セントライト記念2025の概要
開催日
2025年9月15日(月)
グレード
GⅡ・3歳
コース
中山芝2200m
概要と歴史
菊花賞の前哨戦にあたる3歳の芝中距離重賞。3着以内の馬に優先出走権が付与される。日本競馬史上初の三冠馬・セントライトの名前をレース名に冠している。
1984年のシンボリルドルフ以降、長らくこのレースと菊花賞を連勝した馬が出ていなかったが、2015年にキタサンブラックが優勝。これが実に31年ぶりの出来事となった。その後また同じくここの勝ち馬が本番を勝てない流れに入っていたが、昨年アーバンシックが9年ぶりに菊花賞を勝った。メンバーレベルは神戸新聞杯に比べるとやや低調な年が多い。
セントライト記念2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬12頭
エーオーキング
サクラファレル
ジーティーアダマン
ビーオンザカバー
ピックデムッシュ
ファイアンクランツ
フィーリウス
ブルータス
ミュージアムマイル
ヤマニンブークリエ
リギーロ
レッドバンデ
セントライト記念の基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

キタサンブラックが勝った2015年や、アサマノイタズラが9番人気1着だった2021年など荒れる年もあるにはあるが、ここ10年で1~3番人気決着が5回もあり、堅い年はとことん堅く収まる。
特にここ3年はいずれも1~3番人気の3頭(順不同)が1~3着を占めており、3連複は14.6倍、8.6倍、10.7倍という低配当だった。
平均馬連配当は3301円。最高馬連配当は1万3320円(15年キタサンブラック→ミュゼエイリアン)、最低馬連配当は310円(23年レーベンスティール→ソールオリエンス)。
枠順と脚質の傾向

1枠の複勝率36.4%が頭ひとつ抜けて高く、回収率がいいのは2枠。全体的に内枠の成績がいい。対照的に8枠は【0-2-0-19】で複勝回収率もわずか10%と苦戦を強いられている。

ただし脚質的には特記事項なし。多少は前有利の感じもするが、4角6番手以下の馬も4勝を挙げる。極端な偏りはない。
前走について
前走未勝利組は【0-0-0-2】。1勝クラス組は【1-0-2-38】複勝率7.3%、複回収率30%と苦戦している。なお馬券に絡んだ3頭のうち2頭は2022年のガイアフォースとローシャムパーク。どちらも前走を1.1秒差で圧勝してここでも上位人気に押されていた。そのレベルの勝ち方でなければ、基本的に1勝クラス組は無視してよさそうだ。
もう少し通用しそうな2勝クラス組は【1-2-0-24】複勝率11.1%、複回収率16%とこれも案外振るわない。好走した3頭はいずれも2番人気以内であった。ローズSの記事と読み比べてもらうと好対照で、セントライト記念の場合、条件戦組から穴は出ない。
3勝クラス組は【0-0-0-1】、オープン・リステッド組は【0-0-1-5】。サンプルも少ないので特に書くことなし。
中心はやはり重賞組。というより、勢力はラジオNIKKEI賞組【3-1-1-11】複勝率31.3%と、ダービーから休み明けでここに臨む馬【5-7-5-19】複勝率47.2%の2パターンにほぼ分けられる。
ラジオNIKKEI賞組はその勝ち馬【1-1-0-0】。あるいは斤量56kg以上を背負っていた馬【2-0-1-1】という切り口もある。「前走55キロ以下かつ2着以下」の馬は【0-0-0-10】と全滅だ。
ダービー組はその着順との「非直結」がポイント。ダービー3着以内【1-2-0-1】複勝率60.0%、4~9着馬【0-2-3-7】同41.7%に対し、10着以下馬は【4-3-2-10】同47.4%、複回収率152%。ダービーの着順問わず好走率がさほど変わらないため、当たり前だが人気にならない大敗組の方が回収率は圧倒的に高くなる。
また、ダービー時の脚質も参考になる。4角5番手以内にいた馬は【3-5-2-7】複勝率58.8%、複回163%。東京の長い直線で粘りきれなかった馬が中山に替わって着順を上げる傾向が見られる。
セントライト記念2025の参考レース
参考レース① 日本ダービー
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利
展開:実質スロー
→馬場は前日の豪雨がウソのように高速でやや内有利。いわゆる「ダービーデー」らしいコンディションだった。序盤はサトノシャイニングがまさかの逃げ、途中からホウオウアートマンが先頭に立ち、前後半60.0-59.5のほぼミドル。ただし2番手以下は3角あたりで前と大きく離れており、馬群は実質スロー。内前有利なレースだったと評価する。
6着ミュージアムマイル【展開向かず】
レーン騎手は内ラチ沿いの5番手あたりを狙っていたように見えたが、そこはリラエンブレムやレディネスもさすがに譲ってくれず。枠が一見よかった割に内を通せるでもなく、先行するでもなく、外枠の人気勢よりむしろポジションが悪かった。直線はマスカレードボールのさらに外後ろからジワジワ伸びてきたが、最後はやや甘くなり6着。今の時期なら対応するかと思ったが、本質的に2000mまでの馬かも。
9着ファイアンクランツ【トラックバイアスやや不利】
16番枠から強気に出してポジションを取りに行ったが、ホウオウアートマンに抵抗されて一列引かざるを得ず。ただ、3角に入るあたりではクロワデュノールをぴったりとマークする位置につけていた。直線は大きくバテたわけではないが、伸び負けてこの着順。外を回り続けて若干のトラックバイアス不利はあったが、おおむね現状の力通りの結果か。
参考レース② 皐月賞
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:やや内有利、高速
展開:ミドル、早仕掛け
→馬場は前日に続いて高速、外を回った馬に厳しいバイアス。1000m通過59.3秒はミドルか遅めの部類だが、ファウストラーゼンがマクって(向かい風のはずの)残り1000mから11.4-11.5を踏んだ。早仕掛けで先に動いた馬ほどキツい展開になった。内目で脚を溜めた差し馬が有利なレースだったと評価する。
1着ミュージアムマイル【鞍上巧い】
道中は中団馬群のなか、内から2車線目あたりのラインを追走。マクりが入っても慌てず騒がず、外に出そうとしたジョバンニを弾き返す。4角まで内目を通し、出口でサトノシャイニングを利用しながら外へ持ち出した。上手い。直線は早仕掛けで苦しくなったクロワデュノールを狙い撃つように差し切った。展開が味方したのは確かだが、とはいえGⅠでの着差0.3秒はそこそこ決定的。
14着ジーティーアダマン【展開不利】
五分のスタートから自然と先行策。ファウストラーゼンがマクったあたりから手が動く形で、早仕掛けに巻き込まれた。展開的に厳しかった。
参考レース③ ラジオNIKKEI賞
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内有利
展開:ミドル
→開幕週の福島、そしてこのレースらしい内有利の馬場。シンプルに内を通った馬が恵まれたレースと評価する。
4着ビーオンザカバー【G前鋭く】
スタートはイマイチで、そのあと促してもダッシュはつかず最後方から。ただ、そこからの対処は見事で、じっくりと内を回り、4角も距離ロスをしないよう丁寧に導かれ、直線に脚を残した。その甲斐あってゴール前の伸び脚は鋭かった。トラックバイアスの利も多少はあるが、1,3着馬よりは2キロ重い斤量で小差。能力は感じる。
13着エーオーキング【完敗】
やや躓くようなスタートだったが事なきを得た。中団やや後ろを追走し、3~4角は外を回る形でトラックバイアスに逆行した。ただ、全く伸びていなかったので進路取りがどうあれ上位には来られなかっただろう。そもそも水仙賞が展開、馬場ともに恵まれすぎていた。