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【POG】第4回・指名馬検討会 デキる男は地方馬指名で差をつける!

POGで地方馬を指名する利点

第4回。これでラストです。前回はコチラ

最終回はオマケでもあり、得意分野でもある「地方馬指名」について。これまで地方馬限定のルールではヒガシウィルウィンやアクアリーブルを、中央馬も込みのPOGではアップトゥユー、トラスト、サントノーレらを指名してきた。今回は地方馬の選び方にフォーカスを当てる。

そもそも、わざわざ地方馬を獲るメリットはなんなのか? まずはそんな疑問にお答えし、地方馬を獲ることの利点を紹介しよう。

利点1:当たった時にカッコいい

これに尽きますね。地方馬を指名して、交流重賞で活躍しようものならカッコいい。本や世間の評判に惑わされず、己の眼力とセンスで隅々まで検討していることをアピールできる。地方競馬にも精通した「デキる男」を演出できる。

利点2:能力試験(検査)の映像があり、見極めが比較的容易

真面目な話をするとコレ。JRAもレーシングビュアーで一部の2歳馬は映像を観られるが、あくまで一部、かつ4コーナーから直線の脚勢くらいしか分からない。一方、南関や門別の能力試験(※門別では「能力検査」。以下、便宜上「能試」と呼ぶ)は極めて実戦に近い形でスタートからゴールまで映像が提供されている。コツさえ分かれば良し悪しを判定するのはそう難しくない。

利点3:下位指名でもいい馬が獲れる可能性あり

普通の団体であれば、わざわざ地方馬を上位で指名する人はいないだろう。走る見込みのある馬でもノーマークになり、下位で悠々指名できる。しかし現3歳世代でもサントノーレが6195万円、ウルトラノホシが4950万円など、トップ層はJRAのオープン馬と遜色ない金額を稼ぐ。そんな馬を下位指名で獲得できれば貴重な戦力といえよう。

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メリットはこんなところだ。ちなみに能試を見る際の個人的なポイントはおおむねこんな感じ。

①タイム
→同日の他レースと比べて速いに越したことはないが、あくまで参考程度。

②血統背景
→能試は概して800mで行われるので、一般論として短距離馬の方がいい内容に見えやすい。父や母系に長い距離をこなせる下地があって能試の動きもよければ信憑性が増す。

③映像
スタート、騎乗者のアクション、ギアチェンジを主に注目。当たり前だが持ったままで50.0秒と、鞍上がびしばし追って50.0秒では全然価値が違う。道中は手応えよく、それでいて引っかからずに鞍上の指示を待ち、直線で仕掛けられたらグンと加速する。そんな走りが理想となる。ぶっ放して逃げ切るような能試は、たとえ大差がついてもあまり信用できない。

以上を踏まえて、今年気になった地方馬を厳選4頭ピックアップした。なお、今回は既にデビュー済みの馬は候補から除外している。南関ならライトスリー、道営ならゼロアワーとかリコースパローとかいいと思うんですけどね。

指名候補馬

◆チョコレイトビスコ(メス、父マインドユアビスケッツ、母ベラトリックス、門別・角川、秋田牧場)
→なんとなくメロディーに乗せて発音したくなる馬名。半兄に北海道2歳優駿の勝ち馬イグナシオドーロ、半姉に門別重賞勝ち、南関のA級で活躍しているプリモジョーカーがいる良血馬。

3月14日の9レースに出走し、51.3秒のタイムで1位入線した。レースぶりはまさに理想形。好スタートから軽く促されて先頭に立つと、道中は手応えよく後続を引き付けての逃げ。残り200mあたりからジワジワと差を広げ始め、ラスト数十メートルで鞍上が気合いを付けると急加速。2位以下をあっという間に置き去った。肌感覚だが重賞は勝てそう。ただ、2か月経った今もデビューに至っておらず、その間の動向をつかめないのは地方馬指名の難しいところ。順調に出てくればエーデルワイス賞も狙える。

◆馬名未決定(メス、父エピカリス、母リンガスウーノ、門別・田中淳、松浦牧場)
→トレドの半妹、サントノーレの全弟という良血。こちらは能検を未受検で、「すぱっと!POG!」のコラムで紹介されている情報が全て。

◆サウンドバッハ(牡、父モーニン、母バトルアンコール、門別・川島洋、門別尚省)
→半姉に中央3勝クラス・アジアノジュンシンと同2勝クラス・ウイスキータイム。どちらも短距離馬、そこに父モーニンなので能検がよく見えがちな血統背景ではあるが、それにしても秀逸だった。

3月21日の4レースに出走し、50.4秒のタイムで1位入線。五分のスタートから気合いを付けてハナに立つと、そのまま手応えよく直線へ向かう。残り150m付近で鞍上の手が動くと他馬との差がすぐに広がり、その後ステッキ一発でさらにもう一段加速。2位入線馬に1.6秒の差をつけた。ほれぼれするようなギアを持っている。村山忠弘氏と川島洋厩舎といえば栄冠賞や北斗盃を勝ったサザンヴィグラスのライン。重賞戦線での活躍に期待。

◆ニシケンカバル(牡、父トゥザワールド、母オウシュウフリート、門別・小国、ヒカル牧場)
→母は1戦未勝利引退だが、同牝系からはミラクルオペラやナリタホマレ、全日本2歳優駿を勝ったビッグロマンスなどが出ている。

4月30日の3レースに出走し、49.7秒のタイムで2位入線。ちなみに1位入線馬はスピーディキックの半妹ワンダーウーマンである。五分のスタートから二の脚速く、道中は雁行状態で外3番手を追走。直線に向いて内の2頭の手が動き始めてもコチラは完全に持ったまま。残り200mを過ぎ、鞍上が二度ほど、小さなアクションで気合いを付けると鋭く加速し、3着以下をみるみる引き離してゴールした。1位入線馬はステッキを4発入れて目いっぱいに追われており、手応えの差は歴然だった。

「ニシケン」でおなじみ西森鶴オーナーとヒカル牧場といえば、ミラクルオペラとヒカリオーソが出た強力ライン。距離さえもてば大きなところを目指せる器と見る。

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今回はここまで。一応これで「指名馬検討会」という形の短期連載は終わりになります。読んでくださったPOGプレイヤーのみなさまに名馬との出会いがありますように。

例の身内のドラフトが金曜日にあるので、もしかしたら実際に指名できた馬について書くかもしれません。

鈴木ユウヤ

東大卒競馬ライター。中央競馬、南関東競馬を中心に情報発信している。単勝&ワイド。攻めて勝つ。