能力評価：★★★★★★
得意条件：高速馬場、やや叩き良化
苦手条件：道悪
臨戦過程：秋古馬三冠皆勤。楽なローテではないが、昨年同じ過程で有馬記念制覇。大きな不安にはならない
《寸評》
日本ダービーを2:21.9の好時計で制した一方、3歳秋のフランス遠征では全く走れなかった経緯がある。宝塚記念での負けを見ても、やはり高速馬場巧者で道悪はからっきし合わない。
今春はドバイターフが出遅れ＆直線で前がなかなか空かず5着。宝塚記念は道悪＆トラックバイアス不利に泣いた。2敗とも参考外でいい。
秋2戦が圧巻の内容で、まず天皇賞（秋）は前後半59.9-57.4のスローペース、前有利な展開を4角13番手から直線一気。上がり32.5秒はJRAGⅠ勝ち馬の史上最速記録だった。ジャパンCも1000m通過62.2秒のドスロー、2-4着前残りの展開を後方外から動き、ねじ伏せるように勝利。とてつもなく強い。
既に古馬間での勝負付けは済んでおり、多少の展開不利なら負けないのも証明済み。秋3連戦、中山や距離への対応も昨年の有馬記念でクリアしている。雨さえ降らなければ安泰。相手探し。
能力評価：★★★★
得意条件：広いコース、消耗戦
臨戦過程：セントライト記念から始動し、菊花賞を使って中8週。間隔が詰まる古馬よりは有利に働くことが多いローテーション
《寸評》
春は京成杯でダノンデサイルの2着、皐月賞は内にササりながらも4着と善戦した。日本ダービーは超スローペースで展開向かず。ノーカウントでいい。
セントライト記念は内有利のトラックバイアスで終始内ラチ沿いを通っての勝利。菊花賞はやや外有利の馬場で外枠。馬場のいい外を立ち回り、他の人気馬の不発もあって突き抜けた。ここ2戦、馬場と展開の恩恵を受けた側ではある。
以前は不器用で東京向きのイメージだったが、ダービーでダノンデサイルと同じ上がりに留まったこと、菊花賞の勝ち方からして、むしろ瞬発力を問われすぎるとよくないのかも。そういう意味で中山芝2500mは合うはずだが、いかんせん今年はドスローの予感。キレ味比べだと前走ほどよさが出ない可能性も念頭に置く。
能力評価：★★★★
得意条件：不明
臨戦過程：休み明け＋18キロの菊花賞から中8週。上積みが見込めるローテーション
《寸評》
日本ダービーはやや内有利のトラックバイアスで行われ、しかも前後半62.2-56.8という超スローの後傾ラップ。前にいなければ当然勝負にならず、イン3にいたこの馬には展開と馬場の恩恵があった。とはいえ隣を走っていたジャスティンミラノに着差0.4秒をつけ、後方待機のアーバンシックと上がり3Fも同値。単に恵まれて勝っただけでもない。ちなみに良馬場の日本ダービーで0.4秒以上の着差を付けた馬は86年以降でメリーナイス、トウカイテイオー、ナリタブライアン、ディープインパクト、ウオッカ、コントレイル、そしてダノンデサイルという面々。ほとんどが歴史的名馬クラスである。
菊花賞は上手くいかなかった。枠なりにエコロヴァルツの後ろ、イン3というポジションに入ったのが敗着で、1周目ホームストレッチからエコロヴァルツが位置を下げてくるのに巻き込まれ、身動きがとれないまま2周目3角14番手まで後退してしまった。直線で追い込んでは来たが、ラスト11.8-12.1と前も止まってくれず。これではどうやっても届かない。枠も災いして酷い一戦になった。全くもって力負けではない。
元から秋2戦目以降を見据えたような臨戦過程であり、馬体重にも余裕があった。一度使った上積みは大きいだろう。3歳ダブルエースの一角として重い印が必要。
能力評価：★★★★
得意条件：広いコースの良馬場
苦手条件：道悪
臨戦過程：こちらも秋古馬三冠皆勤。中間さほど速い時計もなく、上積みには疑問
《寸評》
天皇賞（春）の勝ち馬だが、中距離GⅠでも現役トップ格の走りができる実力馬。昨年天皇賞（秋）ではイクイノックスから0.4秒差2着。有馬記念では4角3-2-1番手が残る決着に1頭だけ差して4着だった。
3走前の宝塚記念は道悪で参考外。天皇賞（秋）は勝ち馬除いて本質的にスローの前残り競馬。11番手から運んで上がり33.0秒で4着まで来たこちらの内容も、ドウデュースには及ばないが十分褒められていい。ジャパンCもスローの中団インで身動きがとれず力を出し切れなかった。ここ最近は不完全燃焼のレースばかり。能力的にはもう少しやれる。
ただ、最近ズブさが増していて中山コースが合うとは言い難い。三冠皆勤のローテからも大きな上積みは期待薄。ドウデュースを逆転するのは困難。2-3着争いの1頭。
能力評価：★★★
得意条件：2400～2500m
臨戦過程：休み明けのジャパンCを叩いて2戦目。1週前追い切り後の陣営コメントは「もう一段階上がってほしかった」
《寸評》
桜花賞も勝ってはいるが本質的には2400mがベスト。昨年ジャパンCはイクイノックスこそ別格として、リバティアイランドから0.1秒差、ドウデュースやタイトルホルダーには先着した。有馬記念も対ドウデュース0.1秒差の2着。4歳時は非常に高いパフォーマンスを見せていた。
しかし今年の2戦が振るわない。ドバイSCは初の海外かつ急遽の乗り替わりで仕方ない部分もあるが、ジャパンCはスローペースを先行したのにあっさり差された7着。牝馬の5歳秋で能力的にやや落ちてきたか。手を出しにくい。
能力評価：★★★★
得意条件：2400～2500m、良馬場
苦手条件：右の小回り、道悪
臨戦過程：BCターフ遠征から中6週。見た目上は昨年と同じだが、昨年は香港を除外になって急遽の参戦であり、中山での調整を強いられた。今年の方が順調に来ている
《寸評》
海外遠征が多いため国内組との比較はしにくいが、昨年有馬記念は0.3秒差の5着とそう負けていない。ドバイSCではリバティアイランドやジャスティンパレスに先着を果たした。ただし、どちらも前残りの展開が味方したものではあった。
2走前の札幌記念でコーナリングにややぎこちなさを見せており、左回りか広いコースがベターだと思う。6歳秋でも大きな衰えはないが、中山コースで強く推す材料も欠く。枠順次第で印に入れるかギリギリのライン。