能力評価:★★★★★
得意条件:不明
臨戦過程:前走時が5か月休み明けで+24キロ。ひと叩きされて陣営曰く「動きも全く違う」とのこと
《寸評》
しつこいようだが新馬戦が超S級。勝ち時計1:46.7は2歳6月の芝1800m戦としては史上最速のタイム。従来の最速は1:47.9(阪神)で、それを1.2秒も上回る。しかも後半1000mは11.9-11.5-11.3-11.1-11.5の57.3秒だった。
「2歳7月以前」「1600m以上」「レース上がり5F57.9秒以下」というレースは過去に7例しかなく、その勝ち馬はワグネリアン、グランアレグリア、セリフォス、ジオグリフ、リバティアイランド、ボンドガール、コートアリシアンと活躍馬が勢ぞろい。この馬もGⅠでの活躍はほぼ保証されたといってもいい。
東スポ杯はスローペースもあり時計的にはそこまで強調できない。ただし5ヶ月休養明け+24キロと重く、完調と言い難い状態で重賞を勝ったことは評価に値する。
懸念は2走どちらも東京の軽い芝でレース上がり33秒台だったこと。ホープフルSは過去10年でレース上がり3Fが平均36.03秒、ほとんどの年で消耗戦になる。そういう経験をしていないのがどうか。今までと全く質の異なるレースで、全幅の信頼とはいかない。
Xの方で紹介したが、ホープフルSの過去7年「レース上がり35.0秒以上で勝利歴がない馬」は【3-1-2-27】複勝率18.2%、単回24、複回37と数字が芳しくない。ちなみに好走6頭のうち、1周競馬での勝利歴もなかったのはコントレイルとワーケア(3着)だけ。勝ったらコントレイル級の偉業とも言える。お手並み拝見。
能力評価:★★★★★
得意条件:不明
苦手条件:右回りは?
臨戦過程:8月の新潟デビューから中9週→中9週のローテ。1週前追い切り後、精神面の課題を指摘するコメントあり
《寸評》
半姉にマスクトディーヴァ(父ルーラーシップ)。こちらは父がドゥラメンテなので血統は酷似している。
8月の新馬戦は時計こそ平凡だったが、2着マイネルチケットもその後重賞で2連続好走の強敵で、あとから見れば価値のある勝利。アイビーSはコントレイルの2歳レコードに次ぐ東京芝1800m2歳史上2位のタイムで勝った。ラスト11.3-11.2の加速ラップもマークしており、能力は非凡なものを感じる。
ただし前走時は序盤折り合いを欠き、3~4コーナーでは左にササる面を見せるなど、まだ上手に走れていない部分がある。延長で初の右回り1周競馬と課題は多い。
能力評価:★★★★
得意条件:道悪、消耗戦
臨戦過程:北海道シリーズで連勝。そこから中16週での直行。12月4日にCWで4F49.4秒をマーク
《寸評》
コナコーストの半弟。キズナ×短距離型の母というのは成功例が多い配合パターン。須貝厩舎の期待馬らしい函館芝1800mデビューから連勝した。
新馬戦は馬場が重すぎて評価に困るが、2-4、6,7着馬がその後勝ち上がるまずまずのハイレベル戦。札幌2歳Sは外有利のトラックバイアスを利したものではあるが、のちの2歳女王アルマヴェローチェに勝利。一定の評価はできる。
右回り1周競馬、消耗戦を連勝してきた点で、クロワデュノールとは対照的に経験面のアドバンテージがある。過去走パフォーマンスに前記2頭ほどのインパクトはないが、総合的に見て最も計算が立ちそうなのはこの馬。
能力評価:★★★★
得意条件:不明
臨戦過程:休み明け+14キロだったアイビーSから中9週。右回りと距離は新馬で経験済み
《寸評》
福島芝2000mの新馬戦でデビュー。スローペースの逃げ切りで勝ち時計は平凡だが、ラスト11.8-11.3の加速ラップが出た。福島芝の2歳戦でラスト1F11.3以下はコメートのきんもくせい特別以来、史上2例目。重賞でも通用するだろう。
2戦目のアイビーSはマスカレードボールに敗れたが、時計が速くてレベルは高い一戦だし、キレ負けの感もある。中山でスタミナを問う流れになれば逆転可能。
能力評価:★★★
苦手条件:瞬発力勝負△
臨戦過程:10月デビューから中2週→中6週で3戦目。他の人気馬に比べるとややタイト
《寸評》
デビュー戦はラスト11.6-11.2の加速ラップで差し切り。2着パーティハーンも次走5馬身差勝ちを収めた。
黄菊賞はミュージアムマイル(朝日杯FS2着)が相手で、勝ち時計2:00.0、後半58.3秒とレベルが高かった。2着なら及第点とはいえる。が、当時の3着がコスモイシュタル(→アイビーSで1.8秒差6着)だったことを踏まえると、アイビーS組との能力比較ではやや見劣る。
これまで2戦とも上がりはメンバー中2位でそれぞれ34.8秒、34.6秒。切れる脚がなくスタミナ勝負に持ち込みたいタイプで、ホープフルSの条件自体は歓迎。あとは単純に力が足りるかどうか。
能力評価:★★
得意条件:不明
臨戦過程:新馬戦から中8週。時計目立った前走時に比べるとこの中間は地味
《寸評》
母は三冠馬アパパネ。兄姉にアカイトリノムスメやジナンボーがいる良血。新馬戦は東京芝2000mの内枠を利して逃げを選択し、1000m通過62.7秒のスローペースを作る。ラストは11.6-11.3-11.1の加速ラップを刻んで後続の追い上げをわずかに振り切った。
2-3着馬も次走でしっかり勝ち上がっており、ラップから判断してもレースレベルはなかなか高かった。とはいえそれは「新馬戦にしては」の話。一気にGⅠ通用の根拠となるほどでもない。スロー逃げ切り一戦しか経験せず、相手強化で中山替わり、消耗戦必至のレース。課題山積の割に血統で人気先行なら手は出しにくい。