Categories: 中央競馬予想

【日経新春杯2025】5分で予習! 過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

日経新春杯2025の概要

開催日

2025年1月19日(日)

グレード

GⅡ・4歳以上

コース

中京芝2200m(※通常は京都芝2400m)

概要と歴史

年初の京都で行われる古馬のハンデGⅡ競走。特定のGⅠに向けた前哨戦というわけではないが、主に明け4歳馬の賞金加算の場として大阪杯や天皇賞(春)、宝塚記念など春の大一番にうっすら繋がっていく。

今年は通常日程の京都芝2400mではなく、中京芝2200mでの代替開催となる。関西圏はこのレースに限らず近年あちこちで重賞の代替開催が行われていて、日経新春杯が中京になるのも近5年で4度目。以下データは京都と中京が混ざっていることに留意されたい。

日経新春杯2025の登録馬

登録馬一覧

登録18頭(フルゲート18頭)

エヒト
キングズパレス
グランスラムアスク
ケイアイサンデラ
サトノグランツ
サリエラ
サンライズアース
ショウナンラプンタ
タッチウッド
バトルボーン
プラチナトレジャー
ホールネス
マイネルエンペラー
マイネルメモリー
メイショウタバル
ロードデルレイ
ヴェルトライゼンデ
ヴェローチェエラ

日経新春杯の基本データ(過去10年)

人気と配当の傾向

ハンデ戦ながら1-2番人気で合計7勝と上位人気の信頼度は高い。以下3,6,7番人気が各1勝。ただしヒモ荒れは多く、7番人気以下が1勝、2着3回、3着4回。一筋縄ではいかないか。

馬連の平均配当8498円。最低配当は510円(16年レーヴミストラル→シュヴァルグラン)、最高配当は58060円(21年ショウリュウイクゾ→ミスマンマミーア)。

枠順と脚質の傾向

京都開催時は内枠ややベターの傾向を示すが、今年は中京なので上記のデータは適用できない。中京代替時3回に限ると1-4枠【1-2-1-18】複勝率18.2%、5-8枠【2-1-2-19】同20.8%。微差だし、このサンプル数ではなんともいえない。

一般論を書いておくと中京芝2200mは初角までが長く、枠の有利不利が大きくないコースではある。なお、この週から仮柵を3m移動させてBコース替わり。

中京代替時3回の上位馬について1-3着馬の4角通過順を見ると、21年が3-16-6番手、22年が9-8-4番手、23年が4-2-10番手。大きな偏りや傾向は見られない。

前走について

ハンデ戦らしく条件戦勝ちたて、あるいは条件戦で負けていた「格上挑戦馬」の好走がちらほらある。前走2勝クラスだった馬が【0-1-1-2】で複回収率132%3勝クラスの2着以下馬が【2-0-1-8】複回収率150%。ここが穴候補。

3勝クラス勝ち上がり組も【1-3-1-4】の高打率。ところがOP・リステッドからの参戦は【0-1-1-18】と全く冴えない。

圧倒的に該当馬が多い前走重賞組は【7-5-6-84】。レースごとに細分化してチェックする。まず日本ダービーor菊花賞からの直行が【4-1-2-10】。そもそも4歳馬の好成績が目立つ(6勝)レースであり、牡馬クラシックに参戦していた馬はまずマーク。

前走が古馬GⅠだった組は【1-1-0-17】と不振。好走はジャパンC3着ヴェルトライゼンデ(1着)と有馬記念4着ステラヴェローチェ(2着。明け4歳)。ハンデの不利を覆すレベルの実力馬が格好をつけただけで、本質的には有利なローテといえない。

また、数としてはアルゼンチン共和国杯や中日新聞杯といったハンデ戦からの続戦も目立つが、前走がハンデ重賞だった馬も【0-3-1-41】とボロボロ。中心は条件戦組と牡馬クラシック組だと考えたい。

日経新春杯2025の参考レース

参考レース① 菊花賞

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアスはやや外有利。メイショウタバルは折り合いに専念し、外からエコロヴァルツがハナへ。岩田騎手が手綱を引いてペースを落としにかかると最初のホームストレッチではノーブルスカイやメイショウタバル、ピースワンデュックあたりが我慢できず先頭へ。2周目もアドマイヤテラが早めにポジションを上げるなど出入りが激しく、結局13秒台の区間は600~800mの1回だけ。ペースが緩まずスタミナがしっかり問われる、本格的な長距離戦になった。

2-3着はどちらも1周目ほぼ最後方にいた馬であり、序盤は後方で待機し、外を通って上がってきた差し馬が有利だったと評価する。

4着ショウナンラプンタは中団追走から内目をスルスルと上がっていき、直線入り口でスムーズに前も空いた。外の方が伸びる馬場だったのでその分の不利はあったが、おおむね力は出し切った。

16着メイショウタバルは折り合いが難しい馬でそもそも3000mが適性外だった。直線に向いた時点で完全にスタミナ切れを起こしており、最後は全く追わずにゴール。中距離で見直す余地はある。

参考レース② エリザベス女王杯

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

馬場は見た目上はインが荒れていたが、おおむねフラットと判定する。戦前の想定通りコンクシェルが逃げ、1000m通過59.6秒の平均ペース。淡々と12秒台中盤を並べ、ラスト4Fから徐々にピッチの上がる京都外回りらしいラップ構成だった。直線で複数の馬が接触する事象はあったが、それを除くと展開的に大きなバイアスはない決着だったと評価する。

3着ホールネスはインの好位でレースを運び、直線は内から数頭分避けた進路取りでしぶとく粘った。GⅠ初挑戦で立派だが、不利を受けたレガレイラを除いてレースレベルはそこまで高くなかったことに注意したい。

7着サリエラは揉まれ弱さがあり、今回のように外を伸び伸びと追い込む形が合う。展開はやや向かなかった。

参考レース③ 中日新聞杯

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

冬の中京開催2週目でまだトラックバイアスは内優勢。デシエルトが1000m通過58.8秒の締まったペースで逃げ、内で溜めた差しが有利な競馬だったと評価する。

2着ロードデルレイは終始外々を回る形で善戦した。ただ道中で少しリキむ場面があり、2200mへの距離延長が歓迎とはいえない。

5着キングズパレスはインの後方でじっと待機。外に回ったのは4角を出るところだけで、見た目ほどの距離ロスはない。ハイペースとはいえ残り3F地点で先頭より1.8秒後ろにおり、さすがに遠かったか。

9着エヒトは59キロを背負って強気に2番手先行。ハイペースが響いて坂上で苦しくなってしまった。この着順でもデシエルト以外の先行勢には先着している。

13着マイネルメモリーも後方待機で道中は内を走行。直線入り口でフタをされて外に出せなかった。比較的展開は向いた側で、ハンデ差も考えれば上位馬には力負け。

「重賞データ分析」の記事一覧へ

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。