【ローズステークス2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

ローズステークス2025の概要

開催日

2025年9月14日(日)

グレード

GⅡ・3歳牝馬

コース

阪神芝1800m

概要と歴史

秋華賞の前哨戦にあたる3歳牝馬の重賞競走。3着以内の馬に本番への優先出走権が付与される。

旧阪神時代は芝2000mで施行されていたが、コース改修によって現在の阪神競馬場にリニューアルすると外回りの芝1800mに変更された。ワンターン大箱で純粋な末脚爆発力勝負になりやすいフェアな条件ではあるが、皮肉にも内回り1周の秋華賞とはリンクしにくくなり、近年は紫苑Sのほうがトライアルとしての存在感を増している。

ローズステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬21頭

アイサンサン
ウィルサヴァイブ
エリーナストーム
カムニャック
コンドゥイア
ジェルブロア
セナスタイル
タイセイプランセス
タガノアビー
ダンツエラン
チェルビアット
テレサ
パラディレーヌ
ビップデイジー
フェアリーライク
マトラコーニッシュ
ミッキージュエリー
ミッキーマドンナ
ランフォーヴァウ
ルージュソリテール
ヴーレヴー

ローズステークスの基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV。「枠順と脚質の傾向」は阪神芝1800mで施行された6回分を参照

人気と配当の傾向

フェアなコース形態でありながら、意外にも波乱が多いローズS。7、8番人気で2着3回。2桁人気の馬が2着3回、3着2回としばしば絡んでくる。

その一因として、春GⅠで活躍した馬にとってここはあくまで前哨戦にすぎず、全力で権利を取りに来た勢力と仕上げの差があることが挙げられる。以下の例全てが仕上げの差で負けたとは言わないが、既にGⅠを勝っていたミッキークイーン、レッツゴードンキ、ジュエラー、レガレイラなどが上位人気を背負って敗れている。

平均馬連配当は8688円。最高馬連配当は2万9960円(20年リアアメリア→ムジカ)、最低馬連配当は900円(22年アートハウス→サリエラ)。

枠順と脚質の傾向

「枠順と脚質の傾向」については阪神芝1800mで施行された6回を参照する。1、2枠が苦戦していて、勝ち馬6頭はいずれも4枠から外だった。ただ、外であれば外であるほどいいという傾向でもなく、内すぎる枠だけ減点して残りはさほど神経質にならなくていい。

4角通過順別では、5番手以内と6番手以下で好走率がほとんど変わらない。いわゆる「通常の傾向」と比べると差しもよく届くレースと評価できる。ちなみに上がり順位別だと6位以下は【0-1-0-63】。先行する馬であっても最低限の末脚は要求される。

前走について

前走未勝利組は【0-0-0-6】とさすがに厳しいが、1勝クラス組は【4-5-2-45】複勝率19.6%、複回収率112%。2勝クラス組は【0-2-4-20】複勝率23.1%、複回144%であり、条件戦組が好走確率、馬券妙味ともに春の既成勢力を押している。中でも「前走が1勝クラスか2勝クラスで上がり最速だった馬」は【3-5-2-26】複勝率27.8%、複回165%。条件戦で鋭い決め手を使えた馬は十分通用する。

かたや3勝クラス組は【0-0-0-3】、オープン・リステッド組は【0-0-0-3】、GⅢ組も【0-0-0-5】でこのあたりがさっぱり振るわない。GⅡ組は【0-1-0-3】で母数自体少ないが、2016年にフローラS以来の出走だったクロコスミアが11番人気2着と穴を開けている。

前走GⅠ組は【6-2-4-42】複勝率22.2%。その大半がオークスからの直行で【6-2-3-35】だ。注意したいのは、前走オークス組はその5着以内なら【4-1-3-4】複勝率66.7%と信頼を置けるが、6着以下は【2-1-0-30】複勝率9.1%、複回収率21%と低調だ。オークスで一度決まった序列は簡単に覆らず、穴を探すならそれよりも「夏の上がり馬」に目を光らせたほうがいい。

ローズステークス2025の参考レース

参考レース① オークス

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→懸念した雨の影響は限定的で、直前のフリーウェイSでは外2→イン3→逃げの決着が見られるほど。内外のバイアスはなかった。エリカエクスプレスがガッチリ抑えて逃げたが、それでも1000m通過は60.0秒。過度のハイペースではないが、距離不安を抱える馬多数&直線が長いオークスらしく、差し有利の決着だったと評価する。

1着カムニャック【好騎乗】
道中は中団やや後方の外目を追走。勝負所で馬群が凝縮すると少し頭を上げる素振りもあったが、全体的に前走より折り合いがついていた。直線は小細工なしに大外から脚を伸ばして差し切り勝ち。400m延長でも極めてリズムよく運んだシュタルケ騎手の好騎乗。展開の有利にも沿った。

3着タガノアビー【最高の騎乗】
スタートは隣のカムニャックがヨレてくる不利。そこからは抑えて最後方ポツンの形まで下げた。4角もインで動かず、直線はガラ空きになった最内を突いて上がり最速33.5秒。今日のトラックバイアスならイン突きは別に問題ないし、展開にもピッタリハマる最高の騎乗だった。

6着ウィルサヴァイブ【善戦】
ほぼ馬なりで中団を追走。1400~1600mを使われてきたこともあり、序盤は少し引っかかったが、そのあとは意外とすんなり折り合いもついた。直線は伸びずバテずで流れ込み。特筆する事項はないが善戦。

4着パラディレーヌ【力出し切る】
内枠から軽く促してアルマヴェローチェの背後をとりに行った。直線もアルマをピッタリとマークして進路を作ったが、最後はタガノアビーとの追い比べにクビ差だけ遅れた。結果的にはもっと後ろに展開が向いたレースだが、おおむね力を出し切った。

11着タイセイプランセス【スムーズに乗るも】
道中は後方のインを追走。4角出口で外に進路変更し、カムニャックの背後に入れた。スムーズだったが、しかしそこからイマイチ伸びず。現状ここでは力不足か。

12着アイサンサン【距離長い?】
好スタートを切って序盤の行きっぷりもよかったが、距離を懸念してか中団まで下げた。直線は空いた内を狙ってスムーズに追い出したが、特に伸びを見せず。距離が長そうな負け方。

13着ビップデイジー【2歳時の姿なく】
五分のスタートから意図的に抑えて後方へ下げた。カムニャックの背後を追うようにスパートしたが、こちらは全く伸びず。2歳時の輝きがない。

参考レース② NHKマイルC

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:フラット~やや外有利、高速
展開:ハイ
→馬場は外も伸びるがインもダメではない。4レースでマンゲタックが逃げ粘り(9番人気3着)、メトロポリタンSも道中最内追走の馬が2,3着に入ってきた。外許容度は高めのフラットと判定する。

トータルクラリティがブリンカー着用、アドマイヤズームが完全に折り合いを欠き、3角ではそれを制してヴーレヴーがハナに立つ。前半3Fは33.4秒のハイペース。上位はマジックサンズを除いて1400m好走歴のある差し馬が占めた。スピードタイプの差し有利なレースだったと評価する。

3着チェルビアット【折り合いついて】
序盤はじっくり折り合い専念でイン中団待機。桜花賞で我慢させたこと、ペースが流れてくれたことも相まって、近2走より断然落ち着いて追走できていた。直線は溜まった脚を遺憾なく発揮してアタマ+ハナ差の3着。1400mの方が競馬はしやすいと思うが、道中の溜めさえ利けばマイルでも走ることが分かった。

15着ヴーレヴー【ペース厳しく】
外枠から行きっぷりよく先行。ただ、そこからなかなか折り合いがつかず、ダラダラと競る形で3角までにハナを奪った。このペースの逃げでは厳しく、当然直線でバテた。マイルはギリギリで、1400m以下の方が競馬はしやすそう。

「重賞データ分析」の記事一覧へ

タイトルとURLをコピーしました