【日本ダービー】中心はクロワデュノール、府中歓迎のマスカレードボールが逆転期す 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

日本ダービー2025 上位人気想定馬の評価

クロワデュノール

能力評価:★★★★★

得意条件:不明

《寸評》
新馬戦を2歳6月の芝1800m史上最速タイム(※従来の記録を1.2秒も更新)でV。後半1000m57.3秒もGⅠ当確級の数字だった。東スポ杯は休み明けの+24キロでさすがに重かったと思うが、それでもサトノシャイニングに勝利。ホープフルSはやや内有利馬場の外を回る安全策でも、直線は楽々抜け出し2馬身差の完勝だった。明らかに力がひとつかふたつ抜けている馬の勝ち方といっていい。

皐月賞は高速でやや内有利なトラックバイアス。1000m通過59.3秒から次区間11.4-11.5という早仕掛け、差し有利の展開になるなか、4車線目を押し上げて早め先頭の形。さすがに無理があってミュージアムマイルに差されたが、カラくも2着は確保。展開と馬場に大きく逆行する走りでよく踏ん張った。これも内容的には非常に強い。

折り合いに不安はなく2400mはもちろん守備範囲だろうし、東京コースでも2勝の実績がある。また、皐月賞前に前哨戦を叩いていたミュージアムマイル、マスカレードボール、ジョバンニ、サトノシャイニングに比べればローテ的に余力もある。やはり最有力の座は揺るがない。

ミュージアムマイル

能力評価:★★★★★

得意条件:2000m近辺?
苦手条件:道悪

《寸評》
新馬戦が中京マイルのバリバリ前残り決着に1頭だけ飛んでくる強烈な内容で3着。2戦目で勝ち上がると、黄菊賞は1000m通過61.7秒のスローペースながら後半58.3秒でまとめ、2歳レコードに0.2秒差と迫る2:00.0の好タイムをマークした。

朝日杯FSは出遅れてダッシュもつかず、3番手まで巻き返すのにだいぶ脚を使ってしまった2着。弥生賞は賞金が足りている立場の休み明けで+8キロ、稍重発表ながら前夜に雨と雪が降って馬場もかなりタフで、ファウストラーゼンがマクってレース上がり37.2秒を要する消耗戦。4角外から粗めに動いた分最後は脚がもたなかった。悲観しなくていい。

一転、高速馬場になった皐月賞は前の早仕掛けに付き合わず、内目で待って4角出口で外に持ち出すモレイラの100点騎乗。クロワデュノールに比べて展開利が大きかったのは間違いないが、とはいえ0.3秒差はそこそこ決定的な着差。ハマっただけと片付けるわけにもいかない。

母ミュージアムヒルは現役時代1600mで全3勝。この馬もベストは2000m近辺と思われ、皐月賞より条件が好転するわけではない。しかし対応はするだろう。積極的な買い材料には欠けるが引き続き有力な1頭。

マスカレードボール

能力評価:★★★★★

得意条件:東京
苦手条件:右回り

《寸評》
デビュー2戦目のアイビーSでは後のスプリングS勝ち馬ピコチャンブラックを撃破。この時の勝ち時計1:45.8はコントレイルの東スポ杯に次ぐ、東京芝1800mの2歳戦史上2位のタイム。後半1000m58.1秒、ラスト11.3-11.2の加速ラップも出る強烈なパフォーマンスであった。共同通信杯もレースレコードタイかつラスト11.5-11.5-11.2。東京での内容はGⅠ級といって差し支えない。

右回りへの対応が懸念された皐月賞はスタート後にエリキングと何度も接触。初角では左に膨れて他馬に迷惑をかける場面もあった。決して中山を上手にこなしたとは思わない。ただ、内有利の馬場と早仕掛けの展開が向いたのもあり、直線はいい脚で伸びてきた。

今回は東京替わりで条件が大きく好転する。引っかかる馬ではない(むしろ勝負所での反応は少し鈍いくらい)ので、距離が延びるのも多分大丈夫。不得手な中山であれだけ戦えたなら、今回はアタマまで望める一戦。

サトノシャイニング

能力評価:★★★★

得意条件:不明

《寸評》
東スポ杯でクロワデュノールと初対戦して0.1秒差の2着。ただ、この時はクロワが+24キロと万全でなく、展開的にもスローで前有利。これで逃げ切れなかった事実は重く、着差以上に力差を感じる敗戦だった。しかしきさらぎ賞は後の桜花賞3着リンクスティップ、チャーチルダウンズC勝ち馬ランスオブカオス、京都新聞杯勝ち馬ショウヘイらに3馬身差の完勝を収めた。世代トップクラスの馬であるのもまた疑いない。

皐月賞はとにかく不利が多かった。そもそも内有利馬場の16番枠が酷で、初角が4~5車線目の進入。内からエリキング→マスカレードボール→フクノブルーレイク→サトノシャイニングの玉突きでぶつけられ、向正面でもクロワデュノールに内から張られた。大敗していてもおかしくない競馬で、これで0.4秒差5着ならむしろ地力の高さを感じる。

大一番でテン乗りのジョッキーになってしまうのは正直痛い。(武豊騎手はダービーで6勝含む10回の馬券絡みがあるものの、継続騎乗【6-3-1-15】に対し乗り替わり【0-0-1-9】。3着ブラックシェルもきさらぎ賞→弥生賞→皐月賞で騎乗経験があり、NHKマイルCだけ後藤騎手が代打というケースだった。)前述したクロワデュノールとの比較も含め、アタマとなると微妙だが、馬券に絡むチャンスは大いにある。

ファンダム

能力評価:★★★★

得意条件:瞬発力◎、1600~1800m
苦手条件:2400mは長い?

《寸評》
新馬戦は京成杯AHで1:30.8が出た異次元の高速馬場であったが、そうはいっても1:32.8の2歳レコード、かつラスト11.5-10.8の数字は優秀。続くジュニアCも後半1000m57.9秒の好記録をマークしつつモンドデラモーレを破った。毎日杯はスローペースのため全体時計こそ目立たないが、上がり3F32.5秒の豪脚でぶった切り。ポテンシャルはGⅠでも足りるだけのものを持っている。

ただ、ジュニアCの際にやや行きたがりながら好位追走していた姿などを見るに、本質は1600~1800mの馬だと思う。先週のオークスと似たようなもので、日本ダービーでも「マイル以下のレースで4角2番手以内歴がある馬」は【0-1-1-24】複回収率36%と振るわない。1800m以下で一瞬のキレを見せつけて勝ち上がってきた無敗馬といえば、ちょうど同馬主シックスペンスと重なる。伏兵扱いならともかく、中上位人気になるのであれば魅力はそんなにない。

ショウヘイ

能力評価:★★★

得意条件:スローペース

《寸評》
新馬戦は上がり33.2秒を使いながらもマディソンガールに敗れたが、2戦目で危なげなく勝ち上がり。きさらぎ賞は4着に敗れたが、この時のレース後コメントは「調教通りの走り。もっと良くなってこなければ本来のパフォーマンスはできない」というもの。辛辣だが信頼性は高い川田騎手のジャッジで、この一戦は参考外としていい。

ただ、京都新聞杯は1000m通過63.3秒の超スローペース。馬場的にも直線は外が伸び始めており、外2からの競馬はあまりにもラクな展開だった。上がりも最速タイなのであのメンバー内では最上位評価でいいが、皐月賞組の牙城を崩せるような内容かと言えば疑問。ルメール騎手を配してどこまでやれるか。

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