シリウスSと9月末と、オールドルーキーの「待ってました」

中央競馬予想

シリウスSは時期設定が特殊だ。

あ、スプリンターズSについてはもう少しビジネスカジュアルな文章が然るべきところから出るので、そちらを読んでいただければ。

ダート2000mで9月末、あるいは10月初週に行われるハンデ重賞・シリウスS。その特殊性は、雑に言えば「似たようなレース」が近々に密集していること。

具体的には「日本テレビ盃(船橋ダ1800m・JpnⅡ)」「白山大賞典(金沢ダ2100m・JpnⅢ)」「マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡ダ1600m・JpnⅠ)」。この3つが、だいたいシリウスSを挟んで10日間ぐらいの間に挙行される。

するとどうか。賞金の足りている馬、およびハンデが重くなりそうな馬は交流重賞へ回り、ここは賞金をあまり持っていない馬同士の戦いになる。となれば必然、「OP頭打ちで賞金を積めない古参」よりも「強いがまだ賞金がない、売り出し中の気鋭」が活躍するワケだ。

これがデータでキレイに出てくれれば楽なのだが、年齢別だと若い方がやや有利かな? という程度。5歳以上の内訳を説明する必要がある。5歳以上の4勝はこうだ。

15年 アウォーディー(前走が初ダートの3勝クラス勝ち)
16年 マスクゾロ(2走前に3勝クラス突破、連勝でここへ)
17年 メイショウスミトモ
22年 ジュンライトボルト(2走前に初ダートでOP2着。前走BSN賞を勝ってここへ)

4頭のうち3頭は、OP入りしたばかり or ダートでまだ底を見せていない、という戦歴だった。まとめると、直近10年で9頭まで、若手かオールドルーキーが勝っていることになる。この方針で登録馬を眺めてみよう。

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【アイコンテーラーの待ってました、トウセツの待ってました】

とは言ったものの、アウォーディーやジュンライトボルトのようにダート転向直後で底を見せずシリウスSに参戦してくるなどという特殊な存在が、そう都合よく毎年いるはずはない。

いた。アイコンテーラーだ。

ダート転向初戦の前走BSN賞を完勝して、勢いに乗って重賞挑戦してくる5歳馬。すごくアウォーディーで、すごくジュンライトボルトみがある。もう決まりだろう。

芝でも重賞を善戦するくらいの力はあるけれど、BSN賞のパフォーマンスはもっと上。牡馬相手のハイペースを外3追走し、他の先行馬がバテるのを尻目に楽々抜け出した。本当の得意分野はダートだった。きっと本人(馬)も、ようやく砂を走れると聞いて「待ってました!」と膝を打っていたに違いない。

「待ってました」感で言えば、4歳馬トウセツも負けていない。能力はありながらも、とにかくズブくてドタドタとした競馬しかできない現状。これが2000m初出走というのが意外なくらい、大箱の長丁場は合いそうだ。前走は初ブリンカーも効いたか、4角14番手からの差し切り。引き続き展開待ちになってしまうが、ハマれば面白い。

あと若手ならカフジオクタゴン、キリンジ、ヘラルドバローズ。OP上がりたてならフルヴォートもいる。このあたりをアイコンテーラーの相手として上手くちりばめたいナアと思う、馬券野郎なのであった。

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