【朝日杯FS】黄菊賞が秀逸なミュージアムマイル 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

朝日杯FS2024 上位人気想定馬の評価

アルテヴェローチェ

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:7月に勝ち上がり、サウジアラビアRCを叩いて中9週。1週前に栗東CWでラスト11.3-11.1を計時。仕上がる

《寸評》
2代母にクルソラ。近親にクルミナルやピオネロ、ククナ、セレシオン、アライバルらがいる良血馬。

札幌の新馬戦は2着ヒシアマンが次走圧勝、5-6着馬も既に勝ち上がったハイレベル戦。サウジアラビアRCは前後半45.7-47.3のハイペースを差しに構えて展開が向いた。とはいえ勝ち時計1:33.0は東京芝1600mの2歳戦としてはサリオスに次ぐ歴代2位タイ、それも稍重馬場での記録ならレースレベルは高いと見るべきだろう。

気になるのは今年の朝日杯FSが京都であること。先週も散々書いたが、東京と阪神マイルは直結度が高いコースだが、東京と京都マイルはそうでない。京都はトップスピードの高くない1800m巧者も比較的走れる。

もっともアルテヴェローチェ自身はここ2戦34秒台中盤の上がりで勝っていて、キレだけに特化した馬ではない。それでも「サウジアラビアRC勝ち馬だから」という理由で売れるなら、筋として別の選択肢を探したい感はある。

ミュージアムマイル

能力評価:★★★★★

得意条件:1800m以上

臨戦過程:黄菊賞を勝って中4週。前走時より追い切りの時計詰まる

《寸評》
8月の中京マイルでデビューするも3着。前後半36.4-34.5のスローペース、4角1-2-3-4番手の馬が1-2-4-5着に残る超前残り競馬に対し、後方からただ1頭すっ飛んでくるインパクト大の走りだった。その後は距離を延ばして2連勝。内容も伴う。

2戦目に計時した1:46.8は京都芝1800mの2歳戦としては歴代5位タイの好タイム。黄菊賞の2:00.0、後半5F58.3秒はエリキングが勝った京都2歳S(2:00.9、後半59.0)より速い。世代のトップを争うだけの資質がある。1600mはやや忙しいが「中距離志向の京都マイル」なら阪神ほど苦にならない。

アルレッキーノ

能力評価:★★★★

得意条件:理想はハナ?

臨戦過程:サウジアラビアRCから中9週。1週前は折り合い考慮してか単走で抑えつつ

《寸評》
二冠牝馬チェルヴィニアの半弟で、近親にコディーノやサブライムアンセムら早期活躍馬が多いハッピーパスの牝系出身。

6月東京芝1800mの新馬戦はクロワデュノールに敗れて2着。このレースは勝ち時計1:46.7、後半1000m57.3秒どちらも異様なほどのハイレベル。実際、勝ち馬は東スポ杯を勝っておそらくホープフルSでも勝ち負けする。相手が悪かったが、こちらも十分走って後続は4馬身離した。

2戦目を逃げて上がり最速、1:33.3の好タイムで勝ち、当然1番人気になったサウジアラビアRCはまさかの5着。前半3F34.0秒の速い流れでも道中かかった分が直線の伸びに響いた。デビューから2戦、逃げを経験させた弊害だろう。とはいえタイムは1:33.3。例年なら勝ってもおかしくない数字ではある。

現状はハナに行った方が折り合いが付きやすい。すんなり行って力を出せば巻き返せる。1800m実績があるのも好印象。まだまだ見限れない。

トータルクラリティ

能力評価:★★★★

得意条件:不明

臨戦過程:新潟2歳Sから中15週。1週前にはCWの4F自己ベスト更新

《寸評》
いわゆる「ノーザンのバゴ」。現3歳世代より上ではJRAで6頭が出走して5頭が勝ち上がり。クロノジェネシスとステラヴェローチェが出るなど、高確率で成功しているプロフィールの持ち主。

新馬戦はドスローとはいえラスト11.4-10.9の加速ラップ。2戦目はコートアリシアンの自滅に助けられた部分もあるが、初戦と違ってテンからある程度流れる競馬でも問題なく追走し、ソツなく押し切った。レースが巧い。間隔は空いたが追い切りもいいタイムが出ており、特に不安点はない。

パンジャタワー

能力評価:★★★

苦手条件:マイルはやや長い?

臨戦過程:京王杯2歳Sから中5週。陣営曰く「すごくいい状態」

《寸評》
新種牡馬タワーオブロンドンの産駒。同父は既にJRAで9勝を挙げているが、いずれも1400m以下。マイル以上では【0-3-2-17】で、好走率は悪くないが勝ち星がない。タワーオブロンドン自身の現役時代から鑑みても本質的にはスプリント種牡馬だろう。

新馬戦は出遅れを追ってリカバーしたら逆に引っかかって外3まで進出。そのまま押し切ったのは偉いが、タイムやラップ、着差などは特に目立つ点がなかった。京王杯2歳Sは200m延長で道中やはり行きたがるのを抑えて中団追走、直線は外から差し切り。それなりにメンバーは揃っていたが、馬場が特殊でなんとも評価がしにくい。

これまで2戦の走りを見ても距離適性は1400m以下かなという感じ。マイルに延びて中上位人気なら見送りの予定。

ニタモノドウシ

能力評価:★★★

得意条件:不明

臨戦過程:クローバー賞勝ちから中16週。特に不安なし

《寸評》
母母イスラコジーン、つまり近親にイスラボニータがいる。福島芝1200mの新馬戦は出遅れ、後方でじっと脚を溜め、直線は大外から鋭く差し切って完勝。上がりは33.6秒だった。実は福島芝の2歳戦を上がり33秒台で勝った馬は3頭しかおらず、1000m戦を除けばなんと史上初だった。

続くクローバー賞は1:28.6の2歳コースレコードで勝利。前日未勝利戦でレコードが更新されていた(1:28.8)こと、2着ミリオンローズ、3着バセリーナが続く重賞で大敗したことから、レースレベルがすごく高いとは言い難いが、この馬自身は全く底を見せていない。今回はムーアを確保。フタを開けたら重賞組より強かった、というシナリオがあっても驚けない。

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