【セントウルステークス2025】過去10年のデータ・傾向と参考レース回顧

データルーム

セントウルステークス2025の概要

開催日

2025年9月7日(日)

グレード

GⅡ・3歳以上

コース

阪神芝1200m

概要と歴史

サマースプリントシリーズの最終戦にして、スプリンターズSの前哨戦でもある古馬の短距離重賞。1987年の創設当初は1400mだったが、2000年から1200mへと短縮された。

言うなれば夏競馬と秋競馬の結節点であり、あくまでも「GⅠへの叩き」として出てきた実績馬が、ここに全力を賭したサマーシリーズ組に敗戦を喫することも。その筆頭たるロードカナロアは1200mで生涯4敗しかしなかったが、このレースは2年連続2着止まりだった。なお2025年からJRAでは各前哨戦とGⅠのレース間隔を空ける措置をとったが、このセントウルSは従来と同じくスプリンターズSまで中2週のスケジュールとなっている。

セントウルステークス2025の登録馬

登録馬一覧

登録馬17頭

アブキールベイ
ウイングレイテスト
エコロジーク
カルチャーデイ
カンチェンジュンガ
グランテスト
ショウナンザナドゥ
ジャスティンスカイ
ティニア
テイエムスパーダ
デュガ
トウシンマカオ
ママコチャ
モズメイメイ
ヨシノイースター
レッドアヴァンティ
ワンダーキサラ

セントウルステークスの基本データ(過去10年)

※出典:TARGET frontier JV。「枠順と脚質の傾向」は阪神開催の6回分

人気と配当の傾向

1番人気が7勝と圧倒的な強さを誇り、続く2番人気も複勝率60%とまずまず強力。一方で驚くような大穴の勝利も見られ、2015年には10番人気アクティブミノル、2023年には14番人気テイエムスパーダがそれぞれ逃げ切った。

平均馬連配当は6860円。最高馬連配当は3万4820円(23年テイエムスパーダ→アグリ)、最低馬連配当は490円(16年ビッグアーサー→ネロ)。

枠順と脚質の傾向

「枠順と脚質の傾向」は阪神で開催された6回分を参照する。開幕週ではあるものの、1枠【1-0-0-6】、2枠【0-1-0-8】はどちらも低調な数字だ。1~4枠、5~8枠と半分に分けても後者の方が複勝率、回収率ともに優勢を示す。

重要なのは枠順より「タテ」の位置取り。先に述べたアクティブミノルやテイエムスパーダの逃げ切り含め、4角5番手以内の馬が【4-3-3-23】複勝率30.3%、単勝回収率502%、複勝回収率157%と驚異的な数値だ。ちなみに「前走4角5番手以内」の馬でも複回収率129%。とにかく前に行ける馬を買いたい。

前走について

前走3勝クラス組は【0-0-0-4】。OP・L組も【0-0-2-24】で、複回収率も18%と残念な数字。好走2例はどちらも4番人気3着。なお中京開催時だった。

前走GⅢ組は【3-8-6-77】複勝率18.1%、複回収率77%。このうち中3週以下の馬は【3-4-3-45】で、好走率自体はさほど上がらないが、複回収率は98%とやや高め。開催順が入れ替わっているのが厄介だが、例年で言うとCBC賞より北九州記念組が優勢。今年なら北九州記念組よりCBC賞組の方が狙い目になるのではないか。

前走GⅡ組は【3-0-0-2】。アクティブミノルがニュージーランドTから400m距離短縮で大穴を開けたが、他4例はいずれも京王杯スプリングカップからの参戦であった。勝ったのはメイケイエールとトウシンマカオで、どちらも中京開催の年だった。

海外含む前走GⅠ組は【4-2-2-11】。複勝率42.1%は高めだが、複回収率は67%と平凡だ。着順別に見ると3着以内【1-0-0-5】が意外にもイマイチで、4~9着が【3-2-0-0】のパーフェクト連対。10着以下は【0-0-2-6】複回42%だった。GⅠ実績馬の登場も多いレースだが、彼らにとってここはあくまで秋に向けた叩き台に過ぎず、その圧倒的支持に見合う好走確率はない。

セントウルステークス2025の参考レース

参考レース① 高松宮記念

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:外有利(3~4角向かい風影響あり)
展開:ミドル~ややスロー
→土日通じて直線は外の伸びが目立つ馬場。また、3~4角向かい方向に7mの風が吹いていたらしく、その負荷もあって先行勢は余計に厳しかった。ペースは前後半33.8-34.1でGⅠにしてはやや緩いくらいだが、外を通った差し馬が恵まれたレースと評価する。

3着ママコチャ【負けて強し】
枠なりに馬群の外目を回され、3~4コーナーは少し外に張る場面もあった。内からエイシンフェンサーに弾かれる不利を受け、向かい風の負荷もあったと思うが、残り200mで一度先頭に立つ場面を作って0.3秒差3着。負けて強しの競馬だった。スプリンターズSでも有力だろう。

4着トウシンマカオ【右ベターだが】
中団馬群の一角、ちょうどサトノレーヴの真後ろに付けた。コーナーはやや外へ張り気味だが許容範囲で、直線もスムーズに追い出せたが、上位2頭ほどの鋭い脚は使えなかった。今回もママコチャとの着差はわずかなのでこの馬自身が大きくパフォーマンスを落としたわけではないが、やはり右回りの方がいいように映る。

10着カンチェンジュンガ【弾けず】
普段より前目のポジションで内ラチ沿いを追走。直線は外にカニ歩きしながら追ってきたが、イマイチ弾けなかった。トラックバイアスにやや逆行した面はあるが、この相手では力負けの感。

13着モズメイメイ【力不足】
スタートから積極的に促して先行し、内から2車線目を通して直線に向いたが、全く伸びずに最後は後退した。ここでは力が足りない。

16着ウイングレイテスト【徐々に衰え?】
1枠2番から積極的に押して行ったが、ビッグシーザーが絡んできたので引いてイン3に。直線は伸びないインを突いたのもあって最後はパッタリ止まった。前年秋から徐々にパフォーマンスを落としている感。

参考レース② 北九州記念

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:フラット~やや外有利
展開:ハイペース
→少頭数戦が多く馬場の判断は難しかったが、前日と変わらずほぼフラットか若干外がいいくらいのバイアスと見る。外枠からシロンが強気に出して行き、前後半3F32.5-35.3はコース形態を差し引いてもハイペース。外差し有利なレースだったと評価する。

2着ヨシノイースター【4角ロス響く】
大外枠から激しい先行争いには加わらず、好位やや後ろで追走。終始大外を回される形になった。4角では目の前にいたロードフォアエースが膨れ気味で、その影響で内からヤマニンアルリフラに抜け出された。ロードがもうちょっとタイトに回ってくれれば着順は替わっていたかも。斤量差と展開を考えれば強い2着。

3着アブキールベイ【展開は向いた】
後方の外を追走。ヨシノイースターを1~2列後ろから見るような競馬になった。4角で外目を回った距離ロスはそれなりにあったが、おおむね展開が向いた側。とはいえ古馬牡馬58キロ相当の重ハンデでこれだけ走れた点は評価したい。

15着モズメイメイ【詰まる】
逃げ馬の後ろ、内ラチ沿いを追走。4角で既に手応えも怪しかったが、直線は詰まって何もできなかった。参考外。

参考レース③ NHKマイルC

レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)

トラックバイアス:フラット~やや外有利、高速
展開:ハイ
→馬場は外も伸びるがインもダメではない。4レースでマンゲタックが逃げ粘り(9番人気3着)、メトロポリタンSも道中最内追走の馬が2,3着に入ってきた。外許容度は高めのフラットと判定する。

トータルクラリティがブリンカー着用、アドマイヤズームが完全に折り合いを欠き、3角ではそれを制してヴーレヴーがハナに立つ。前半3Fは33.4秒のハイペース。上位はマジックサンズを除いて1400m好走歴のある差し馬が占めた。スピードタイプの差し有利なレースだったと評価する。

16着ショウナンザナドゥ【全く伸びず】
中団追走で手応えよく直線に向いたように見えたが、そこから全く伸びなかった。最後は両隣から挟まれる不利もあったが、その前に勝負からは脱落していた。

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