『競馬ナイト+』2025年2月号を発売しました
オリジナル競馬Webマガジン『競馬ナイト+』の2月号をnoteにて販売開始しました!
今月は騎手の「買える度」について、データをあれこれして一元的な指標として表せないかという試みをやってみました。世間に気付かれていない「実は馬券的に優秀な騎手」が発見できました。ぜひご一読ください。
ほか、本年最初のGⅠ・フェブラリーSの特集、重賞レースのデータ分析、地方の交流重賞展望、東京ダ1400mの攻略法など、盛りだくさんの一作を書きました!
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(以下冒頭部試し読み)
1.編集前記
皆さんは競馬予想において「騎手」というファクターをどの程度重視しているだろうか。
騎手によって印を上げ下げする、そもそも「信頼できる騎手から本命を選ぶ」という方もいれば、馬だけを見て騎手は気にしない方もいるだろう。わたしはどちらかと言えば後者寄りだ。
仮に騎手を重視するとして、誰を買うべきなのか? ここに競馬特有の問題がある。馬券がパリミュチュエル方式である以上、騎手の技術的な巧拙はそのまま「買える⇔買えない」に直結しない。
たとえば「ルメール騎手と石田拓郎騎手はどちらの方が上手いか?」と質問すれば、多くの方がルメール騎手と答えるだろう(石田騎手ごめんなさい)。
しかし2024年の中央競馬において、ルメール騎手の単勝回収率は73%。対する石田騎手は248%だ。「ルメールの単勝を買うぞ」と喜び勇んだ人は負けて「石田が乗るから単勝を買うぞ」と貫いた人は大儲け。これが馬券だ。いくらルメールが上手くても「上手い騎手」と認知されてオッズにも反映されていたら意味がない。
要するに、ジョッキーも技術や勝率そのものではなく「過大評価か過小評価か」で捉える必要がある。
それを測る指標は何か。シンプルに考えれば「回収率」になるわけだが、これも評価指標としていささか欠陥がある。主に①「どう乗ってもノーチャンスの馬」に乗る機会が多い騎手ほど不利になること、②反対に人気薄の1勝だけで異常に跳ね上がること、の2つだ。
極論、1番人気馬を騎乗ミスで99回飛ばし、1回だけ乗った単勝200倍の馬で勝つジョッキーを「買える」と言っていいのか。その激走が騎乗のおかげではなく、馬に起因するものだとしたら? その後の再現性に欠けると言わざるを得ない。
これらの前提を踏まえ、今回の2章「馬券の買い方研究」ではジョッキーの成績をオッズ帯別に分けて補正をかけた「KN(競馬ナイト)式回収率」という独自指標を算出。真に「買えるジョッキー」は誰なのかを究明することにした。
ほか、GⅠ・フェブラリーSの展望、2月の重賞レース分析、丹内祐次騎手の騎乗傾向、東京ダ1400mの攻略法などなど、今月も丹精込めて書き上げました。
前置きが長くなりましたが、ぜひ楽しんでいってください!
2025年1月27日
鈴木ユウヤ
2.馬券の買い方研究 真に「買える騎手」は誰だ “KN式回収率”
◆算出方法と意図
改めて、今回の研究では「KN式回収率」というテーマを取り上げる。
まずは「編集前記」にて長々と書いたことを要約する。何がしたいかというと……
騎手の「馬券的な意味での優秀さ」を示す指標を作ろう!
である。技術があって勝率が高くても、それがオッズに織り込まれていれば馬券的に「買えるジョッキー」ではないからだ。
「回収率で判断すれば?」と思うかもしれない。それは一理あるが、回収率だと勝負にならない馬への騎乗が多い若手、あるいはリーディング下位騎手が不利(あるいは大穴一発で極度に上振れする)という欠点がある。その分をなんやかんや補正したいのだ。