京成杯オータムハンデキャップ2025の概要
開催日
2025年9月6日(土)
グレード
GⅢ・3歳以上
コース
中山芝1600m
概要と歴史
サマーマイルシリーズの最終戦にして、9月中山の開幕を飾る古馬のハンデ重賞。かつては東京が舞台で「京王杯オータムハンデキャップ」という名前だったが、幾度かの変更を経て1984年からは中山芝1600mで定着。1998年からレース名が現在の名称になった。
紛れが多い中山マイル、しかもハンデ戦ということでかつては微妙な立ち位置のレースだったが、近年はGⅠ前に間隔を空ける風潮から、マイルCSを目指す有力馬の出走もジワジワ増えてきた印象がある。一昨年はソウルラッシュが勝利。昨年は2歳女王のアスコリピチェーノが豪州遠征のステップとしてこのレースを起用し勝利した。
京成杯オータムハンデキャップ2025の登録馬
登録馬一覧
登録馬16頭
アサヒ
アスコルティアーモ
エリカエクスプレス
カラマティアノス
キタウイング
コントラポスト
シヴァース
ジューンオレンジ
タイムトゥヘヴン
タガノエルピーダ
タシット
ダイシンヤマト
ドロップオブライト
ニシノスーベニア
ホウオウラスカーズ
ムーンプローブ
京成杯オータムハンデキャップの基本データ(過去10年)
※出典:TARGET frontier JV
人気と配当の傾向

1番人気が5勝。以下、2番人気が1勝、4番人気2勝、7番人気1勝、13番人気1勝と続く。さすが紛れの多いコースのハンデ戦というべきか、表を見ると11番人気以下の複勝回収率の赤さが目立つ。人気薄の激走にも警戒しよう。
平均馬連配当は1万3034円。最高馬連配当は6万2380円(15年フラアンジェリコ→エキストラエンド)、最低馬連配当は1180円(18年ミッキーグローリー→ワントゥワン)。
枠順と脚質の傾向

開幕週の中山マイルとくれば多くの人が内枠有利を想像するだろうが、実態は少し違う。むしろ5~8枠が7勝2着7回とよく走っていて、複勝率ベースでは1~4枠より(4%だけとはいえ)優勢。単複ともに回収率が100%を超えている。安易な内枠寄せはキケン。

4角通過順別では、5番手以内と6番手以下で好走馬がほぼ半数ずつ。逃げ馬の連対が3度あるのでそこはケアしたいが、決定的な有利不利は見られない。
前走について
前走3勝クラス組は【2-0-0-5】。着差0.2秒以上つけて勝ってきた馬に限れば【2-0-0-1】になる。強い勝ち方をしてきた馬なら、ハンデの恩恵も受けて十分勝負になる。
オープン・リステッド組は【0-2-1-31】複勝率8.8%、複回収率60%。強調はできない。なお好走した3頭(スマイルカナ、ボンセルヴィーソ、ミッキーブリランテ)には「上半期に中山マイルのOPか重賞で連対」という共通項があった。
前走GⅢ組は【5-7-7-67】複勝率22.1%、複回収率103%とギリギリプラス域。内訳は関屋記念45頭、中京記念20頭の2つが大半を占める。1着馬は【0-0-0-4】と苦戦(※ハンデが増えるから?)する一方、2~3着馬は【4-1-3-10】複勝率44.4%と上々だ。
前走GⅡ組は【0-0-0-3】で特に言うことなし。前走GⅠ組は【3-1-2-12】複勝率33.3%。その3着以内馬【1-0-1-1】はもちろん好成績だが、10着以下でも【1-1-1-7】と巻き返す。ただし、そもそも人気を背負う組で、複回収率は70%台。嫌う必要もないが、特段の馬券妙味があるわけでもない。
京成杯オータムハンデキャップ2025の参考レース
参考レース① 中京記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:スロー
→この日の中京芝は高速だが、内外の差はそこまで感じない馬場。とはいえ初角までが近いマイルは内枠有利のバイアスが出やすいコースではある。シンフォーエバーが逃げて前後半46.9-45.4のスローペース。前有利、やや内有利な決着だったと評価する。
3着ジューンオレンジ【左回りベター】
序盤の隊列を見て、一列下げて最内に潜り込んだ吉村誠之助騎手のファインプレー。3~4角はインベタで手応え十分、直線はマピュースの後ろを突いて脚を伸ばしてきた。ロスなく捌けた恩恵もあるが、道中2-1-4番手の馬が残る展開によく差している。昨年ディセンバーS2着時の内容などから能力が高いのは証明済みだが、右回りだと右にモタれる面があり、内ラチに頼れないとモロい。左回りの方が競馬はしやすい。距離もマイルが合う。
参考レース② 関屋記念
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット、超高速
展開:ミドル
→内枠からシンフォーエバーが逃げて600m通過は33.9秒。数字的には速く見えるが、それはそもそも馬場が速すぎたからで、前後半のバランスでいえば45.5-45.5のほぼミドル。おおむね能力通りに決まったレースと評価する。
5着シヴァース【G前盛り返す】
3番手追走。直線の早い段階で鞍上の手が動き、伸び脚劣勢に見えたが、ジリジリ粘ってゴール前で盛り返してきた。これまで大箱ワンターンを中心に使われてきたが、この感じなら上がりがかかる中山でもいいかも。
6着ニシノスーベニア【精一杯】
内目の4番手を追走し、直線に向くと前もスムーズに空いてあとは追うだけの絶好形。十分に力を出し切れた上で今日はここが精一杯だった。
13着ダイシンヤマト【上がり速すぎた】
中団の外を追走し、そのまま外を回される競馬。直線半ばで両隣から寄られてブレーキをかける不利もあったが、それがなくても前は遠かった。通算4勝いずれも中山で挙げているように、もう少し上がりがかかってほしいタイプ。
参考レース③ オークス
レース映像(Youtube、JRA公式チャンネルより)
トラックバイアス:内外フラット
展開:ミドル
→懸念した雨の影響は限定的で、直前のフリーウェイSでは外2→イン3→逃げの決着が見られるほど。内外のバイアスはなかった。エリカエクスプレスがガッチリ抑えて逃げたが、それでも1000m通過は60.0秒。過度のハイペースではないが、距離不安を抱える馬多数&直線が長いオークスらしく、差し有利の決着だったと評価する。
10着エリカエクスプレス【距離長い】
大外枠から抑えることに主眼を置いた序盤だったが、それでも馬のスピードと前進気勢で自然と逃げる形になった。前半3Fを34.8秒で入り、その後多少は緩んだが、1000m通過60.0秒は例年通りやや速め。直線半ばで力尽き、最後は右にヨレながら後退していった。戦前から分かっていた通り距離が長すぎる。これもマイルが本領だろう。