能力評価:★★★★
苦手条件:ソラ癖あり?
臨戦過程:ホープフルSから休み明けの弥生賞を叩いて2走目。古き良き王道
《寸評》
現3歳世代屈指のハイレベル重賞となった京都2歳Sの勝ち馬。ホープフルSも好位の内目追走から直線半ばで完全に抜け出したが、ゴール前でレガレイラの強襲に遭って2着だった。しかしながら、レガレイラが近寄ってきてから明らかに再加速しており、止まったのではなくソラを使ったものだと思われる。
弥生賞は4角で加速にモタついた分、前との差を詰められないまま2着。始動戦としては最低限走った。能力と経験面は申し分なく、叩いた上積みが順当にあれば好勝負になるだろう。ただし勝ち切るには抜け出すタイミングに注文がつく。
能力評価:★★★★★
得意条件:不明
苦手条件:ミドル以上のペース未経験。右回り未経験
臨戦過程:11月の新馬戦、2月の共同通信杯と連勝し、さらに中8週でここへ。フレッシュだが、経験値不足は否めない
《寸評》
デビュー戦は1000m通過63.1秒のスローペースを先行抜け出しで勝利。1.3/4馬身差を付けた2着馬ヘデントールもその後強烈な内容で2連勝しており、レベルは非常に高かった。
共同通信杯も1000m通過62.7秒のスローをやはり先行し、上がり32.6秒を繰り出してジャンタルマンタルらを下した。展開に恵まれたのは言うまでもないが、それでもラスト10.9-10.8は衝撃的な数字。瞬発力という観点では高次元の才能を持っている。
懸念は超のつくスローペースしかやっていないこと。例年1000m59秒前後で流れる皐月賞を先行すれば、今までとは全く追走スピードが変わってくる。その流れでも脚が使えるかは未知数。
ちなみに過去10年で「1000m通過61秒未満の流れを経験せずに皐月賞に出た馬」は【3-0-0-26】で単回収率36%、複回収率17%。好走はサートゥルナーリア、エフフォーリア、ソールオリエンス。勝てばエフフォーリア級の怪物だと思う。が、その可能性も十分に秘めていて、消しと断ずるのもリスキー。
能力評価:★★★★★
得意条件:不明
苦手条件:ややゲート難あり
臨戦過程:暮れのホープフルS制覇から直行
《寸評》
アイビーSはペースが遅すぎて上がり32.7秒を使うも届かず。これを完全に参考外とすると、まだ底を見せていない。ホープフルSは4角のゴチャつきで外の方を回されたが、直線に入ると急加速してラスト12.0-11.5のラップで差し切った。見た目通りの強い内容だった。
気になるのは今回主戦のルメール騎手が離脱してしまったこと。月並みだがやはり痛い。右に重心をかけながらゲートを出る面があり、速いスタートは切れない。位置取りは期待できないだろう。皐月賞の傾向として、昨年のような極悪馬場や16年のような強い直線追い風でもない限り、多少のハイペースでも後方一気はなかなか決まらない。そのあたりがどうか。
能力評価:★★★★
得意条件:ワンターンの1800mまではこなす
臨戦過程:共同通信杯から短期放牧を挟んで中8週
《寸評》
京都芝1800mのデビュー戦は時計優秀かつ余力十分の勝ち方で、少なくともワンターンの1800mまでは守備範囲。デイリー杯は内があまりよくない馬場でインから突き抜ける勝ち方だったが、逆に朝日杯FSは内有利馬場のインを捌いて上手くいった。この際の勝ち時計1:33.8は前週阪神JFより1.2秒遅く、レースレベル的にはそこまで高くなかった可能性がある。
共同通信杯はペースが遅すぎて折り合いを欠いた。ジャスティンミラノとの差は詰められなかったが、自身の上がり32.6秒で力負けも何もないだろう。突出した能力を示したレースもないが、底も見せていないという立ち位置。
今回は1周の2000mという未知の条件になる。こなす可能性はあるが、プラスではないだろう。積極的に買う理由はあまり見当たらない。
能力評価:★★★★
得意条件:重馬場巧者と思われがちだが、前走は1:46.0の好時計
臨戦過程:若駒Sを右前肢跛行で競走除外。つばき賞を勝ち、スプリングSを予定するも左前肢フレグモーネで回避。翌週の毎日杯にスライド→圧勝してから中2週。かなりの強行軍
《寸評》
つばき賞も実はこの記事で取り上げたハイレベル戦だったのだが、何と言っても毎日杯が6馬身差の大圧勝。勝ち時計1:46.0はレース史上2位タイで、ラストは11.6-10.9-11.9。速い。道悪が合っていただけ、という議論は早計すぎる。個人的には「重馬場」という発表の方を疑っている。そんなに馬場が遅くなかったんじゃないかと。
能力はここに混じっても十分通用するはずで、ハイペースを先行した経験も、1周競馬の勝ち鞍もある。しかし問題は押せ押せのローテーション。どこまでお釣りが残っているか。そこだけ。
能力評価:★★★★
得意条件:ロングスパート◯
苦手条件:上がりの自己ベストは34.9秒。瞬発力問われると?
臨戦過程:大きな休養なく使われてキャリア8戦目、中5週。それでも追い切りのタイム自体は前走時よりさらに良化
《寸評》
世代屈指のハイレベル重賞・京都2歳Sでは8着。このとき4角で外々を回った挙句、直線入り口で挟まれる致命的な不利を受けており、それでいて対シンエンペラー0.6秒差なら侮ってはいけない。1月の1勝クラス2着も前後に行われたホープフルSや京成杯より速い走破タイムで、その裏付けとばかりに弥生賞を1:59.8のレースレコードで勝った。力をつけている。
その弥生賞は手応えが悪い人気馬を尻目に、向正面~3コーナーあたりで動いていくロングスパートを敢行し、そのまま押し切った。こういう競馬でしぶとい反面、自身の上がり3F自己ベストは34.9秒。キレが問われると見劣る。持ち味を生かすなら前走同様に自ら動く作戦だが、それを18頭立てでやればロスは大きい。乗り方が難しい。