどちらも対応できるか未知数。キレるイメージは全くつかないが……。

セットアップ

能力評価:GⅢ級

得意条件:不明

近走内容と臨戦過程:北海道シリーズで3戦。重賞を勝ってから中14週での直行

《寸評》
例年なら早期デビューの強力な中距離馬が集まる札幌2歳Sだが、今年はどうも勝手が違ったか。1番人気は武豊騎手の「相当な馬」というコメントが独り歩きしたガイアメンテ(6着)。2着パワーホールが次走京都2歳Sで12着、3着ギャンブルルームが同11着。前記のガイアメンテも東スポ杯6着。レベルに疑問符がつく。

ましてこの日の札幌芝は前残りバイアスが酷く、逃げ馬が1戦(それも14番人気馬)を除いて連対、勝ち馬はいずれも4角2番手以内だった。諸々恵まれすぎている。

そもそも、一般論としてデビューから「逃げ」だけ3戦もやっていると、他の形への対応が難しくなる。自分より速い馬もいるであろうマイルGⅠへの短縮で、控える経験がないディスアドバンテージは大きい。苦戦濃厚と見る。

オーサムストローク

能力評価:OP~GⅢ級

得意条件:小回り、多頭数?

近走内容と臨戦過程:8月デビューからあまり間隔を空けずに5戦目。ただ、ベゴニア賞はドスローで消耗度の低いレースではあった。

《寸評》
勝ち上がりには3戦要したが、先着を許したのはラヴスコールとラーンザロープスの2頭だけ。その2頭が手強かったという見方も。ベゴニア賞はドスローのせいで時計は酷いが、ガルサブランカの追い上げをなんとか封じた。ある程度の能力はある。

安定した先行力とレースセンスの高さが武器。これもこれでキレる馬ではなく、本質的には中山のようなコース、立ち回りの巧さを求められると相対的に有利になるタイプ。

もっとも、早生まれだったり東京マイルで勝っていたり、素直に朝日杯FSのデータを信じると「コレしかない」というレベルのプロフィールではある。穴で一考の余地あり。

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