【チューリップ賞】能力断トツ・ビップデイジーの懸念点は? 有力馬の調査レポート

中央競馬予想

チューリップ賞2025 上位人気想定馬の評価

ビップデイジー

能力評価:★★★★★

得意条件:中距離向き

《寸評》
2走前の紫菊賞がラスト3F11.4-11.2-11.0の加速ラップ勝ち。自身の上がりは33.3秒だった。京都芝1800mの2歳戦を上がり33.5秒以下で勝った馬は86年以降で8頭。そのうち全体時計が1分50秒を切ったものはエピファネイア、マカヒキ、ブラックスピネル、そして現3歳ビップデイジーとマディソンガールの5つに限られる。優秀な勝ち方だったのは間違いない。

阪神JFは序盤ややモタついて後手に回ったが、促しながら中団を追走し、直線は外へ持ち出していい脚を使った。GⅠであの走りができた以上、他に重賞実績馬がほぼいない(ウォーターガーベラのシンザン記念3着だけ)今回の相手関係では能力首位。

懸念は距離。キャサリーンパーの牝系(近親にマリアライト、ダンビュライト、クリソライト、クリソベリルなど)で父サトノダイヤモンドという血統面、および前走時のレースぶりから、本質的には1800~2400mの方がよさそう。京都外回りマイルは中距離馬でも比較的対応しやすいコースだが、阪神マイルは勝手が違う。

また、賞金も既に足りていてここはあくまで前哨戦。100%には仕上げてこないはず。取りこぼしの可能性はある。

マイエレメント

能力評価:★★★

得意条件:不明

《寸評》
新馬戦は新潟芝1600mを5番手追走し、直線で反応よく抜け出して勝利。スローペースながら勝ち時計1:34.9は同日の新潟2歳S5着相当で、新馬戦としては上々のタイムだった。

アルテミスSは出遅れ。前後半35.1-33.6のスローペース前残りに上がり最速32.8秒で追い込むも位置取りの差が響いた。着差は0.2秒(=2着とタイム差なし)だし、レースレベルも高かったので悲観しなくていい。

今回は初の右回り。あと1週前時点で「躍動感は物足りなさを感じる」とのコメントがあった。そのあたりが懸念事項。ただ、末脚のキレは確かで阪神外回りのマイルはいかにも合いそう。

ナムラクララ

能力評価:★★★

苦手条件:マイルは長い?

《寸評》
3走前りんどう賞はスローペース先行も4着止まりだったが、1着ヴーレヴーがエルフィンS勝ち、3着ダンツエランがファンタジーS勝ちで相手がそこそこ強かった。2走前は前後半33.8-36.0を前受けして2着、前走はリステッドで1.3/4馬身差の完勝。GⅠ級のインパクトはないが、手薄な今回のメンバーならやれそうな走りはしている。

ビップとは逆の意味で距離がネック。母サンクイーンⅡで、兄姉にナムラクレアとナムラアトムがいる血統。そこに父はアドマイヤマーズ。パッと見、マイルへの延長がプラスになるとは考えにくい。

ただしアドマイヤマーズはミオスタチンT/T(遺伝子的には長距離向き)だそうで、この馬自身も折り合いには苦労しない。そもそも距離が無理ならフィリーズレビューに行く選択肢もあった。ここを選んだのは陣営もマイルへの対応に勝算があるからだろう。前々で運んで展開向けば。

ウォーターガーベラ

能力評価:★★

得意条件:左回り
苦手条件:右回り(左モタれ)

《寸評》
3走前つわぶき賞で今回再戦するナムラクララに0.7秒先着を許した。シンザン記念3着の実績はあるが、これは内有利馬場のハイペースをイン後方に構えて展開的にハマったもの。内容は着順ほど評価できない。

左にモタれる面があって左右差を見せている馬。これまで中京【1-1-1-1】に対し、京都を走った2回は13着、10着と大敗を喫した。右回りはイマイチ。引退週の河内厩舎×武豊というトピックもあって馬券が売れそうで、その点含めて旨味がない。

スリールミニョン

能力評価:★★

苦手条件:折り合い△

《寸評》
4走前新潟2歳Sの走破時計1:35.4が前述の同日マイエレメント新馬より0.5秒遅いもの。ききょうSを勝つには勝ったが5頭立てで、2着以下の馬はその後1勝クラスでも馬券に絡んでいない。正直、レースレベルは未勝利戦と大差なかった。

ファンタジーSはイン前決着のイン5で運んで直線も最内を突いたが伸びずバテずの6着止まり。阪神JFはスタートから後方に下げて折り合いに徹し、外差し有利の展開が向いた上で0.8秒差5着まで。現状、重賞だとやや劣勢。引っかかる面があって距離も微妙に長いとも思う。

ルージュソリテール

能力評価:★★★

得意条件:不明

《寸評》
母レッドオルガは重賞タイトルにこそ届かなかったが東京新聞杯2着、富士S3着と活躍したマイラー。2代母エリモピクシーからはクラレント、レッドアリオン、リディル、レッドヴェイロン、サトノルパン、レッドアヴァンセが出ていて、血統的なバックボーンはいいものを持っている。

デビュー戦は3番手から直線抜け出して0.3秒差勝ち。1:37.1と時計は遅いが、雪による中止明けの稍重馬場で同日3勝クラス(外回り)でも1:35.0を要するコンディション。タイムで割り引く必要はない。むしろラスト12.0-11.3の加速ラップにはポテンシャルを感じる。

まだ一戦だけで未知な部分が多く、重賞に混ざってどうかはなんとも言えないが、オッズ次第で先物買いの魅力もある。

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