【札幌2歳ステークス2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

札幌2歳ステークス2025の概要

開催日

2025年9月6日(土)

グレード

GⅢ・2歳

コース

札幌芝1800m

概要と歴史

夏競馬期間の2歳重賞としては最長の1800mで行われる一戦。1966年に創設され、当初は名称が「北海道3歳ステークス」、条件は「砂1200m」だった。1997年から今と同じ札幌芝1800mに変更されると、2000年の優勝馬ジャングルポケットが翌年の日本ダービーを制覇。その後もサクラプレジデント、アドマイヤムーン、ロジユニヴァース、レッドリヴェールなどの活躍馬を出した。

近年は特にレベルの向上がめざましく、2020年勝ち馬ソダシはその後阪神JFや桜花賞などGⅠ・3勝。21年のジオグリフは皐月賞馬になった。早期にクラシック出走のための賞金を確保したい素質馬が火花を散らす注目の重賞だ。

札幌2歳ステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬13頭

アーレムアレス
オブラプリーマ
サンセットゴールド
ショウナンガルフ
ジーネキング
ジャスティンシカゴ
スマートプリエール
トーアサジタリウス
ネッタイヤライ
ヒシアムルーズ
ポペット
ミリオンクラウン
ロスパレドネス

札幌2歳ステークスの基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV

人気と配当の傾向

勝ち馬10頭はいずれも6番人気以内から出ており、4~6番人気の複勝回収率が100%を超えている。ハイレベル重賞らしく突拍子もない荒れ方は多くないが、クロコスミアが8番人気だったり、昨年アルマヴェローチェが6番人気だったり、「強い馬」がまだ発見されていないケースはしばしば存在する。

平均馬連配当は4791円。最高馬連配当は1万8120円(16年トラスト→ブラックオニキス)、最低馬連配当は880円(15年アドマイヤエイカン→プロフェット)。

枠順と脚質の傾向

札幌開催の最終週に行われるため、既にインが伸びなくなっている年も少なくない。7~8枠が合計5勝2着7回を占め、特に8枠は複勝回収率も164%と大幅黒字圏だ。

4角通過順別では5番手以内の馬が9勝しており、一見すると前有利に見える。しかしこれは直線が短い札幌コースならではのデータの罠。初角通過で見ると5番手以内【3-4-3-44】複勝率18.5%に対し、6番手以下【7-6-7-52】同27.8%なので、後ろにいた馬の方が好成績になる。つまり、序盤はじっくり構えてコーナー早め進出で好走した馬が多い、という話。

前走について

前走が新馬戦だった馬は【5-5-7-51】複勝率25.0%、複勝回収率51%。距離延長組【0-0-1-10】や、前走福島組【0-0-0-8】は振るわない。

前走未勝利組は【4-2-0-25】複勝率19.4%、複回51%だが、単勝オッズ10倍未満の人気馬なら【2-1-0-2】と信頼度が高い。函館2歳Sの時にも似たようなことを書いたが、「ある程度能力を評価されているグループ」に関しては、新馬戦で敗れて実戦経験が増えることは決してマイナス材料ではない。なお、こちらも距離延長馬は【0-1-0-6】とイマイチ。

前走がオープンあるいは重賞だった馬は【1-3-3-20】複勝率25.9%、複回111%。クローバー賞かコスモス賞の連対馬は【1-3-2-7】複勝率46.2%と好成績だが、なぜかあまり人気にならない。該当馬がいれば押さえておいてもいい。

札幌2歳ステークス2025の参考レース

参考レース① 2歳新馬(7月20日・函館芝1800m)

1着アーレムアレス【素晴らしい内容】
イン3からの競馬。4角で逃げ馬をパスし、直線はハムタンの外からゴーサイン。反応鋭く差し切り、1.3/4馬身差で勝利した。勝ち時計1:48.7は当コースの2歳戦史上4位の好時計。さらにラスト11.8-11.3の加速ラップ。ゴール後も突き抜けていった現2歳牡馬ではトップクラスの好内容。

参考レース② 2歳新馬(6月29日・福島芝1800m)

1着ロスパレドネス【好タイムでV】
パドックでは馬っ気全開だったが、実戦は意外と常識がかっていた。道中は馬群の切れ目、6番手を追走し、勝負どころでややモタついたが、外から抜け出して2馬身差の快勝となった。ラスト2Fは12.1-12.0の加速ラップ。勝ち時計1:49.5は福島芝1800mの2歳新馬としては歴代2位の好タイム(1位はノームコア)。福島デビュー組はなかなか出世しない傾向だが、そのなかでは目立つ内容といっていい。

3着ジーネキング【左回りベター?】
大外枠から外の3番手を先行し、直線入り口で先頭に立つもあっさりかわされて3着。コーナーのたびに少し外へ張る面を見せており、直線は逆に右へモタれた。左回りの方が合うかも。

参考レース③ 2歳新馬(8月2日・札幌芝1500m)

1着ポペット【史上初の上がり33秒台】
ゲートはイマイチだったが、巻き返して中団からの競馬。道中は手応え抜群で、直線は1頭だけ次元の違う末脚で突き抜け、3馬身差の勝利となった。時計が出やすい馬場だったのも確かだが、勝ち時計1:29.3は当コースの新馬戦史上3位タイの記録。札幌芝1500mの2歳戦で上がり33秒台は史上初の快挙だった。重賞で勝ち負け可能、GⅠでも出番があるかもしれない。

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