【ヴィクトリアマイル】マイル以下のスペシャリストを狙うべし 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

ヴィクトリアマイル2025 上位人気想定馬の評価

アスコリピチェーノ

能力評価:★★★★★

得意条件:マイル戦、高速馬場

《寸評》
国内のマイル戦では6戦して【4-2-0-0】。負けた2戦も4角で内からステレンボッシュに押された桜花賞の0.1秒差、直線で致命的な不利があったNHKマイルCの2着と能力面にケチがつくものではない。

京成杯AHは開幕週の超高速&内有利馬場を外から堂々の差し切り。勝ち時計1:30.8、ラスト2F11.2-10.9も強烈だった。ゴールデンイーグルは内有利馬場の外枠で競馬にならず。1351ターフスプリントは重賞4勝馬ウインマーベルをきっちり差し切ってきた。

高速決着が多いヴィクトリアマイルでは、中距離志向の牝馬が出走してきてはコケて、1400~1600mのスペシャリストたちが結果を残す傾向がみられる。戦績的にも血統的にも、人気馬のなかで高速マイルに最も不安がないのはこの馬。順当に好走してくる。

ステレンボッシュ

能力評価:★★★★★

得意条件:本質的には中距離馬?

《寸評》
阪神JFでアスコリピチェーノとタイム差なし2着、桜花賞では逆転して勝利した。とはいえ、2代母ランズエッジは菊花賞馬アーバンシックや有馬記念馬レガレイラと同じで、そこに父エピファネイア。血統面からすると2000m以上が合いそうなプロフィールである。

秋は状態不安がささやかれた秋華賞で3着。内有利馬場の香港ヴァーズで4角5車線目をマクり上げて3着。この2戦は悪い負け方ではなかった。一方、大阪杯は内有利馬場で外を回ったことを加味しても物足りない13着。目の前にいたロードデルレイに離され、隣にいたカラテにすら伸び負けた。エピの仔はしばしば原因不明のスランプに陥るケースが見られる。そういう意味で不穏な一戦だった。

過去10年のヴィクトリアマイルにおいて「オークスの3着以内馬」が出走した際の成績は【1-2-1-17】で単回収率6%、複回収率30%。勝ったのはアーモンドアイだけで、ほかメイショウマンボ、ミッキークイーン、スターズオンアースら二冠牝馬が2~3着止まり。2番人気以内での着外も6回あり、いかに2400m戦と位相の異なるレースかが分かる。この馬自身も桜花賞馬で「準二冠馬」レベルの実績はあるし、マイルへの対応がまるでダメではないだろうが、上位人気で積極的に狙うかと言われれば微妙。

ボンドガール

能力評価:★★★★★

得意条件:マイル

《寸評》
新馬戦でのちの二冠馬チェルヴィニアを破った大器。その後は頓挫もあって勝ち星から遠ざかっているが、直線で致命的な不利があったNHKマイルCを除いて大崩れはない。現4歳世代上位の地力がある。

3走前の秋華賞はベストより長い2000mで前半折り合いに徹し、直線の末脚を引き出す好騎乗で2着。東京新聞杯は得意なマイルで勝ち切れなかったが、ウォーターリヒトが思った以上に強くなっていたということ。阪神牝馬Sは前後半47.5-45.3のドスロー前残りで全く展開が向かなかった。自身も大外を回って上がり32.9秒をマークした0.2秒差。内容的には一番強い競馬をした。条件的にも相手関係的にも、今回が最大のGⅠ獲りチャンス。

アルジーヌ

能力評価:★★★★

得意条件:道悪、洋芝、ハイペース

《寸評》
4歳夏頃から本格化ムード。クイーンSでは今回も再戦するボンドガールと0.1秒差の3着に入り、カシオペアS、ターコイズSと連勝した。

阪神牝馬Sはやや内有利の馬場でスローペース。内目先行から4角までインをぴったり回っており、レース単体の評価としては恵まれた側。ただ、母キャトルフィーユといい、半妹メルトユアハートといい、基本的に瞬発力があまりない血統で、この極限上がりに対応できた点は大きな収穫だった。再度高速決着が見込まれる東京マイルは舞台としてそんなによくないが、今の充実ぶりならGⅠでも色気はある。

クイーンズウォーク

能力評価:★★★★

得意条件:1800m以上、左回り?

《寸評》
昨年の三冠では8着、4着、15着と結果が出ず。といっても桜花賞は外伸び馬場のイン突き、オークスはハイペースを前受け、秋華賞はスタート後躓きのアクシデントと、どれも事情のある敗戦ではあった。

小倉牝馬Sはハンデ55.5キロが厳しく、1000m通過57.7秒の超ハイペースを早め先頭に立っての敗戦で参考外。逆に金鯱賞はデシエルトの暴走と、道悪による(?)プログノーシスらの不発もあってのハナ差勝ち。「展開が向けば対牡馬のGⅡを勝てるが、向かなければ牝馬GⅢでも負けうる」というレベル感。

今回は距離が課題になる。クイーンCを勝った時も陣営が「オークス向き」と評していた馬で、その後の使い方からも分かるように、本質的には2000m近辺がベスト。先週のような超高速馬場だと、マイル以下のスペシャリストたちに適性面で一枚見劣る。雨など降って時計がかかる馬場になってほしい。

シランケド

能力評価:★★★

得意条件:消耗戦
苦手条件:連戦△

《寸評》
3歳時に格上挑戦の紫苑Sで3着。昨年は条件戦の1800~2000m路線をコツコツ勝ち上がってきた。中山牝馬Sは中団待機から外を早めに押し上げて差し切り。ただし2着ホーエリートも3勝クラスを勝ったばかりの馬で、3着クリスマスパレード(秋華賞5着馬)よりはハンデ2キロの有利。あの一戦を以てGⅠで勝ち負けになる内容とは判断できない。

これまで中距離の差し追い込み競馬に慣れており、マイルの流れに対応できるかが懸念。また、好走したレースも新潟外回りの魚沼S以外、自身の上がりはほとんど34秒台。消耗戦のなかで相対的に伸びるタイプの差し馬で、上がり勝負にも疑問が残る。今回は相手強化のうえ、条件的にもあまり合っていない印象。

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