能力評価:★★★★★
得意条件:ハイペース
苦手条件:スローペース、内有利馬場
臨戦過程:ローズSで始動し、秋華賞はパスして中7週でここへ。
《寸評》
ゲートが悪く後方一辺倒の脚質ゆえに近走は取りこぼしが続いているが、ホープフルSでラスト12.0-11.5の加速ラップを差し切った脚力は本物。日本ダービーは前後半62.2-56.8の超後傾ラップをイン後方に構えて届かず、ローズSも2番手以下推定61.5-58.4の実質スローを15番手で運び、上がり33.1秒を使って届かなかった。ピークアウト(笑)と馬鹿なことを言っている人もいるらしいが、何をどう見たらそういう結論になるのか理解に苦しむ。敗因は後ろすぎたこと(と、その根本にあるゲート難と操縦性の低さ)に尽きる。
翻って今回は古馬牝馬の一線級がほぼいないメンバー。リバティアイランドとスターズオンアースは牡馬路線に行き、同馬主のブレイディヴェーグは使い分けでマイルCSへ、マスクトディーヴァが故障引退。そして例年だったら数頭は流れてくるはずの秋華賞組もいない。この馬を除いたレースレベルは正味GⅢと大差ない。今の京都は外差しが届きやすい馬場で、その点もこの馬を援護する。最内枠とかを引かなければ高確率で突き抜けるだろう。
能力評価:★★
得意条件:道悪OK
苦手条件:瞬発力勝負になると?
臨戦過程:新潟牝馬Sから中2週。このローテで出走した馬の成績は【0-0-0-9】で、掲示板も21年ソフトフルート(4着)だけ
《寸評》
デビューから6戦4勝。アイルランド産馬。これまでの4勝はいずれもレース上がり35.4秒以上を要するタフな流れで、自身が出した最速の上がりも34.3秒。道悪や消耗戦には強いが、あまり速い脚は今のところ見せていない。
2走前のマーメイドSはハンデ52キロの利があっての3着。前走も2-3着いずれも3勝クラスからの格上挑戦馬であり、OPとはいえレースレベルは高くなかった。押し出された想定2番人気という感が否めない。
能力評価:★★★
得意条件:内回り系1周競馬
臨戦過程:4歳VM以降は腱周囲炎で長期休養したが、復帰初戦から陣営は状態のよさを強調していた。クイーンS以来で中14週
《寸評》
3歳時にはスターズオンアースやナミュールと互角に走っていた。その後道悪のエリザベス女王杯大敗で少し歯車が狂ってしまった感はあるが、本来の実力はここに混じると上位。
2走前ヴィクトリアマイルは元々中距離馬受難のレースであり、しかも今年はテン3F33.8秒のハイペースも重なった。9着敗戦も参考外でいい。しかしクイーンSは斤量差があった1-2着馬に負けたのはともかく、逃げたコンクシェルを捕まえきれなかったことには不満。よかった頃にはレース内容が程遠い。
能力評価:★★
得意条件:中9週以上で【4-1-0-0】
苦手条件:中4週以下で【0-1-2-0】。連戦△?
臨戦過程:3勝クラスを勝って中1週で急遽参戦。相手が手薄と見て決めたか。騎手未定
《寸評》
昨秋に格上挑戦で紫苑Sに出走して3着。当時の勝ち馬モリアーナを差し置いて上位人気想定というのが個人的にまず引っかかるが。末脚を武器に条件戦を順調に勝ち上がってきた。
魚沼Sに関しては少頭数の外差し馬場で、相手関係も3勝クラス苦戦中のメンバーが中心でやや手薄だった。恵まれた部分は大きい。勝ち時計1:59.5もペース差があるとはいえ、翌日1勝クラスより遅い。これまでの全4勝をいずれも中9週以上で挙げた馬でもあり、中1週にも不安がある。
能力評価:★★★
得意条件:消耗戦
苦手条件:瞬発力勝負△
臨戦過程:福島牝馬Sで落馬競走中止。仕切り直しの一戦となった新潟記念を勝ち、中9週でここへ。陣営曰く「前走は完調ではなかった、今回は動きの質が違う」とのこと
《寸評》
古くは前後半45.2-47.9のハイペースになった阪神JFでリバティアイランドの2着。その後も中山牝馬S3着(残り1000mから11秒台4連発でレース上がり36.2秒)、新潟記念1着(前後半58.9-59.1。新潟外回りでレース上がり35.0秒)と、持続力が問われる競馬にマッチする。
その新潟記念はよくも悪くもGⅢらしいメンバーで、七夕賞1-2着馬、マーメイドS1-2着馬、関越Sで上がり最速3着のセレシオンなどを破った。そこからのGⅠ挑戦だと普通は「大幅な相手強化」となるのだが、今回は他も(レガレイラとシンティレーションを除くと)重賞で苦戦している馬や条件戦上がりの馬ばかり。対牡馬GⅢ勝ちでも十分、能力上位とカウントできる。陣営も状態に関して強気のコメント。極度のスローにならなければ楽しみはある。
能力評価:★★★
得意条件:直線が長いコース
苦手条件:揉まれ×?
臨戦過程:オールカマーから中6週。これまで一貫して中9週以上空けてきた馬で、この間隔はデビュー以来最短。最終追切は「硬くなっている」との理由でウッドから坂路に変更と不安を残すものに
《寸評》
昨年新潟記念は夏負け、エリザベス女王杯はスローのイン前決着で大外から追い込み0.3秒差の6着とどちらも敗因が明確だった。内容自体は負けて強しで、仮に同じだけ走れば、今年のメンバーなら馬券圏内に繰り上がるだろう。
問題はオールカマー。この大敗がよく分からない。トラックバイアスは内有利でイン3を追走、逃げたアウスヴァール、外2リカンカブールが残っている展開で何事もなく後退した。不可解。たびたび言われるように、サロミナの仔は揉まれ弱い面があって、この馬も1枠は【0-0-0-3】。確かにベストな形ではなかった。が、それにしても負けすぎ。
そこに加えて今回はキャリア最短の中6週で、最終追い切りは「硬い」として予定変更。走れる状態にあるかが怪しい。