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「セレクトセール2億円ライン」

高い店で焼き肉を食べるとオイシイ。

バカオブバカの書き出しで恥ずかしいが、1食3000円で済むような学生向けの焼肉店と、1万円からするような店では満足度が明確に違う。

ところが、これまたバカ丸出しで申し訳ないのだが、一定のラインより高級な店になると、わたしの感想は全部一律で「めちゃくちゃうまい」になってしまう。3000円→13000円で上昇する満足度に対し、10000円→20000円で上昇するソレは逓減しているように感じられてならない。

閑話休題。セレクトセール4億5100万円で話題を集めたホウオウプロサンゲが新馬戦で4着に敗れた。たった1戦だけで走らないと決まったわけではないが……。言葉を濁しておこう。

セリで100万円の馬よりは1億円の馬の方が活躍する傾向にあるだろう。だが、わたしにはこの手の超高額馬が、1~2億円台の馬より有意に稼ぐようには思えないのである。いわゆる「実馬の評価」でつく価格はせいぜい2億円ぐらいが上限であり、それより上の値段は「絶対に引かないと決めた複数名の大富豪による、意地の張り合いがどこまで続いたか」の結果でしかないのではないか。

以下は中央競馬だけを対象にしたザル集計だが、実際に数字を出してみた。

※中央競馬で出走したことのあるセレクトセール落札馬。税込。現2~20歳世代
セレクト1億円台 1頭当たり賞金5300万円
主な活躍馬 ラヴズオンリーユー、スワーヴリチャード、ミッキークイーン

セレクト2億円台 1頭当たり賞金7017万円
主な活躍馬 サトノダイヤモンド、ジャスティンパレス、ワールドプレミア

セレクト3億円超 1頭当たり賞金3724万円
主な活躍馬 アドマイヤビルゴ

うーん、感覚通り。1億円台→2億円台では獲得賞金額も上がっているが、2億円台→3億円超では上がらない、それどころか半減している。もっとも3億円超の馬は母数が17頭と少なく、JRA重賞馬がいまのところゼロ。今後たった1頭でも大当たりが出れば逆転する可能性もあるにはあるが。

まあいずれにせよ我々庶民には縁遠い世界なのだが、POG戦略ぐらいには使えるだろう。2億円のラインを超えたらあとはいくら高くても、活躍度に大した差は表れない。「セレクト4億!」といった謳い文句にほだされないようにしよう。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。