札幌2歳Sは「岡田チルドレン」御用達のレースだ。
おもしろ重視でミスリードなタイトルをつけてしまったが、もちろん岡田彰布監督のことじゃない。監督じゃなくて総帥、繁幸総帥だ。
マイネルシュバリエ、トラスト、ナイママ、ユーバーレーベンらの活躍に加え、19年にはブラックホール、サトノゴールドでゴールドシップ産駒のワンツーもあった。「芝中距離」「瞬発力不要のタフネス勝負」はマイネルのお家芸だし、総帥が重用したステイゴールドやゴールドシップはそういうコをよく出す種牡馬である。
ここまで来ればもう解決したも同然だ! と思って特別登録馬を見たはいいものの、ビッグレッド・マイネル系は1頭もいない。それどころか、ステイゴールドの子孫すらいない。やってしまった。飛んだ勇み足だ。
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【ヒーローイズカミング、アゲイン。信頼と実績の地方勢】
まあ、勇み足というのは冗談である。さすがにわたしもそこまで愚かじゃない。
札幌2歳Sの好走パターンを整理していくとだいたい3パターンに分けられる。
①レベルの高い6月主場新馬で勝った馬
②函館~札幌シリーズでいい差し脚を見せていた馬
③岡田チルドレン
①と②で説明しようと思ったけど、どうも岡田チルドレンが超越的な力で好走して、データ上のノイズになっていた。だから、そのパターンがいない説明を最初に挟んだというわけだ。
①レベルの高い6月主場新馬で勝った馬、は過去の例だとジオグリフやブライトエンブレム、レッドリヴェールあたりがいる。
今年、こっちのパターンはギャンブルルーム一択だ。キズナは上がりのかかる競馬に強い種牡馬で、タフネスという観点では悪くない。
続いて②函館~札幌シリーズでいい差し脚を見せていた馬。こちらは過去の例で言うとドゥーラ、アスクワイルドモア、ソダシ、ブラックホール、ニシノデイジー、ブラックオニキスあたりがごっそり該当する。
函館と札幌のコース形態の違いと馬場傾向の変化が手伝って、北海道シリーズは基本的に後半ほど差しが有利になっていくから、理にかなっているだろう。
これを踏まえて、まず「前走逃げた馬」【1-2-1-29】単回収率17%、複回収率39%のデータと、「前走北海道で上がり3位以下」【0-2-0-21】単回収率0%、複回収率23%のデータを使って、ウールデュボヌール、コルルディ、セットアップ、パワーホール、マーゴットソラーレの6頭を消す。残るは4頭(回避見込み含め)だ。
ガイアメンテは数多のGⅠ馬に乗ってきたユタカさんが褒めまくっている馬。乗りたいアピール、リップサービスの側面もあるかもしれないけど、だとしても手放したくない素材という意味になるのだから、悪い話じゃない。
穴でセントキルダ……と思ったけれど、すずらん賞に回るっぽい。それならカイコウはどうだろうか。地方所属馬で前走上がり2位以内なら【1-1-1-2】で複勝率60%。着外2頭も0.3秒差7着と、0.5秒差5着だ。クローバー賞2着から参戦するスクリーンヒーロー産駒となると、いつぞやのトラストと同じプロフィールである。