【小倉牝馬ステークス2025】5分で予習! 過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

小倉牝馬ステークス2025の概要

開催日

2025年1月25日(土)

グレード

GⅢ・4歳以上牝馬

コース

小倉芝2000m

概要と歴史

今年から新たに小倉で行われる古馬の牝馬限定ハンデ重賞。国際グレードの事情で「愛知杯」の開催場&名称変更という扱いになるが、回次は2025年が「第1回」となり、また「愛知杯」の名称は3月の中京芝1400m重賞(これは京都牝馬Sが前身)に流用される。かなりややこしいことになっている。

近年は変則日程で愛知杯が小倉代替されることはしばしばあったが、簡単に言えば本年からそれが恒常化するイメージだ。

小倉牝馬ステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録21頭(フルゲート18頭)

アスコルティアーモ
アリスヴェリテ
エミュー
エリカヴィータ
エリダヌス
エンパイアウエスト
オーロラエックス
キミノナハマリア
クイーンズウォーク
グランスラムアスク
コガネノソラ
コスタボニータ
コンクシェル
ゴールドエクリプス
シンティレーション
セントカメリア
ニシノコウフク
フェアエールング
ベリーヴィーナス
メイショウコバト
ワレハウミノコ

小倉牝馬ステークスの基本データ(過去10年)

※人気、枠順、脚質データは過去10年、1-2月の小倉芝2000m、3勝クラス以上の7レースを参照する。前走データは16-24年の愛知杯。

人気と配当の傾向

コースデータとしては対象7戦で1-2番人気が計6勝と強さを見せている。ただし唯一9番人気の勝利で波乱となったのが他でもない20年の愛知杯(=小倉牝馬Sの条件)。デンコウアンジュ→5番人気アルメリアブルーム→11番人気レイホーロマンスで決まり、3連単59万8880円の高配当が飛び出した。牝馬限定のハンデ重賞は総じて荒れる傾向にあり、伏兵に警戒しておきたい。

馬連の平均配当は3640円。参考までに最低配当は21年関門橋Sの830円、最高配当は前記の20年愛知杯で1万2500円だった。

枠順と脚質の傾向

3枠が【2-4-0-4】で複勝率60.0%、単勝回収率287%、複勝回収率206%と大活躍。隣の2枠も3着4回と馬券に絡んでいる。内枠有利……というより2-3枠にだけ好走歴が集中している。5-8枠は【5-3-2-42】単回27%、複回39%と外枠が全体的に不調。

ちなみに今回の小倉牝馬Sと同じく開幕日に行われた2回の愛知杯は上位馬の馬番がそれぞれ5-6-3番、12-3-2番。1番人気で単勝2.0倍だったミッキーゴージャス以外、馬券に絡んだ5頭はいずれも内枠だった。

直線が短く平坦な小倉コースのため、4角通過順別ではやはり5番手以内で回ってきた馬が優勢。ただ、これも2回の愛知杯に関しては20年1着デンコウアンジュ(通過順11-11-11-7)、2着アルメリアブルーム(9-9-6-6)、3着レイホーロマンス(7-7-6-5)、24年2着タガノパッション(7-8-9-6)など差しの台頭が目立つ。

そもそも小倉芝は2コーナー付近が起伏の頂上となっていて、向正面の下り坂がロングスパートを誘発するコース形態。実はそこまで逃げが楽でもない。各騎手が仕掛けを焦るとインで溜めていた差し馬が間に合ってくる。

前走について

ここからは「愛知杯」が1月開催だった16-24年のデータを基にする。

前走条件戦組の出走も珍しくないが、成績は【3-3-3-38】単回41%、複回61%といまひとつ。特に前走3着以下だった馬は【0-1-0-17】と振るわない。条件戦で大きく敗れた馬が軽ハンデを頼りに出てきてもなかなか成就しない。

OP・リステッドから来る馬も【0-1-2-16】と特段いいわけではないが、これは前走4着以内だと【0-1-2-5】複回収率171%同5着以下【0-0-0-11】とハッキリ分かれる。「牝馬は格より勢い」とはよく言ったものでクラス問わず直近の着順がいい馬を優先すべき。

出走数も勝利数もボリュームのある重賞組【6-5-4-61】。なかでもターコイズS組【2-2-0-11】単回241%、複回129%がしばしば穴を出す。好走した4頭は①直近の勝利が1800m、かつ②ターコイズSで5着以下だった。1800~2000m巧者がマイルを使うも振るわず、延長で得意な距離に戻る……というパターンは押さえよう。

秋華賞やエリザベス女王杯などのGⅠから参戦する馬は【3-2-3-27】。1着馬の出走例はもちろんなく、勝ち馬との着差が1.0秒以内なら【3-2-3-13】、同1.1秒以上【0-0-0-14】と分岐する。今年でいえば秋華賞組は11着以下がアウト、エリザベス女王杯は14着以下がアウト。それ以外は「買える」ゾーンに含まれる。

小倉牝馬ステークス2025の参考レース

参考レース① エリザベス女王杯

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

馬場は見た目上はインが荒れていたが、おおむねフラットと判定する。戦前の想定通りコンクシェルが逃げ、1000m通過59.6秒の平均ペース。淡々と12秒台中盤を並べ、ラスト4Fから徐々にピッチの上がる京都外回りらしいラップ構成だった。直線で複数の馬が接触する事象はあったが、それを除くと展開的に大きなバイアスはない決着だったと評価する。

8着ゴールドエクリプスは中団外を追走し、ラヴェルを追う形でジワジワと脚を使っていた。引き続き得意の平坦コースで軽ハンデなら浮上の目はある。

9着コスタボニータはレース前から発汗が目立ち、ややテンションが高かった。それを考慮してかスタートから全く鞍上が促さず、6番手集団の外をただ回ってきただけになった。もともと伸びずバテずの馬だが、今日も伸びそうで伸びず、止まりそうで大きくも止まらず、3着からは0.3秒差。もう少し積極的に乗ってもよかった感。牝限GⅢなら巻き返し可能。

10着シンティレーションはインで溜め、直線も内からいざ伸びようとしたところ、コンクシェルがヨレてきて、内からレガレイラにもぶつけられて急ブレーキをかけた。不利が致命的だった。見直し可能。ただ、それを踏まえても2200mが若干長いような止まり方はしている。理想は府中牝馬Sのような高速馬場の1800mだろう。

11着キミノナハマリアはスタートで躓いた。最後まで止まってはいないがジワジワと後退。良馬場のGⅠでは現状このくらいが精一杯。

12着エリカヴィータは後方追走からわずかに伸びるも前に迫るほどではなかった。

16着コンクシェルは強気に逃げるも距離が長かったか。直線は右にヨレて他馬に迷惑もかけてしまった。短縮はいいが、2000mでも1ハロン長いとは思う。

参考レース② 福島記念

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

馬場はほぼフラットかやや内有利。大きな先行争いもなかったがペースは前後半59.5-61.2の前傾で、しかも残り1000mから12.0-12.0-12.2-12.4-12.6と若干早仕掛け。差し有利の展開だったと評価する。

2着フェアエールングはインの中団でじっと脚を溜め、直線も内目から食らいついた。展開利とハンデ52キロの有利があったもので鵜呑みにはできない。

6着エンパイアウエストはイン5でロスなく立ち回ったが、直線は目立つ脚を使えなかった。

参考レース③ 秋華賞

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

これといった内外のトラックバイアスはなし。セキトバイーストが大逃げの奇策に出て1000m通過57.1秒。離れた3番手集団でも59.4~59.5秒くらいでやや速かった。差し有利の競馬だったと評価する。

9着コガネノソラは先行して外々を回り、直線はジリジリと後退して9着に終わった。これまで1800m以下【4-1-1-1】で2000m以上は12着、9着、8着。少し長いのかもしれない。

15着クイーンズウォークはスタートで躓いて後方から。向正面で少しポジションを上げていったが、直線は残り250mあたりで早々に脚がなくなり、最後はヤメた。これが本来の実力ではない。気性と厩舎の特徴から休み明けの方がいいタイプか。

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