阪急杯2025の概要
開催日
2025年2月22日(土)
グレード
GⅢ・4歳以上
コース
京都芝1400m(外回り)
概要と歴史
高松宮記念に向けた西の前哨戦。阪神芝2200mの競走として創設されたが、幾度かの距離変更を経て2006年から阪神芝1400mに定着。ローレルゲレイロやロードカナロアらがここをステップに本番を制した。
2025年からGⅠ競走と一部ステップレースの間隔を広げる施策がとられ、高松宮記念まで中2週だった阪急杯は1週前倒しに。その影響でコースも阪神から京都に変更となった。条件としては昨年まで2回京都最終週で行われていた「京都牝馬S」に近い。
阪急杯2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬20頭
アグリ
アサカラキング
オオバンブルマイ
カンチェンジュンガ
グレイイングリーン
ゴールデンシロップ
シュバルツカイザー
ジャングロ
スズハローム
セッション
ソーダズリング
ダノンスコーピオン
ダノンマッキンリー
トゥラヴェスーラ
ドナベティ
フォーチュンタイム
フルメタルボディー
ブーケファロス
モズメイメイ
ヴァトレニ
阪急杯の基本データ(過去10年)
※枠順と脚質の傾向は2月京都開催の最終週、芝1400m外回り、3勝クラス以上の11戦を参照
人気と配当の傾向
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1-2番人気で合計6勝。残る4頭の勝ち馬は6番人気以下の伏兵から登場している。6-12番人気【4-2-5-59】単回138%、複回131%だから「穴が出やすい重賞」と呼んで差し支えないが、位置取り依存になりやすい開幕週の阪神芝1400mだからこそ荒れていた面もあるか。京都外回りでも傾向が継続するかはなんとも言えない。
馬連平均配当は5118円。最高配当は1万3100円(19年スマートオーディン→レッツゴードンキ)、最低配当は1000円(24年ウインマーベル→アサカラキング)。
枠順と脚質の傾向
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枠順と脚質はさすがに阪神のデータを持ってきても仕方がないので、できる限り今回の条件にあわせる。ここでは2月京都開催の7-8日目、芝1400m外回り、3勝クラス以上の11レースを対象とした。
連続開催最終週の荒れ馬場だけあって、1-4枠は【1-2-5-59】で複回収率40%と不振。対照的に5-8枠が【10-9-6-61】で複回収率118%。シンプルに外枠有利と判断していい。
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脚質は好走率で見ると4角5番手以内の馬が若干優勢だが、複回収率ではほとんど差がない。特には気にしなくていい。展開次第でどちらにも転ぶ。
前走について
前走3勝クラス組は【2-1-0-9】。好走3頭はいずれも前走1400m戦を2番人気以内で勝っていた。
OP・リステッド組は【1-2-3-61】で複勝率10.5%と全体の数字こそ低調だが、5着以内に限れば【1-1-3-16】複回収率255%と穴を出す。距離延長組なら前走差し、短縮組なら前走先行していた馬に要警戒だ。
重賞組【6-7-7-74】はレースごとにチェック。格高GⅡ・阪神C組は【2-3-1-20】複勝率23.1%。レースレベルからすると意外なほど数字が伸びていない。1-3番人気に限っても【2-2-0-9】とイマイチ。高松宮記念を見据えた甘仕上げで出走してくるからだろうか。
京都金杯組は【2-1-1-7】複勝率36.4%、複回収率118%の好成績。好走の内訳はダイアトニックが2回とオメガヴェンデッタ、スマートオーディン。元々短距離が主戦場の馬、あるいはマイルで引っかかった馬がいれば押さえたい。
東京新聞杯組は【0-0-1-11】と不振。ただ、時期変更により今年から中1週となるため、そもそもこのローテを採る馬は減少するだろう。
阪急杯2025の参考レース
参考レース① 阪神C
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
開催の最終盤だが、直線以外は案外内も生きていた。前後半34.5-34.4は1400mのGⅡにしては遅く、どちらかといえば前有利の競馬だったと評価する。
6着ソーダズリングはスタートから折り合いに専念してインの中団追走。直線もガラ空きの内を突いて脚を伸ばしてきた。着差はわずか0.3秒。1400mが合っている。
7着トゥラヴェスーラはいつもより前めの6番手集団インで運び、直線はマッドクールの後ろからしぶとく脚を伸ばした。衰え知らず。
9着アサカラキングは押して押してハナへ。直線半ばまで粘っていたが最後は脚が鈍った。そこまで無理なペースでもなく、今回は力負け。
10着ダノンスコーピオンは馬群の中を運び、直線は右にモタれるのを矯正しつつジワジワ伸びた。着順は大きいが着差は0.5秒。復調気配がないではないが……。
11着ダノンマッキンリーはスワンSと一転、ペースが遅かったことで道中折り合いを欠いた。その分直線の伸びもイマイチ。もっと流れてほしい。
15着モズメイメイは出遅れた。距離も合わず、展開も向かず、相手も強かった。
参考レース② 京都金杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
中京芝は開幕週らしく内が有利。セルバーグが逃げてペースを落とさず前後半46.2-47.3のやや速い流れになった。1-3着はいずれも道中最内を回った組。イン差し有利の競馬と評価する。
7着シュバルツカイザーはイン溜めの差しに徹して展開とトラックバイアスを味方につけた。これ以上の騎乗はない。力負け。
参考レース③ 京阪杯
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
この日の京都芝は前日の傾向がウソのように内が復活した。ウインカーネリアンが逃げて前後半33.7-34.0は古馬重賞としては緩く、イン前で立ち回った馬が有利な競馬と評価する。
7着カンチェンジュンガはゲートの一歩目を決めたが、控えて定位置から追い込みの競馬。直線は進路変更をするシーンがあって、あまり上手く捌けなかった。上がり最速の33.1秒。GⅢでも前が潰れる展開になれば出番はありそう。
8着アグリは序盤の先行争いでややスピード負けした感じ。イン後方から直線は外に出そうとして失敗、進路を切り替えて徐々に伸びてくるも前が遠かった。本質的に1200mは忙しい。ただ、そもそも安田厩舎の解散を境に能力が落ちた印象もある。
11着モズメイメイはゲートこそ決まったものの、二の脚がイマイチ効かず中団から。そのまま見せ場なく流れ込んだだけ。以前よりテンに行けなくなっている点が気がかり。